さァ、飴の時間だ!
「正直、マーケットの値動きは……まるで予想もつかなかったし。
「とはいえ……お爺ちゃんたちが住んでる あの田舎の土地なら、結構な広さの土地に畑と山。あとは……展示販売で役目を終えたモデルハウスなんかだったら、3つ4つは買えるだけの金を手にすることができた。
「でも、これを利確してしまうと税金面で……色々と面倒が発生するから
「エストニアって国にある、ネット銀行のサービスを使って……所有銘柄は全部。
「〝金〟相場と、アメリカドルと連動して値動きする ふたつの銘柄に、随時交換することにしてる。
「なにをするにせよ……当面の実弾は充分なんじゃないか?。
「もし、やりたいことでもあれば遠慮なく言ってくれ。
「あの金を使う権利は勿論、お前にもある訳だし――」
「……ふ~ん」
澪に聞かれた内容について、過不足無く応えた……つもり。
――けれど彼女の反応は。
俺の口調に得意気なものが含まれていて……それが勘にでも障りでもしたのか。
それとも余程、虫の居所でも悪い日なのか。
なんだか普段とは、様子も異なる希薄な反応しか返ってこない。
「お前の機嫌を損ねるようなことでも……俺、言ったか?」
「べぇつぅにぃ? たぁだァ……蔵人は、相変わらずお利口さんでぇ、なんでも できちゃうんだなァと思ってぇ」
容易に それと分かる澪の不機嫌。
自分の不始末はなにか? 彼女の不機嫌の理由は一体何か? と考えて、思い当たったそれは――とてもではないけど、口にし難いもの。
「……蔵人……アンタ」
そんな俺を見上げ、見透かしたみたいに澪が眉根を吊り上げる。
「ちょおぉっと……今、考えてたことを……おねーちゃんに話してみ? ん? ん?」
「い、言えるわけない……い、いや。な……なにも考えて無かった……です」
不快指数高めな暑さにやられた不機嫌さを隠そうともせず、面倒臭そうに立ち上がった澪が……俺に詰め寄ろうとしていたところで――庭に面したリビングのサッシがコロコロと鳴った。
「澪ちゃ、くーちゃん♪ カレーできたよ♡ 生地も捏ねておいたから、ホットプレートでナンも焼こ♫ ……どうしたの? ふたりとも」
今まさに一触即発といった……野良猫同士の喧嘩を思わせる ささくれだった空気に、千影が首を傾げる。
「千影ぇ~!? 蔵人が……蔵人が……私に『お前生理だろぉ』って、もんの……凄く! キモいセクハラ言うぅ!!」
小さな子が母親に泣きつくみたいな口調で、迷惑千万にも ありもしない俺の非を澪が訴えたものの
「くーちゃんは、そんなこと言わないよ……」
「そうだ……言ってない。言ってないぞ!」
ちっぽけな俺と言う人間を知り尽くす この幼馴染は……惑わされる様子もみせずに断言。
「ちィ……このオシドリ夫婦め」
澪の小さな悪態を笑うと、千影はダイニングに引き返していく。
俺たちも家に入ろうと、澪の背中を叩いて促してみれば――
「――ねぇ? 蔵人……この様子だと……疑われる心配も無いみたいだしさ
「今度、千影には内緒で……、
「この物置の中とかさ? いいんじゃない? 狭くて良いから、この辺にスペース作って……
「私と、汗だくSEXしてみない? 邪魔っけな膜、適当に破りたいだけだし
「気にとか、してくれなくてイイからさ
「私が痛がっても……バックから……ガン突きしてくれてもイイんだぞぉ♡ ……ぽしょ、ぽしょぽしょぽしょ」
耳打ちされた、その……ろくでもない提案の内容に。
「澪ちゃ!!」
どうやら こちらの一部始終が気になって、聞き耳を立てていたらしい千影が――声を荒げてみせた。
* * *
アスファルトに熱せられた空気が、通り過ぎていく。
ここ最近の寝不足を推しての強行軍に くたびれ果た俺は、ベンチで皆の様子をぼんやりと眺めていた。
「諸君! わたしが! 諸君らのリーダー! 蔵人氏より、全権白紙委任状を渡された……結城イオナである! 愛情たっぷりに『イオナたん♡』と呼ぶように!」
「「「「「ムリッ!」」」」」
「なんでだよ! あんたらのいつもの後先考えないノリの良さはどうしちゃったの?! ザラメくんに、おやつスティック蹴っ飛ばされるくらい心配になるわッ!!」
麦わら帽子にオーバーオールなんて、野暮ったい恰好で――キンキンと声を張り上げるイオナを前で整列する3年たち。
連中が声を潜めて囁き合う内容が、風に乗って流れて来る。
「……あれが……そう……かよ」
「たぶん……そうなんじゃ……」
イオナの様子もさることながら、アスファルトを蹴立てる騒音のお陰で、連中の様子も今ひとつ捉えきれない。
不安を覚えるなと言うのも無理な話。
仕方もなく、ふらつく身体を起こして――皆の側へと向かうことにした。
もつれそうになる足で、観客席の階段を降りている途中で――わっとした歓声とブレーキ音が鳴り響く。
* * *
「マジか!? マジで……ぼいんライダーは……千影の姐さんだったんか?!」
「ひぅ?!」
「そこッ! 千影ママにセクハラかますとは何事か! それをして赦されるのは、わぁたぁしだぁけぇッ!!」
「う……うおぉ……リッターマシン……これに今から……俺たちも乗るんか」
「……なんかよ……俺たち……ひょっとして……橘くんに期待とかされてて……これ……幹部教育って奴を施されてるんじゃねぇのかな?」
「お、おおぉ……た、たまに……ヤンキー漫画でもあるよな……そんなの」
千影が乗り付けたマシンを車座に囲んで、あれこれと見回し――
いつもブクマ有難うございます。
ここで主人公が語る暗号通貨。
種銭が、そこそこあったからと言ってもアビトラを
メインに、これだけの利益をあげられるかは疑問です……が。
その辺、お手盛りということでどうか おひとつ。
m(:__)m
と申しますか、昨日ロシアへの制裁の一環として
暗号通貨30社へ取引停止?
そんなお話も出ましたようで。
このお話の中で主人公が金の出所を誤魔化すために
手を出した理由としては、ここ最近の暗号通貨市場
の事情から考えると、少々弱いのかも知れません。
と言いますか、正直困ってます。
実の所、このあとの展開でわりと……ここ最近と
申しますか、これから起こる……かも知れない
ロシアの状況。
予想されるそれに、かなり似た話を色々と
書き溜めてきてたんですね(死)
まさかこんな事になるなんて、1か月前には
思いもしませんでした。
書き直すべきか、展開を変えるべきか
凄く悩んでいたりします。
本当にこれ、どうしましょ。
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参考やモチベーションに変えさせて戴きますので
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