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一騎当千

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

理想の上司だと思うんですよ。


出会い頭に銃を向けた全てを斬殺し、一人立っていた俺だけが生き残った。それに気が付いた元凶は此方に向かって刃を振り上げる。

「ほう……」

しかしその刃が血肉を断つことはなかった。だが状況は変わって居ない。すんでのところで躱したが尻餅を付き、次受ければ着実に首を跳ねられる。そんな……状況だった。

元凶はそんな俺を見て、暫く考えるや否や、刀を鞘に納めた。それから真横を通りがかり過ぎ、まるで俺など最初から居なかった様に去ろうとした。ただ一つだけ、置き土産を残して。

「次、相対するのは俺ではない。瞬きの生を謳歌すると良い」


「悪いな。待たせたであろうか?」

「待ってませんよね? 私の戦火ご覧になってましたよね? なんなら待っていらしたのは師匠の方ですよね?」

此処ら一体に厄災を撒き散らす元凶をぶちのめした後のこと、振り返ると師匠が木に凭れかかって、此方を見据えていた。恐らく、殴り合いを木の上から眺めていたのだろう。

師匠らしいと言えば師匠らしい。数時間も掛けて殲滅する様な数多の敵を数秒で屠って、強敵に加勢する。丁度今のように。そうして見所をある者を見掛けると、あえて逃して私に討伐を任せる。これが師匠の実践的修行方法だった。

何処へでも任務に私を連れていき、露払いを済ませた後、手応えがありそうな者を譲る。そうしてその難易度は何時も適正だった。死闘の末に私が勝てそうな者を選んでいる。

「お前に死合う相手を見繕って来た。次はお前に任せようと思う」

「それはそれは嬉しく思います。ですが上から怒られますよ」

「唾は付けておいた。予兆があれば直ぐにでも俺が首を断つ」

そう仰ってくるくると傷の手当を開始なさる。擦り切れた傷に消毒液を染み込ませたガーゼを当て、包帯で止血を行う。粗方全ての手当が終わると立ち上がり、此方を見下ろす。

「立てるか?」

「はい」

「歩けるか?」

「はい」

「ならば良い」

よろよろと立ち上がったのを確認し、ゆっくりと歩き出した。歩幅を負傷者に合わせて、速度もかなり落としている。本当ならば気遣われる必要さえないのに。

「出来れば後衛に回って欲しいのだがな。今回も要らぬ傷を負っていた。血に酔い始めると往生せんぞ」

「いいえ。生き残りますよ。生きて、貴方のお傍に立ち続けます」

「ならば傷を負う必要さえ無いほどに強くなれ」

部下への気遣いとか、強過ぎず、弱過ぎず、相手を見繕える見識眼とか、そんなところがいい上司だと思ってます。


あ、此奴じゃ無理だな。死ぬな。と思ったら加勢します。

病院運んだ後、見舞いに来てりんご剥いてます。

生きてりゃ再戦可能なんだから、負けた事に対してそこまで咎めません。


ちなみにこの子は根っからのバーサーカーで、自分が傷を負うのを躊躇わず突っ込む為、『血に酔わないように』と忠告してます。

本当ならば無傷で勝てる相手を見繕ってるのに、まー、生傷絶えないので、妥当な忠告。



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