表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
処女搾乳  作者: ……くくく、えっ?
四章:夏の終わり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/216

それじゃあ……あとは、若い方たちにお任せして

「あんたとくっついてると……なんか……めっちゃイイね。和む……相変らず……超イイ匂いするし……ほんわか気持ちイイし……幸せ」


「そ、そう……せ、狭……い」



「……、――癒しと生活力の千影……世界が滅んじゃっても大丈夫そうな……不必要なくらい盤石な生活基盤を既に確保してる蔵人か


「……んー……、ん~、ん~~~~、……決めた。


「私……今日からバイ。バイになる!」



「み!? 澪ちゃ?!」



「おお……わ、わたしの幼馴染の……性癖を歪めて……人生まで狂わす……千影ままのおっぺぇ……凄い……凄すぎる


「オキャアアアアァーーーッ! しィぬぅうううううううううッ! 耽美に……耽美に殺されるううぅ! 死んじゃうぁアアアアアアアッ!


「……んじゃ、わたしは……若いおふたりのレズを邪魔しないように……あっちのお布団に引っ越ししますんで♡ ど、どうぞ……ご……ごゆっくり。


「ぐ、ぐふ♡ ぐふひッ……ぐひっ♪ 


「……あ、スマホで撮影……イイっすか? 薄い本描く資料にしたいんで」



「いやぁ! イオナちゃ!? イオナちゃ?! 行かないで! 置いて行かないでぇ!!」



「千影……今日も、おっぱいが……素敵だよ


「……蔵人と三人一緒に……いっぱい……エッチなこと……しようね?


「そんで、あっちの布団で……目ぇ、ギラギラさせてる変態に絵でも描かせてさ?


「私たちのスイートなおうちの……素敵なリビングに飾ろ?



「……お……お……お……おお……心得た……心得たアァッ! 描く! わたしの命削ってでも! 描ァく! そのエロエロな場面を見事、切り取って! 超ッ凄い奴! 描き切ってみせぇるッ!!」


 とんでも将来設計に――千影が悲鳴。


 思い描かれる その光景に……イオナが迷惑極まりない決意を口にしたところで、針を握る一ノ瀬さんの手が止まった。



「私……取柄も無いし……ふたりの……オモチャになってあげるくらいしかできないの……


「――今夜は……寝かせないから」



「い……いやあぁぁッ?! くーちゃん! 助けてッ! くーちゃん! くーちゃあん!?」


(また……一ノ瀬さんがキレる前に……やめろって お前ら)



 * * *



 静まり返った夜の廊下で、自販機が大きな音を立てた。


 取り出した飲み物を一ノ瀬さんに手渡すと、次々と腕に抱えながら


「……星山さん……、――置いてきて……良かったんですか?」


 ひとり千影を置き去りにしてきた罪悪感からか、浮かない顔。


「前に……澪とイオナには迷惑かけた手前……俺からは何も……言えないんだよ。でも……あの2人は、俺や千影みたいな奴とは比べるのも馬鹿らしくなるくらい――巧みな人付き合いができる奴らだし、心配の必要は無いと思う」


 あのふたりに対する、俺の偽りない評価。


 それを聞いて納得してくれたのか、少しだけ一ノ瀬さんがホッとした空気を滲ませた。


「柊先輩も……一緒に来てましたよ……ね? 先輩はどちらに?」


 どうやら苦手意識が抜けないらしい、姿の見えない先輩について。


 言葉少なげに訊ねる彼女の腕の中は、既にペットボトルで一杯。


 いくつかを受け取り、近くのベンチに並べて。


 空いたベンチの片隅を勧めると――ボトルで濡れて、色合いを変えた浴衣を気にするように視線を落とす一ノ瀬さんに、話して聞かせた。



「柊先輩は……マッサージ機が気に入ったらしくて……夕食の後、また出て行ったみたいなんだけど――


「そこで知り合った客のおじさんたちと、麻雀話で盛り上がったとかで、さっき……」



『カモ見つけた! カモ! なけなしの色気振り絞って……オッサン共の下心、そそのかしまくってよォ……金目のモン――毟り取って来ちゃるゼェ!』


「……とか言って、出かけていっちゃった」


「だ、大丈夫なんですか……それ」


 暫く前、自身の身に起こったことを想い出すのか――一ノ瀬さんが腕を組んで身を震わせる。


「まァ……先輩の家で働く……俺の先生方の手前もあって。あの人にもスマートウォッチと、リングは渡しておいたから、心配は……いらないと思うけど」


「……そ、そうですか……良かった」


 強張りかけた顔に少しだけ、安堵を浮かべて。


 ぎこちない笑顔で、一ノ瀬さんが小さく息を()く。


「ちなみに他の3年のアホd……先輩方は。男子部屋で勉強中だから放って置いて貰えると助かるよ。今頃、集中力も切れて……遊び始めてる可能性もなくはないけど」



 * * *



 この宿に来て部屋から逃げ出したのは、これで二度目。


 はしゃぐ澪たちから逃れるべく、一ノ瀬さんを誘って飲み物の調達に出た訳だったけれど……そろそろ事態も鎮火したハズ。


 抱えられるだけ抱えたペットボトルを持って、俺たちは部屋に戻ることに。


 騒ぐ人の声なんて聞こえもしない、シーズンオフの地方の宿。


 微かな足音すら立たない、絨毯敷きの廊下を歩いて俺は。


 彼女……一ノ瀬 紬の申し出に対して、どう返すべきか頭を悩ませていた。


 人と慣れ合うことを、まず由としない彼女。


 俺が夏休み前に進呈したミシンの礼として、同好会の面々と協力して――経験値稼ぎに始めたのだという縫製の内職。


 ミシン掛けから、ファスナー付けなんてものを皆で続ける内に……俺が進呈したミシンの代金には遠く届かないにしても――

いつもブクマ有難うございます。


こいつらのお話を書いていますと……いずれまた

ノクターンに沈めてやりたくなってきます。


宜しければ、お読み下さった御感想や「いいね」


その他ブックマークや、このあとがきの下の方に

あります☆でのポイント


それらで御評価等戴けますと、それをもとに今後の

参考やモチベーションに変えさせて戴きますので


お手数では御座いますが、何卒宜しく

お願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ