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処女搾乳  作者: ……くくく、えっ?
二章:アウトサイダー

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与り知らぬけども、腑には落ちる……その悪名

 五月も下旬に差し掛かり、中学生と言う身分の俺たちには……煩わしいばかりの中間テストを迎える時季に差し掛かっていた。


 テストを前にしたからと言って――いつもであれば、俺に限って言うならば……。


 特に事前に勉強に追われたりなどと言った、そういう事とは無縁に、普段通りの生活を送るだけで済んだ訳ではある……けれども。


 新学期早々、学校をサボって寝込んでしまった千影に……お世辞にも普段から あまり模範生とは言い難かった澪。


 このふたりのテストの出来には、少々……いや、かなり。


 危ぶまれるものもあった事から――お勉強会なんて名目の……実効も甚だ怪しい催し物が我が家にて、開催される運びとなっていた。


 部屋に運び込んだロー・テーブルを囲み、うんうんと頭を抱えて唸る千影と澪。


 そして意外にも……と言うか、ここまでくると、色々と……素直に納得せざるを得ない訳だったけども――成績はいつも上位をキープし続ける優等生なのだと言うイオナ。


 彼女は愛機のタブレットをカバンから引っ張り出すと、


 制服が皺になるのも気にもせずに、我が物顔でベッドで寝っ転がって


 本日の集まりの趣旨を一顧だにする様子も無く、鼻歌交じりにスタイラスを走らせ出した。


 そんな女子たちを部屋に残して台所で一人、組み立てた精製装置の具合を俺が確認していたところ


 苦虫を嚙み潰した表情に、憂鬱を綯い交ぜにしたような顔で――澪が問題集から逃げだしてきた。テーブルの椅子を引いて、座り込むなり大きなため息を吐く彼女。


「……もーダメ。優等生じゃあるまいし……なんで、こんなに勉強しなくちゃいけないんだっての」


「中学生だからだろ?」


「真面目か。いたいけな私たちに情け容赦無く、爆弾放りつけた〝港湾地区のボンバーマン〟とか呼ばれてる御仁のお言葉とは思えませんわ」


「おい、俺……そんな風に噂になってんのか?」


「おー……なってるなってる。この間の集会に集まってた、人間の間でだけどねー」


 頭に血が昇っていたからとは言え――少々、はしゃぎ過ぎてしまったらしい。


 しばらくは……ほとぼりが冷めるまで、大人しくしているべきだったの……かも知れない。


「……失敗した」


 先日、調子に乗って学校の屋上で感電グローブを使用したことが酷く悔やまれた。


 あいつらが吹聴して回らない様に、改めて釘を差すなりするべきかも知れない。


「失敗した? なにが?」


 自身の軽はずみな行動に眉間に皺を寄せていた俺に


 テーブルに額をくっつけて突っ伏していた澪が、こちらの作業についての話とでも思ったのか、器材に目を向けながら そんな風に聞いてきた。


「……作業は失敗してない。至って順調だよ。失敗したって言うのは……まぁ、こちらの話だ」


「……ふ~ん。ま、イイけど。ところで今度は、また……なに作ってんの? 私らの勉強見てくれるって合間合間に……ちょこちょこ ちょこちょこ降りて来ては、作業してたみたいだけど」


「定期的に知り合い達にネットで落札を頼んでた喘息の薬が、まとまった量になってきたからトリメチレントリニトロアミン……長いか、……RDXの精製を行っている」


「と、とり? あーるでぃー……なに? 飛んじゃう系の……ヤバイ薬? スターウォーズ??」


「――違う」


 勉強はできない澪ではあったけれども、彼女は決して頭が悪い訳では無い。


 むしろ人と人とのコミュニケーションなどを成立させるための その手管や頭の回転の様なものは……今、この家に集まった誰よりも巧みなものを持つ女子だった。


 そんな彼女の能力に対して――この短い期間の間に、好意めいたモノを覚えていた俺は、最大限の敬意の元……彼女の機嫌を如何に損ねないよう腐心して、言葉を選んで


「うーん……軍用の……高性能火薬って言って通じるか?」


 表情を窺い窺い、彼女らを放って――自身が、かまけていた作業についてを……話して聞かせた。



 * * *



「ま、まだ爆弾が要るの……あんた」


 呆れたかの口調ではあったけれども……あの夜。


 自身の頭上から降り注いできた陶片の恐怖が甦るのか――寒さなど感じない季節となったにも関わらず、澪は両肩を掻き抱くみたいにして心なしか……顔を青褪めさせている様に見えた。



「シクロトリメチレントリニトロアミンとか、ヘキソーゲン……って別の名もあったりするんだけど――


「第二次世界大戦の後に登場したプラスチック爆薬の主原料や、単独では……銃の雷管の原料に使われたり……変わった用いられ方としては、有毒ではあるけど、味は甘いって事もあって……猫いらずに使われたりもした化学物質でな?


「大体、8,750 m/sぐらいの速度で爆発する。


「現代ではC-4プラスチック爆薬というものが登場した事もあって、プラスチック爆薬として用いられるのは……下火になってきたのか? すまん。その辺の事情には少々自信がないんだけど……。


「お前が今、目にしている通りの規模の――こじんまりとした設備と器材で作れるものでだな。


「……作るのも そう難しくない物という事もあって、9・11以降のテロ組織なんかでは〝サタンの母〟とかって呼ばれた過酸化アセトンの他、これを使った自爆ベストなんて物を作って使用していたらしい」

ここに登場します……RDⅩを

喘息の薬から製造する方法。


それと次話に登場する代物。


この ふたつにつきましては、その製造

過程に関する描写が全くできません(汁)


以前までは、ネットで探せばページも

簡単に見つかったんですが……


昨今のご時世によるものか、はたまた

管理者さんが飽きたのか。


どちらも、ページが削除されているらしく

発見できません。


このフォーカスをぼかさずにはいられない

苦しい事情に関しましては、


酌んで戴けますと……ハイ。

m(;__)m


そんな、ていたらくでは御座いますが。


もし宜しければ……お読み下さった御感想や


その他にもブックマークや、このあとがきの

下の方にあります☆でのポイントに代えて、


御評価戴けますと、それを元に今後の参考や

モチベーションに変えさせて戴きますので、


お手数では御座いますが、何卒宜しく

お願い申し上げます。

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