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第26話 静寂
父の頭が弾かれたように揺れ、その衝撃のまますごい音を立てて倒れた。
手のひらに乗せていた真鍮の花冠を握りしめたアランが、そのまま腕を思いきり横に引き斜め上に放り投げたのだ。
手から離れた真鍮のリングはフリスビーのように勢いよく飛んでいき、椅子に座るため腰をかがめて斜め後ろを見ていた父の側頭部に当たった。
父が倒れ、椅子も倒れ、花冠を模したペーパーウェイトが重い音を立てて転がっていく。
全部の音が鳴り止んだ一瞬後、ふっと耳の奥が軽くなるような静寂に皆が立ちすくむなか、グロリアはとっさに口元を隠した手のひらの裏で微笑を浮かべた。




