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第00000010話 夜市と夜鳴ミコ

 メタバース内で開催されたデジタルネイチャーサミットの会場は、期待と好奇心で満ち溢れていた。

 しかし、夜市にとって、このデジタルの世界は未だに異質なものだった。彼は自分の研究と情熱をこの新しい環境でどう表現するか、その方法を模索していた。


 開会式では、VTuberらしい少女、夜鳴ミコがステージに上がり、参加者たちに挨拶をした。少し幼さを残した美麗なアバターから発せられるよく響く心地よい声に、会場の片隅からは歓声が上がった。


 プレゼンテーションの時間が来て、夜市はステージに立った。

 彼は自らが取り組むプロジェクトについて熱心に語った。彼の言葉は技術的で、聴衆には難しい内容かもしれないと感じながらも、彼は自分の研究に対する熱意を伝えようと努めた。


 自分の発表を終えた後、夜市は一人静かに会場を眺めていた。

 彼の心は複雑だった。自分の言葉が参加者たちにどれほど伝わったのか、その確信はなかった。メタバースでの交流は、彼にとってまだ慣れないものであり、特に表情が見えないことでコミュニケーションを一層難しく感じられる。


 そんなことを考えていると、夜鳴ミコが彼に声をかけてきた。彼女の存在は、メタバースの中でも一際輝いていたので、思い切り動揺してしまった。


 夜鳴ミコが私のプレゼンテーションに興味を持ってくれと知り、夜市はうれしくなった。つい早口になるのを必死で抑えて説明をする。

 彼女のわからないなりに一生懸命理解しようとしてくれる姿には好感が持てる。彼女の姿勢は、このバーチャルな世界においても、非常に真摯に感じられた。


 そして、彼女が連絡先の交換を提案した時、夜市は少し戸惑った。

 メタバースではこれが普通なのかもしれないが、名刺も持っていないのでどうすればよいのか皆目見当がつかなかった。しかし彼女はこの世界での方法を丁寧に教えてくれた。


「こうやって、はいできましたね。ぜひ私のチャンネルも見てください、ではまた」と彼女は言い、その後はサミット会場を後にした。

 夜市は一人残された会場で、彼女の言葉を反芻していた。

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