旅館
アグニについて行くとそこは古びた旅館があった。
「ここに俺は泊っているんだ」
そう言うと、アグニは中に入った。
(なんかお化け出そうだな、、でも、贅沢は言ってられないし。泊る所があることに感謝しないと!)
ジベルはアグニの後を追って旅館に入った。中に入るとアグニが老人と話していた。
「友達が泊るところなくて困っているから、俺と同じ部屋に泊まらせてあげたいんだけどいい?」
アグニが聞くと老人はゆっくりとした口調で話し始めた。
「お金をしっかり払ってくれるなら、何人泊ろうとかまわんよ」
それを聞くとアグニは自分の部屋にジベルを招待した。部屋に着くとそこはボロボロの部屋だった。
(外見の通りの内装だな、、)
ジベルは苦笑いをした。部屋は床が畳で、広さは畳7畳くらいだ。
「まぁ汚い部屋だが、金のない俺達にはオアシスだな」
アグニはジベルの心を察したかのようにニッと笑いながら言った。その発言にジベルはドキッとした。
「適当なところに荷物を置いて、ゆっくりしてくれや」
そう言うと、アグニは座布団の上に座った。ジベルも荷物を置き、部屋の隅っこにチョコンと座った。
「なんでそんな端に座っているんだよ。もっと近くに来て色々話そうぜ」
そう言われるとジベルはアグニの正面に座った。
「そういえば、なんでジベルはこの街に来たんだ?ここは金持ちが来る場所だからな。ジベルには悪いが、宿も取れないようじゃお金はそんなにあるようには思えないし」
アグニは質問してきた。
「ぼ、僕は、ソルジャーの試験を受けに来たんだ!」
アグニはそれを聞き、顔を前に出してきた。
「ジベルもソルジャーの試験を受けるのか!!」
嬉しそうに言った。
「ってことはアグニも受けるの?!」
「おう!俺もこの近くの町出身で、ソルジャーになるためにこの街に来たんだぜ!!」
その言葉を聞き、ジベルも笑顔になった。
「じゃあ、試験二人とも受かるようにがんばろうね!!」
「俺は受かるけど、ジベルは落ちないように頑張れよ!」
アグニは片目をつぶり、見下したように言う。
「僕だって絶対受かるよ!!そのために今まで頑張ってきたんだから」
ふーんといった感じでジベルのことを見た。
「アグニはなんでソルジャーになろうと思ったの?」
ジベルはアグニがソルジャーを目指したきっかけを聞いた。
「それは、、、、かっこいいからに決まっているだろ!!」
アグニは立ち上がり熱く語りだした。
「だってよ!ちょーー派手な技で悪者を捕まえたり、倒したりするんだぜ!!男なら憧れるだろう!!」
まるで目の前に敵がいるかのようにパンチを繰り出しながら言った。
「でも、本当に命のやり取りをする場面もあるっていうから、実際憧れていても目指す人は少ないけどな」
アグニはパンチをするのをやめ、その場に座った。
「ジベルはなんでソルジャーになろうと思ったんだ?」
「それは、」
ジベルは昔自分が体験したことを話した。森でオルサに襲われていたところをイシュムというソルジャーに助けられ、無事に森を抜けられたこと。イシュムが教えてくれた修行を毎日続けてきたことなどを話した。
「そんな漫画みたいな展開本当にあるんだな」
ジベルは過去を思い出し、目が輝いていた。
「なあ!俺にもジベルがやってきた修行教えてくれよ!!」
そう言うと、グイっと体を前に出した。
「い、いいけど、僕はいつも寝る前にやってあとは寝るだけにしてから、ご飯とか食べてからにしよ」
「わかった!それなら、早く飯とか食ってやろうぜ!!」
2人はすぐにご飯を近くのお店で食べ、旅館に戻ってお風呂に入った。その間もお互いの今までの出来事を話した。
「えっ!?昔襲われたその熊、倒したのかよ!?!?!」
「うん。でも、実はオルサ達は自分たちの住処を他の生き物に邪魔されないように守っていただけなんだ」
「なんでそんなことがわかるんだよ」
ジベルに質問をした。
「だってオルサに聞いたら、反応していたもん」
アグニはその話を聞き、思わず笑ってしまった。
「お前、熊が人の言葉なんてわかるはずねーじゃん」
アグニはまだ笑い続けていた。
「聞いたら反応したんだってば!!」
もう一度言ったが、ますます笑い声が大きくなった。
「お前やっぱり変わってるよ!」
「本当だって!!」
ジベルは信じてくれないのが不満そうだった。
2人は寝る前までのことを一通り済ませ、外に出て修行の準備をした。
「先に風呂と入って汗とかかかないの?汗かいたまま寝るのとか嫌なんだけど」
すこし、お風呂後の修行を嫌がる。
「大丈夫。部屋に戻るのも嫌になるくらい疲れるから」
そう言うと一歩前に出た。
「最初は僕がお手本を見せるから見ていて。まずは、なるべく早く体のどこでもいいから100%の雷を溜める。」
ジベルは雷鳴と共に両手に雷を溜め始めた。少しすると100%溜まった。
「そして、100%を維持!!」
ジベルの両手にある雷が弾けるようにして音を立てている。
だが次第に音が少しずつ小さくなっていく。
「ダー。今日はこれくらいでやめとかないと。この後アグニが倒れた時が大変だからね」
そう言い、ジベルは息を切らしながら座り込んだ。
「今のってそんなに辛いの?」
不思議そうにジベルを見る。
「や、やれば、わかるよ。」
アグニはいつも技を使うみたく両手に雷を溜め始めた。ジベルよりは時間がかかったが100%に溜めることができた。
「それをキープして」
少し息を整え始めたジベルが言う。
「ぐ、ぐ、、くそ」
アグニは一分ともたずに雷が切れてしまい、倒れこんでしまった。
「ただ雷を、、、持続するのが、、、こんなに大変だなんて、、、知らなかった、、」
そこにいるアグニはいつもの元気は無く、声もやっと出せている状態だった。
「ちょっとまってね。今雷分けてあげるから」
アグニの心臓に手を置き、雷を分け始めた。少しすると、ジベルは歩ける状態になった。
「なるほどな。これやってからは風呂に入ろうとは思わないな」
2人はやっとの思いで部屋に戻り、すぐに布団に入ることにした。
「お前この修行初めてどれくらい経つ?」
「イシュムにあってからだから、七年くらいかな。ほとんど毎日やっているよ」
その言葉にアグニは驚いた。
(あれを毎日七年間も、、、 もし本気でジベルと闘ったら俺は勝てるのだろうか)
挑戦してみたい気持ちと恐怖があったが今日は疲れすぎたので寝ることにした。
今回は少し短いですが、区切りを考えるとここで終わらした方がいいと思ったので許してください。




