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彼女は約束を破りました。

作者: 凍頂

リハビリ用です。ツッコミや矛盾多いかも

 どうやら妹が遊んでいた乙女ゲーム『花を君に』の悪役令嬢『ヴィオラ・バイオレット』に転生してしまい、お約束の婚約破棄をされた。転生が発覚する前の記憶を辿ったが、彼女のしたことは明らかに『注意』の領域だった。

平民出身の主人公『リリィ』は身分の挨拶やマナーが無知な状態で舞台とされる学園に入学したのだ。そこを彼女は注意と助言をしたのだが、主人公はそれを怒られた、羞恥を晒されたと思っているようだ。


(そういう人たまにいるのよね。前世にもいたし。)


学園の中立的立場の人たちが彼女のした行為は正しいものであったことを証言したが、主要人物達は聞く耳も持たない状態であった。1つわかったことは、この世界の主要人物達はどんな正論も話しても基本主人公が中心となっているようだ。仕方ないというよりも、相手にするだけ無駄だと思い破棄を受け入れた。

幸いにも彼女の両親、従者や関係性のある人物達は彼女のしたことに対して理解はしていた。

結果ヴィオラのみ国外追放されることで落ち着いた。


 追放後の彼女はとある辺境の地へ向かった。そこは北部と王都の馬車道であるが整地されていないため、事故や馬車を引く業者の体への負担が酷い。

彼女はそこに目を付けた。前世の知識を活用し、人を雇い整地をし、業者や馬の為に小さな休憩所を建てた。当初は使うことに抵抗や躊躇があったが、慣れてしまえばこっちのものだった。時が経過し、小さな休憩所は今では大規模な施設へと変わった。このことが広まり、彼女は多くの人々から称賛を受けるようになった。


 時が経ち、彼女は辺境地の領主となった。日々領民と共に良い街づくりに奮闘している。


「領主さま、関所に『領主様に会わせて欲しい』という複数の人がいます。不審なため用件を聞いています。なんでも『謝罪をしにきた』とのことですが・・・」


怪しい者であるなら追い払うよう指示を出すつもりでいたがその一言を聞き、関所に向かうことにした。











 「お待たせしました。領主の『ヴィオラ』です。」

 関所の応接部屋に入ると、そこには彼女を追放した元婚約者とその仲間たち(攻略対象人物)がいた。被害が及ぶことはないが念のため人を払い、外に待機させた。

 「お久しぶりですね、皆さま。」

 「あ…あぁ…」

 「『謝罪しにきた』と聞きましたが、それは呼びつける建前でまた私に断罪やら、痛めつけに来たのですか?」

 「そ、そんなんじゃ・・・わ、私たちは本当に謝罪しにきた・・・!!」

彼女以外が椅子から立ち上がり、土下座をした。申し訳ないという気持ちは確かにあったようだ。

 (謝罪したからって許すとでも思ってるのか?あれだけ誹謗して)

 「そうですか、じゃあ・・・お帰りください。」

 「まっ、待ってくれ・・・!」

元婚約者が彼女の腕を掴むが、ハッとなりすぐに離す。何様のつもりだろうか直ぐに離したあたり良しとした。

 「謝罪したからと言って許すとお思いで?」

 「わ、私たちは・・・り、リリィを愛するように操られていたんだ・・・!」

彼らが言うには、彼女が入学した同時に「全てにおいて彼女が1番で彼女を愛せ」ということを植え付けられたという。それはヴィオラ追放後も続いていたが、その意識は突然プツリと切れた。これまで主人公(リリィ)のことを第一優先とし、彼らの関係する者たちを蔑ろにし続けてきた結果、彼らは解放されたと同時に地位、家族、友人を失った上に北部への追放となった。


 (おそらくシステム補正的なものだけど・・・彼らのいうことに嘘には見えないけど、洗脳は切れるようなものなの?)


 「・・・事情はわかりました。あなた方は確かに被害者ですが、多くの犠牲を生みました。許しはしませんが、理解はしました・・・ですので、二度と私の前に姿を現さないでください。」


彼らに雀の涙程度の金と食料を渡し、領民に北部までの道のりを案内させた。いくら私(前世の私)が冷たい人間と言われても最低限の施しはする。





 その日の夜彼女は夢の中で、この世界の神に出会った。


(突っ込みがたいけど・・・この神様、この世界の裏ルート的攻略者なんだよね・・・。)


神は彼女への謝罪と彼らの言葉に補足的な説明をするために夢の中に来たという。

彼らに洗脳に近いものをしたのは自分自身だという。何でも主人公(リリィ)も彼女と同じく転生者である。彼女の前世は、親だけでなく、誰からも愛されないでいたという、この世から消えたいと自殺未遂も繰り返すこともあった。

そんな中唯一の生きる希望がこのゲームだったという。彼はそんな彼女を憐れと思い、彼女が亡き後この世界に転生させることにした。その際1つの約束としたという、それは『攻略対象から無条件で愛されるようになる。しかしそれ以外の異性に愛してしまったら、この恩恵は無くなってしまう』という約束だった。

しかし、彼女は愛されることに快感を覚えてしまい、もっと愛されたいという欲が生まれた。そしてその約束を破ってしまい、結果彼女は第三者からしたら妄想癖の強い女として投獄された。

もう誰も彼女を愛さなくなったという。しかし、彼女は未だに愛されていると思っている。







補足という名の駄文

・主人公・・・悪役令嬢に転生したけど、そもそも乙女ゲームの攻略キャラは興味なし(どっちかというとRPGとかにいそうなガチムチ好き)

・ヒロイン・・・前世は辛い人生だった。転生後は逆ハーな世界に満足してたが愛されたい欲が高まった。追放後、サブキャラに手を出してしまったことで恩恵が消えた。(肉体関係を複数のサブキャラと持とうとしてた)

・攻略対象達・・合計5人。その中に悪役令嬢の弟もいるが、彼女(主人公)は弟を人間とも見てない。

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