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イカヅチのソルジャー  作者: 來亥夢
1/5

冒険の始まり

この世界には、終焉の年と呼ばれる年がある。その年地球全体を隠すほどの積乱雲に覆われた。その積乱雲からは今までとは比べものにならない数と威力の雷が、地球上に嵐のごとく振り続けた。その期間なんと、1年!!その雷に打たれ多くの死者が出た。だがしかし、人類は絶滅することはなかった。なぜなら、雷に打たれた人間の中にごくわずかだが、体に雷をまとうことができるようになったからだ。その特殊な人間のことを皆


「雷人」


と呼ぶ。

今の地球は雷人が7割、人間が3割で成り立っている。

この話は終焉の日から約100年後の世界のある村の外れにある森から始まる。


「おーい。待ってよー」


ジベルは友達に追いつこうと走っていた。


「ジベルは本当に遅いな。置いていくぞ」


3人の友達は先にどんどんと進んでいく。


「待ってよー」


道をずっとまっすぐに行くと、そこには大きな森があった。


「やっと来たか。本当にジベルはのろまだな」


友達の一人がジベルに向かって言う。


「ほ、本当にここで虫取りするの?」


ジベルは不安そうに3人に聞く。


「あったりまえだよ!そのためにわざわざこんなに遠いところまできたんだから!」

「そうだぞ!この日をどんなに楽しみにしていたか!」


3人はワクワクしていた。


「だってここは、、、、」


ジベル達の目の前に広がっている大きな森の名前は、「トイフェル」という森だ。ここには熊の群れが生息している。だが、ここを住処にしている熊はただの熊ではない。ここの熊は人を襲い、全長はなんと10メートルもある巨大熊の住処だ。しかし、この森には珍しい昆虫もたくさんいる。ジベル等4人は珍しい昆虫を捕まえて、自分のペットにしようと考えていた。


「ここには珍しい虫がいっぱいいるんだぜ!」

「早く俺達も捕まえたいな!」

「そうだな!」


ジベルの心配をよそに3人は盛り上がっていた。


「大丈夫だってジベル。俺たちは雷人なんだぜ。もし、大きな熊が出ても俺たちの雷で倒してやろうぜ!」


ジベルは何か言おうとしたが、その前に友達の一人が掛け声をかけた。


「それじゃー、ペット探しのために出発!」

「「おーーー!!」」


3人は森の中に進んで行った。


「待ってよー」


ジベルも遅れないように急いで3人の後について行った。

昆虫を探し始めて30分が経った。4人はずいぶん森の中にまで入って昆虫を探したが、なかなか見つけることができなかった。


「簡単に見つかると思ってたけど、案外見つからないものなんだね。」


一人がそう言うと、奥の茂みがガサガサと音を立てて揺れた。


「今揺れたぞ!あそこに何かいるぞ!」


4人は急いでそこに向かった。だがしかし、そこに居たのは、赤と黒の髪色をして、腰には刀を挿した男が立っていた。


「おいお前ら、ここで何をしている。ここはお前らのような子供が立ち入っていい場所じゃない。熊が出る前にさっさと帰りな。」


その男性は子供たちを見ながら言った。しかし、4人はその人の言葉を聞かず、昆虫じゃなかったことに落ち込んでいた。


「ちぇ、なんだよ、人かよ、虫じゃなかったな」

「違うところに行って、早く見つけようぜ」

「おおーーー!」


3人の声が響く。それを聞いて赤と黒髪の男が口を開く。


「おいお前ら、俺の話を聞いていなかったのか?お前らも知っているはずだ。ここには人を襲う熊が住処にしている。しかも、このすぐ近くにいる。死にたくなかったら、早く家に帰れ。調査の邪魔だ。」


ジベルはすぐ近くに熊がいることを知り、怖くなった。


「この人の言う通り早く帰ろうよ、、」


ジベルが3人に向かって言う。だが3人は話を聞かなかった。


「あんな奴の話なんか聞かないでいこうぜ」

「そうだよ。きっと、昆虫を独り占めする気だよ」


3人は森の奥に進もうとした。だが、それをその男は刀を抜き少年らの前で止めた。


「これ以上進むというなら、しょうがない。お前たちを気絶させる。痛い思いをしたくないなら、早く帰れ。」


男は4人を睨んだ。だが、それに臆さず一人が話し始めた。


「俺たちは雷人だ!お前なんか俺の雷で気絶させてやる!!」


そう言うと激しくバチバチと音を立てて、両手に雷を溜め始めた。

それを見た男が、


「ほーう、お前らも雷人か、なら、俺の雷を受けても死にはしないな。」


その男も片手に雷を溜め始めた。だが、雷を溜めるスピードと量が全然違う。それを見た少年たちは諦めて帰ることにした。


「くそ、また別日に来ようぜ」

「そ、そうだな」


ジベル以外の3人は森の出口に向かった。ジベルが男のことを見ていると、


「おい坊主、しっかりした判断ができるのはお前しかいないみたいだ。あの3人がちゃんと家に帰るようにお前が連れて帰れ。頼んだぞ」


ジベルは嬉しくなり、笑顔で返事をした。


「うん!!」


返事をすると、急いで3人の後を追いかけた。



・・・・・・・・・・・・・・



「あんなの卑怯だぜ、とんでもない雷だったぜ。」


友達の一人が言った。


「すごい雷だったね。でもあの人は、きっと僕たちを助けてくれようとしてたんだよ」


ジベルが言う。


「なんだよ、あいつの味方をするのかよ。」


友達が面白くなさそうにしてジベルのことを見る。


「いや、そういうわけじゃないけど、、、」


ジベルが小さくなる。


「どうせ帰るなら、俺の雷玉あいつにこうやって投げればよかったぜ」


そう言うと、友達は雷を片手に溜めそれを投げた。すると何か生き物に当たり声を上げた。その声は少年4人だけじゃなくさっきの男性にも聞こえ、すぐに声のする方向へ走った。


「今の声聞いたか?!何かにあたったぞ!確かめに行こうぜ!!」


そういうと4人は走り始めた。


近くに行こうとしたが、当たった生き物の姿を見て走るのをやめた。なぜなら、そこに居たのは全長10メートルを超えている、森の主がいたからだ。森の主は4人に気づき、そっちに向かって大声で吠えた。


「グオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」


「「で、でたーーーーー!!!」」


4人とも声を上げた。4人は走って逃げようとしたがジベルが一人逃げていないことに気づく。


「なにしてるの!!早く逃げて!」


ジベルが声をかける。だが、友達は動かない。どうやら、驚いた衝撃で腰を抜かしてしまったらしい。


(に、逃げなきゃ、僕が行っても何もできない)


そう思ったが、脳裏に男性に言われたことを思い出す。


(「しっかりした判断ができるのはお前しかいないみたいだ。あの3人がちゃんと家に帰るようにお前が連れて帰れ。頼んだぞ、頼んだぞ、頼んだぞ」)


(そうだ、あのかっこいい男の人は僕に3人を無事に家まで送ることを頼まれたんだ。ここで逃げてたまるか。僕が何とかしてやる!!)


ジベルは友達の前まで走った。


「僕の友達に近づくな!!近づいたら僕が許さないぞ!」


ジベルは両手に雷を溜め、それを熊に向かって放った。だが、一瞬動きを止めるだけで、熊はすぐに動き出した。


「うわーーーーー!!!!」

(僕が守るんだ僕が守るんだ、、、、、、、、)


何度も雷を放出したが、熊を気絶させることはできなかった。しかも、最悪なことにジベルの体内にある雷を全部使ってしまい雷が出せなくなってしまった。


「でろ!でろ!でろ!でてくれ!」


何度やっても雷は出ない。熊は勢いをつけて突進してきた。


(僕が守るんだ、僕が守るんだ、ボクガマモルンダ、、、、)


「炎雷弾!!!」


その声がした直後、後ろから、すさまじい雷音と共に、炎の弾が飛んできた。その球が熊に当たり、後ろに倒れた。2人は男に担がれ熊と距離を取った。


「遅くなって申し訳ない。だが、君のおかげでその友達を助けることができた。あとは俺に任せろ」


そう言うと、熊のもとに走って行った。ジベルは気の陰から男の戦闘を見ることにした。熊はすでに起き上がっていた。


「俺は無駄な殺生はしたくない。こちらの都合で申し訳ないが、少し寝ていてもらう」


そう言うと、男は刀に手を伸ばし、


「フランメ、、、、、ブリッツ」


と言った次の瞬間、目にも止まらぬ速さで熊の横を通り過ぎ、熊は倒れた。


「峰打ちだ。力も抜いたから、明日には起き上がれるだろう」


そう言うと、その男は刀を鞘に納めジベルの方に来た。


「あ、あの、ありがとうございます」


ジベルはかすかな声で男に礼を言った。


「なーに、助けるのは当たり前だ。だけど、この森の恐ろしさがわかっただろ?これからはこの森に近づくんじゃないぞ」

「、、、はい、、」


男は返事の小ささに気づき、ジベルの心臓に手を当てた。


「お前、自分の出せる量以上の雷を出したな。こうなると、自然に回復したら1時間は動けなくなるから、今度からは気をつけろよ。今回は俺の雷を少し分けてやる。」


ジベルはニコッと笑った。男はジベルの心臓に手を当てたまま、自分の雷をジベルに流し込んだ。そうすると、ジベルの顔色はよくなり、元気になった。


「お兄さんありがと!」


ジベルはもう一度お礼を言った。それを聞いた男は照れくさそうにしていた。


「お兄さんはいったい何者なの?」


ジベルが質問すると、


「俺の名前はイシュム=ホークだ。ソルジャーをやっている」


ジベルはそれを聞き驚いた。

ソルジャーとは、雷人だけがなれ、歴史の研究や、未開の地の開拓、生態調査、悪人の討伐、依頼されたことなどをやる人のことだ。


「かっこいい!!」


ジベルは目を輝かせ、イシュムのことを見る。


「やめろ。そんなたいしたものじゃないよ」


イシュムはジベルの眼差しに照れていた。


「まぁ、また襲われたら大変だから、俺がお前たちの家まで送って行ってやる」

「やったー!!」


ジベルとイシュムは立ち上がり、イシュムはジベルの友達を担いだ。そして二人は村に向かって歩き始めた。



・・・・・・・・・



2人は村に向かって歩いていた。


「ところで、坊主。お前の名前はなんて言うんだ?」


イシュムがジベルに質問した。


「僕の名前は、ジベル=トネール」

「そうかジベルか。よろしくな。」


イシュムがジベルに笑顔を向ける。それにジベルも答える。


「イシュム、質問なんだけど、どうしたら、イシュムみたいに強くなれる?」


今度はジベルから質問をした。


「そうだな、まぁ、色々あるが一番は体に溜めておく雷を多くすることだな」

「どうすれば多くなる?」

「それは、修行をするしかないな。毎日限界まで雷を使って容量を大きくする。そうすれば、使える雷も増えて、威力も増すぞ」


ジベルは忘れないように頭で何回も唱えた。

2人で話しているとあっという間に村までついた。


「ここがジベルの村か。じゃあ俺とはここでさよならだな」

「うん!ありがと!」


ジベルは元気よく言う。イシュムが立ち去ろうとすると、


「イシュム!またいつか会える?」


ジベルが寂しそうに聞く。


「それはわからないが、ジベルがソルジャーになれば必ず会えるさ」


その言葉を聞き、ジベルはニコッと笑った。

イシュムが別れを告げると、森に戻って行った。

それから、ジベルはイシュムが言っていた容量を大きくするために毎日修行をした。雷を使いすぎて動けなくなる日も結構あったが、イシュムを目標にジベルは頑張った。


月日は流れ7年が経った


ジベルは15歳になった。

この日ジベルは旅立とうとしていた。


「父さん、母さん、僕行ってくるね。世界一のソルジャーになって帰ってくるから」


ジベルは父と母に別れを告げていた。


「本当に行ってしまうのね。母さん寂しいけど、あなたの人生なんだから、精いっぱい頑張ってきなさい。困ったことがあったらいつでも帰ってきていいからね?」


母は今にも泣きだしそうな母と抱き合った。


「ジベル、男が一回やるって決めたら死ぬ気で頑張ってこい」


父の言葉にジベルは頷いた。


「それじゃあ行ってきます。」


ジベルが世界一のソルジャーを目指す冒険が今始まった!!


3日に一回くらいのペースで書きます。

応援をよろしくお願いします。

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