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処女搾乳  作者: ……くくく、えっ?
二章:アウトサイダー

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終末には工作を

 怯えるに違いない彼女を前にして……なにを滔々(とうとう)と語っているのやらと言った所ではあったけれども――


「……ほ~ん」


 心配を余所に……澪は、耳に流れ込んでくる情報の大半を、右から左に聞き流してくれた様子だった。


「そんで? それ作って……今度は、なにすんの? おねーちゃんに言ってみ? 言ってみ♪」


 俺が振り撒いた、なんだか痛々しい空気を払拭するかの様に。


 わざわざ下世話な調子で耳をこちらに向けてくれる彼女。



「あくまでも……今の段階では夢想の域を出ないんだけど――」


「ほうほう?」



「俺たちが生まれる何年か昔……ニュージーランドに住まれる方が、当時の日本円で35万円と言う低価格で製作が可能な、巡航ミサイルの作り方を――DIYクルーズ・ミサイルって謳い文句で公表して、ちょっとした騒ぎになったことがあるんだ」



「……ミ、ミサイル……蔵人……あ、あんたが言う事だし、夏になるとコンビニで売ってるみたいな――ライターで火を点ければ、ぴゅ~って飛んでく……ああ言うのとは違う訳だよね?」


 俺が拡げた大風呂敷に、きっと……女子からすれば興味も無い話だろうに――澪は、話の腰を折ろうともせずに先を促してくれた。



「そうだな……。俺はできる事なら これを……


「アマチュアのマニアが打ち上げるモデル・ロケットみたいな感じで取り入れた上で――現代のGPSや、地表の赤外線を感知して……高度を一定に保つ、航空機のラジコンに搭載される装置があったりするんだが……それらを積んで


「ドローンみたいに目標に目掛けて自立飛行するプログラムを与えて……


「スマホのアプリひとつ――


「それを発射できるシステムを作ってみたいと思ってる。機体に積むRDXの精製も遅々として進まない現状では本当に……夢物語に過ぎないけど」



 ――まさか


 こんな饒舌に、知り合って間もない女子相手に――ましてや、幼馴染である千影にすら話した事も無い様なプランについてを説明している事実に気付いて……


 驚かずには、いられなかった。


 そして冷静になるや否や――怒涛の如く押し寄せてくる気まずさに、気恥ずかしさ。


 お茶を濁して、そろそろ長くなる休憩の終わりを告げて、部屋に上がろうと澪に声をかけてみれば、ぼーっと、こちらを見ていた彼女の顔に憂鬱の色が戻った。


「……ぉおお。そ、そうだった……お勉強。おべんきょぅ……ていうか蔵人……もう、いっそ諦めて私を嫁にしてくれ。千影の次でも良いから……マヂで頼む。そんで学校の勉強とか無縁の主婦業に就かせてくれ。赤ちゃんは……欲しくないけど、夜は蔵人がしたいだけ、がっつんがっつん! セックスするし! 色々頑張って練習して尽くしちゃうからさぁ……た、頼むぅ」


 これを俺が思うのも……本当に烏滸がましいに違い無いけれど――そんな、心底……ろくでもないライフ・プランをぼやいてみせた後で


 彼女は、溜息を吐くと――観念した様子で、酷く重たそうに腰を上げた。



 * * *



「離席から20分! バイタルに大きな変化はありませんでした!」


「…………」


 部屋へと戻ってみると、まるで戦争映画の日本兵の口調を思わせる報告を響かせて、イオナが千影に敬礼を捧げた。


 それを耳に俯き加減で――先日手渡したスマート・ウォッチのディスプレイにタッチする千影。


「ああ、ちゃんと身に着けてくれてるんだな。さて、続きと行k……」


 フローリングに腰を降ろして、お勉強会とやらを再開しようと、教科書を捲ろうとしてみれば


 こちらに顔を向けた千影の両目には何故か涙が滲んでいた。


 思い当たる節も無く、首を巡らしてイオナへと視線を向けると


「わたしは……なにもしてませ~ん♪ 悪いのは蔵人なんじゃないかなぁ~?」


 おどけた調子で、大仰なジェスチャーを見せる疑わしき人物……いち。


「って、俺が悪いのか? 俺が千影になにを……した? て、言うか……なにをやらかせたってんだ??」


 まったく思い当たらない言葉に、困惑する俺を眺めて――にやにやと笑みを浮かべるイオナ。


 スカートを整えて、お飾りのクッションに澪は腰を降ろすと、軽い溜息を吐いた。


「安心しなって……千影。言ったところで……ってところだろうけど、あんたが心配する様な事は別になんも無かったから。……あったらあったで、それに出てたハズっしょ? 私も、そこまで鉄面皮じゃないから」


 脈絡の掴めない、女子同士で完結する話題に踏み込むこともできずに……居心地も悪く、戸惑っていると――


 渦中の千影は、眼鏡を外すと滲む涙を拭い


「澪ちゃん……くーちゃん、イオナちゃん……ごめんね。今日は、もう……私、お家帰るね」


 教材をバッグに詰め込むと、肩を落として


「おい……千影?」


 引き留めようとする事さえ、拒絶するみたいな空気で出て行った。


「お前が帰って、どーすんだよ……」


「どうしよう……どうしよう澪。男子のメンタルが幼稚園児なのは珍しくも、なんともないけど――少女漫画を聖典に擁いて十年! まさか間近で こんなやり取り見れるなんて思わなかったわ。しかも追わないのコンボだよ? コンボ。……っほおぉぉ! ここ最近、養分過剰で根腐れしそー!」


「いや、あんたは幼稚園の頃から腐ってたから」


「……なんか、俺が……まずかったのか?」

……ご、ごふっ


今、気づきました……タイトルが

旧題に変っちゃってる。

((||´Д`))


小説情報編集の記入欄にでも、うっかり

カーソルが当たったんでしょうか。


たまに予約投稿の日時が、リセットされ

ちゃったりとかは、ありましたけれど……。


頻繁にコロコロ変えて良いモノなのか

どうかも分かりませんので、


しばらくしてからタイトルを戻すか

どうか考えたいと思います。


……ほんと申し訳ない。

m(;__)m


もし宜しければ……お読み下さった御感想や


その他にもブックマークや、このあとがきの

下の方にあります☆でのポイントに代えて、


御評価戴けますと、それを元に今後の参考や

モチベーションに変えさせて戴きますので、


お手数では御座いますが、何卒宜しく

お願い申し上げます。

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