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処女搾乳  作者: ……くくく、えっ?
二章:アウトサイダー

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サウロンの影的な……ナニか 【Picture】

 ふたりの会話の内容から察するものの、それがなんであるのかは……俺には、ピンとは来なかった。


「私と蔵人と、そこで面白そうに賑やかしてるバカで3:3:3で……残りの1が、千影って感じ?」


「えっ? ……ウソん。わたしも勘定に入ってるの?」


「…………」


 何故か説得力溢れる、過失割合めいたものを告げる澪。



 * * *



「……なんか最近、ヤベぇよな」


「なにが?」


「いや、兄貴に聞いた話……なんだけどよ?」


「おぉ」


「兄貴の先輩で、めっちゃ喧嘩強い人が居て……旧車會? とかって言う……昔の車に拘る暴走族的な? ……まぁ、そんな集団の頭張ってる人がボコられたらしい」


「ほぉ~ん。でもよ? そう言う人種って……漫画でしか知らんけど。喧嘩なんて、いつもの事なんじゃねぇの? 珍しい話なんか? それ」


「問題はよ。その……ボコられ方が普通じゃ無かったらしいんだわ」


「なんだよ それ?」


「なんでも爆弾で……皆殺しみたいなノリだったらしい」


「ふあっ?!」


「つっても、だとしたらこの話、誰から聞いた お話なんだよって……夏の怪談話みたいになっちまうんだけどよ」


「お、おお……そうだよな」


「でも、その兄貴の先輩さんのチームの何十人かは……知らねぇけど。実際、マジで病院送りになってて……しかも、その集会に参加してた姫……的な? 女子、何人も何人も攫っていって――エロエロしまくった後で、どっかの山に棄てて、そいつは消えたとかでだ。……攫われた女子たちは、犯されまくった後、泣きながら裸で帰って来たらしい」


「う、うらやま……けしからん! お、俺も混ぜて欲っすぃ~!!」


「あほ、マジでヤバイから関わるんじゃねぇよ。てか、俺らみたいなパンピーにゃ……そんなのに出くわす機会も無ぇだろうけどよ」



 * * *



 ――中休み――


 机の上に腰を降ろして、そんなフォークロアめいたものを愉し気に披露し合う、クラスの連中の話を耳にしながら――その渦中にあった張本人の俺は……内心穏やかでは、いられなかった。


 尾鰭に背鰭がついて、情報の信用度が著しく低下するのは有難い。


 けれども、ヒレを得た噂話が自由気ままに世間を泳ぎ回って、広範の人に知られるてしまうと言うのは……好ましからざる事態を招きかねない。


 ニュースで、この爆弾魔について触れられて居ない理由については……あの後ろ暗い集会に参加していた面々が


 治療に当たる医療機関等での問診で、その怪我の原因について口を揃えて、季節外れの花火で大騒ぎしていたら……と。


 そんな風に言葉を濁したからだと、澪経由で裏付けも取れている。


 はしゃぎ過ぎた自身の軽率が招いた結果とは言え……それについては、今は心配する程の事では無いだろう。


 千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴を以て(つい)ゆと言うのは、韓非子だったろうか。


 立派な堤もオケラや、アリの開けた穴から決壊するという


 大陸的な気風感じられる壮大な寓話は――


 火遊びを糧にしなくては生きてはいけない、この卑し過ぎる自身の性状にも……すんなりと納得できたし、毎日の作業の中におけるモットーであるところの

 

 善き神は細部に宿る

 悪魔は細部に潜む


 にも……ぴたりと相容れる。深く首肯するより他にない。


 中休み終了のチャイムが鳴った。


 俺は机の中から、教科書を取り出すと次の授業を受ける準備を整え。


 先日の屋上での一件については……やはり、念には念を入れて――


 早々に、あの連中に釘を刺しておかなくてはと、


 始まった退屈の授業の中……そんな事を考えていた。



 * * *



「ロック解除」


 スマートリングを嵌めた左手の指を耳に差して、指定して置いた言葉を呟くとBlue tooth(ブルー・トゥース)経由で、試作した装置の安全装置が解除された。


 装備した右腕下腕部の中指を外側に反る様に意識して、手の平を勢い良く反らすと、親指側の側面に配置した筋電位センサーが、命令の入力を受け付け


 ジャキン!


 辺りに威圧的な音を響かせて、下腕部内側にレイアウトした装置から、二段伸縮のチタン・ブルーの刃が飛び出す。


 反らした手の平を内側に折るイメージで指先を動かすと、高トルク・モーターの稼働音と、噛み合うギアたちの奏でる音と共に、瞬きする間に――チタニウムの電解着色でコーティングした、鋼材表面の結晶パターンが美しい刃は、袖の中に消えた。


(……動作は、悪く無い。夜なべしてPython(パイソン)で組んだコードにも問題は無い……か?)


 何度か刃の出し入れを繰り返して確かめるも――装置に、これと言った問題は見当たらない様に思える。


 もっとも、この装置には。


 先日イオナの家に置き去りにされていた――彼女たちからすれば〝困った〟俺個人からすれば小躍りしたくなる品々の中に紛れていた.380ACPと言う規格の銃弾。


 これを使用する事を目的としたブラジルの銃器メーカー。


 トーラス社の小型拳銃〝Curve(カーブ)〟をコピーして、プリンターで出力した物を、併せて組み込むつもりではあるから――その結果。


 なんらかの不具合が発生する可能性も……無いではない。


挿絵(By みてみん)


(ま、夏休みに……おじいちゃんち行って、旋盤を使わせて貰ってからの話か。ガウスライフルの弾も削らせて貰わないと)

いつもブクマ有難うございます。


イラストの手首部分の袖と言うかタブは、

これは主人公が漸く購入叶った、


レザーマン・トラッドが、左腕側の装置に

「ガシガシ」干渉することを嫌って、


余らせた部分になります。デザインは左右一緒。

腕の長さを計り間違えたとかでは……無いですよ?


もし宜しければ……お読み下さった御感想や


その他にもブックマークや、このあとがきの

下の方にあります☆でのポイントに代えて、


御評価戴けますと、それを元に今後の参考や

モチベーションに変えさせて戴きますので、


お手数では御座いますが、何卒宜しく

お願い申し上げます。

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