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処女搾乳  作者: ……くくく、えっ?
一章:処女搾乳

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おっぱいの間違った活用方法

「くーちゃん……ごめんね、休み時間にまで」


「いいよ。時間も無いんだから、さっさとやるぞ」


 エロチシズムめいたものを感じたのは、最初のみ。


 もはや、毎日の日課となった幼馴染の搾乳作業に俺は……なんの感慨も抱かなくなっていた。


 独特に過ぎる作動音が、小さな扉で隔てられただけの、階段下のワックス置き場の中で響く。


 石油の匂いで満たされた、学校の人間も訪れる事なんて殆ど無い、その場所で――手早く作業を終了する。


 ボトル一杯にするまでには、まだまだ時間が必要ではあるけれど


 次の時間になるまで、彼女の制服を汚さずに済む程度には、絞れた……ハズ。


 カートリッジの中身をジプロックに移して、携帯保冷バッグに放り込むと、制服を直し終えた千影が、ふと思ったらしい事柄を俺に訊ねてきた。


「ねぇ? いつも わたしのおっぱい……絞ったあと。大事に持って帰って……うちの冷凍庫に入れてるけど――どうするの?」


「分からん」


「……え?」


 間髪入れない、実りの無い返事に豆鉄砲でも喰らったかみたいな顔。


「使い道は思い付かないけど……」


 俺の言葉の先を待って、静かに耳を傾ける千影。


「これは、そもそも……赤ちゃんの口にするべきものな訳だ。食べ物だったら粗末にはできないだろ。冷凍保存が利く間に……なにか、使い道を考えよう」


「……うん」



 * * *



 クラス替えから、一ヶ月。


 学校から帰ると自宅に戻るでもなく、そのまま合鍵でお隣の星山家に上がり込む。


 千影は、まだ帰って来てはいなかった。


 世帯主であるおばさんも、あの後以降……なんでも大きな仕事が入ったとかで、コモド諸島なんて良く分からない場所へと長期出張したまま、帰っては来ない。


 ……まぁ、この家に関しては、あいつが居さえすれば、なんの問題も起こらない訳ではあるけれど。


 一階のダイニング・テーブルの上に並べたてた器材をチェックしているところで、帰宅した事を報せる呑気な声。


 2階の自室へ足音を響かせた後で――着替えると千影が降りてきた。


「いらっしゃい、くーちゃん……また、増えたね」


 所狭しと並べられた器材を一通り眺めた後で――何故だか、少しだけ嬉しそうに。


「なにをしてるの?」


 家主である こいつを差し置いて……我が者顔で、食堂を占拠する俺に対して、御尤もな問い。


「お前から採取した母乳の中に、5パーセント程含まれる乳糖に硝酸エステル化処置を施して、ニトロラクトースを精製してる」


「……ん? ん?」


「平たく言うとだな、大昔に ニトロ・シュガーとかって呼ばれた代物になる。今、作り終えた分量で……フィルム・ケース20個分か……1個10.7グラムに、プラス・マイナス1グラムって所だろうから……大体200グラムってところか? 5000円も出せば1キロは買える程度の代物だけど――その場合、買うには資格も要れば、色々と面倒な手続きが必要になってくる」


「え、えぇ……っと?」


「更に分かり易く言えば、そうだな……爆薬?」


「ば! 爆?!」


 話を理解できずに目を点にしていた幼馴染が、声を裏返らせる。


「いや、利用方法考えたらさ? これが一番賢い方法に思えてさ」


「で、でも……く、くーちゃん……そ、それって法律的には……大丈夫……なの?」


 いつも見せる オドオドと言った表情で、テーブルに置かれたフィルム・ケースの中の結晶に声を震わせる。


「心配するな」


 俺の声に こちらに怯えた視線を向ける千影。


「この原料となる母乳は、妊娠経験も無い……お前から採取したものだ。仮に燃焼し切れなかった残滓(ざんし)から、乳糖の製造に用いたものが、牛乳ではなく母乳と断定されたとしても、ルートが明るみに出る事は多分ない。大半のガラス器材は、学校で拝借してきたし、その他の器材の多くは、母さんの職場で、廃棄されたものを地道に俺が集めてきたものだから、また同様。つまり……な?」


 続く言葉に固唾を呑む音。


「この精製した結晶の出所はまず……人に知られる事はないって寸法だ。安定剤を添加してないから、取り扱いには、厳しいものがあるけどな」



 * * *



 100均で購入した小さな浅い真鍮の皿に、電池ボックスとスイッチを組み合わせたグリップを、学校の工作室にあった100Ⅴ溶接機で取り付けた。


 皿に擦り切りして固めて、ラップした――握り締める事で爆発するモンロー・ナックルが2つ。


 徹底的に人目に付かないように集めることに拘った事が裏目に出て、あまり数は揃わなかったものの――塩化ビニール・パイプの肉厚菅を切り出して造り上げた3本の……所謂ポテトガン。


 発射方法は、スタンダードにヘア・スプレー&ライター。


 弾頭は、あいつのおっぱいから精製したニトロ・シュガーと、爆発力に少し不安があった事もあって――去年の夏、田舎に帰った際に入手した、切り株除去剤から精製した硝酸カリウムを……酸化剤として添加して、金属パイプに詰めたもの。


 精製にはコーヒー・ウォーマーが役に立った。


 が、意外にも……温度を一定に保つのには、苦労をさせられる羽目に。

 

 火薬を詰める際には、ボンドのキャップで窪みを作った上で、美術室にあったフィクサチーフを吹いて固めたけれど……期待するようなモンロー効果が得られるかは疑問。

いつもブクマ有難うございます。


宜しければ、お読み下さった御感想や「いいね」


その他ブックマークや、このあとがきの下の方に

あります☆でのポイント


それらで御評価等戴けますと、それをもとに今後の

参考やモチベーションに変えさせて戴きますので


お手数では御座いますが、何卒宜しく

お願い申し上げます。

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