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グロリア・フォン・コードウェルの断罪と復讐(書籍版:悪役令嬢グロリア・フォン・コードウェルの断罪と復讐)  作者: 万丸うさこ


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第65話 獣以下

 破門というこの世界では類を見ない過酷な罰に、セドリックは何を思うだろう。


 今までの信仰を否定され、命に価値はないと見放され、自分なりに一生懸命捧げていた信仰心を神へ捧ぐことを許されない。


 神の血も神の涙も口にすることは許されない。

 結婚もできない。

 子供を作ればその子供も神の祝福を得られず、ホワイトホープ教の信者としては認められない。

 死出の旅路への祝福もない。

 墓に入ることも許されず、死んだら山か海に捨てられ獣の餌になる。


 彼は信仰心が足りないと判断されたのだ。

 だから犯罪に走ったのだと決めつけられた。あの時にグロリアに向かって吠えた自身の言葉のように。


 ――僕みたいに信仰を集める努力をしてないから金がないんだ! 信用がないんです、信仰が足りないんです! 自分に信仰心が足りないからって聖地を襲うような輩、破門にすればいい!


 目を血走らせてそう言っていたセドリックは、今、その言葉が全部自分に返ってきて何を思うのか。


 投げかけた問いに対する答えはついぞ聞けなかった。


 あの日からセドリックには会っていないが、まあ答えを聞けなくても問題ない。

 心をえぐるためだけに聞いた問いだった。彼がどんな答えを出すかなど、全く興味がない。


 彼にもはや人権はなく、そして人生を狂わせるほど熱心に崇めていた神にも見捨てられ、集めた信仰()は全て聖地襲撃事件の被害者や神の涙の技術料を不当につり上げられていた被害者たちへ支払われる賠償金として消える。


 今までの人生全てを否定され、獣以下の扱いを受けて、これから残りの人生を這いずるように進むことになるのだ。


 もしも奮起して立ち上がり、グロリアの視界に再び入るようならばもう一度叩き潰す。


 前世でも今世でも出会ったばかりの少女に自分の中身を埋めてもらわねば成長できないような空っぽの器では、その可能性は皆無だろうけれど。


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