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処女搾乳  作者: ……くくく、えっ?
二章:アウトサイダー

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嘆くなり、我が手のファンタジー

 ――俺とお前で積み上げてきた。


 思い返せば頬も緩む、幼い頃からの――柔らかで、タオルケットそのものな、


 穏やかな関係は一体、どういう事になってしまうか。


 分かっているのか? と、


 これはもう……今日は、学校をフケてでも――


 納得行くまで話し合わなくては ならない気すらして……こないでもない。


 絶賛故障中の搾乳機が、割れてしまうのでは無いかと思えるほどに強く握り締めながら、幼馴染の提案を反芻(はんすう)して、


 その曝け出されたままの乳房が振るえるさまを目にしている内に。

 

 心臓は……腹立たしさからか、劣情からか


 早鐘の如く鳴り続け。


 喉は――こいつには、決して聞かれたくは無い


 生々しい音を鳴らしてしまっていた。



 * * *



 いつもは搾乳機のカップ越しに目にする、千影の乳首と乳輪。


 今もピンと張りつめたままの――その先端を指に捉えたなら、


 一体、どんな感触が……指に伝わって来るのか想像もつかない。


 自慢できる様な話では無いことは、重々承知してはいるけれど。


 実のところ……千影のミルクの味については 既に知ってる。


 ジップロックに瓶から流し容れた際、指に着いたそれを


 無意識の内に舐めてしまった時に覚えた感想は――


 イオナの奴が以前、教えてくれた感想 そのままのものだった。


 お世辞にも……美味しいとは言えないというのが、正直なところ。


 そして千影は――この幼馴染(かんがえなし)は。


 今度は大義名分まで与えてくれた上で……俺にとって、


 未知の領域に踏み入る機会を――与えてくれるという。


 間の抜けたゴムパッキンが鳴る、搾乳機の働きについては


 今日まで散々、見てきた。


 どの様な構造で、どの様に機能を果たすのかも既に熟知している。


 ……でも、直接? 俺の手で……口で? その機能を代替する??


 軽い眩暈と混乱に苛まれて、考えてみるものの――


 これが最善かどうか、まるで考えが纏まらない。


 いや、それは嘘だ。


 これが最善の手立てだなんてあるハズがないのは理解できているし、そのあまりの絵面の情けなさまでイメージできてしまうけれども、それを推してでも何故か惹きつけられる その提案。


 ……撥ね退けきれないというのが、正直な所。


 ならば、あれこれ思い悩まないで――実際に試してみれば宜しい! と、


 当然の助動詞も、まぁ……思い浮かびもするけれど。


 他にもっと、こう……他に気の利いた解決策は――ないのか?


 この手の小細工を考えることに関して、人並み以上に良く回る頭を持っていると


 ――自負してきた俺だったけれど。


 隠し仰せようハズもない、荒い息のまま。


 思考は、完全に停止して。


 目の前で震える、余り世間一般的とは言い難い


 大きな乳房へと――


 手は、静かに引き寄せられていた。



 * * *



 俯いたまま怯えたみたいに――首を竦めて、身を硬くする千影。


 あと少しで、真っ白な肌にブラのワイヤー跡が生々しく残る


 たわわな果実を手に取る事ができる――瞬間。


 俺を我に返らせ、押し留めたものは


 手首に巻いたスマート・ウォッチのバイブレーション。


 唐突の振動音に俺と千影は慌てて、飛び退く様に身体を引き離すと


 手首に巻いた小さなディスプレイをタップした。


 設定しておいたグループ・メールに届いたメッセージの送り主はイオナ。



 文面は短くも――。



『ハぁハぁハぁ(´Д`*)』


『若い おふたりの』


『朝から高鳴る心音』


『エロとエモのふぃふてぃ・ふぃふてぃ』


『大好物の匂いしかしてこない』


『今、どんな感じ?!』


『どんな感じ!』


『教えて! お~し~え~てッ!』


『ちゅーかッ?! その先まで行ったのか!』


『舌くらいは、入ってるよね!?』


『それだけでイイから!』


『それだけでイイから!』



 いつもの下世話な調子のもの。



 傍らの充電コードに繋がれたスマホを掴んで

 慌てて返信を打ち込んだ千影の


『なにも無いから!』


 というメッセージに


 なおも しつこく食い下がるイオナの猛攻。


 その怒涛の様に押し寄せる着信に慌てる千影に代わって――


『お陰で、踏みとどまることができた』


 返信を送ると――千影に対しての着信は、漸く鳴り止んだ。


 そして今度は、俺に向く矛先。


 スパムの様なメッセージの濁流を丁重にミュートして。


 朝から徒労感ばかりが募る やりとりの連続に息を吐いていると、


 はだけていた胸元を閉じ終えた千影が、バツも悪そうに――


「ごめんね……くーちゃん。今日は学校を休む……お弁当は、台所のテーブルの上にあるから。おかずは大好きな、チーズと……ささみを大葉で巻いたフライも入れておいたから」


 何故、最初から ふたりして。


 これを思いつかなかったのか? と言いたくなるような


 先程までの問題に対する、他愛の無さ過ぎる解決案が零れ出てきた。


 そんなしょうもない出来事の連続も、まぁ……あって


 ――その日から、しばらくの間。


 搾乳機の修理の目途が立つまでの間、俺は。


 ひとりで登校する事になってしまった訳だった。

いつもブクマ有難うございます。


もし宜しければ お読み下さった御感想や


その他にもブックマークや、このあとがきの

下の方にあります☆でのポイントに代えて、


御評価戴けますと、それを元に今後の参考や

モチベーションに変えさせて戴きますので、


お手数では御座いますが、何卒宜しく

お願い申し上げます。

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