語り:とある人
なにを言ってるのか、書いた本人がわからない。
今は、西暦五〇〇二年。
温暖化による地球崩壊の年(二〇一八年)が過ぎた世界。
しかし、崩壊は逃れたものの、世界は元の姿ではなくなっていた。
原因は、自然にそうなったわけではなく、人類がそうしたのだ。
色々な技術が発展していくにつれ、どっかしらで世界全体が追い付けなくなってくる。それは、必ずと言っていいほど、当たり前のことだ。
技術だけが発展していったとしても、世界が発展しなければ、それに耐えきれなくなる。
耐えきれなくなった先に待ち構えるのが、戦争だ。
三一五七年。第三次世界大戦の勃発。
食糧難に陥っていていた中国、韓国、北朝鮮などのユーラシア大陸本土の国々は、人工が少なく、その為食糧がまだある国に戦争をふっかけ、食糧を調達していた。それは、日本にまで襲ってきた。
軍事力の少ない日本は、人工は多いが何とか持ちこたえていたアメリカなどのアメリカ大陸に援助を要請。それを承諾したアメリカ大陸国々と日本は、カナダを本部にし、アメリカ大陸の国々、日本と、それぞれ支部をつくった。
三一六三年。六年の歳月が過ぎ、メガフロート一号が完成。日本とアメリカ大陸を挟む太平洋の真ん中辺りに浮かんでいた。
だが、それは無意味に終わるのだった。
戦争の終わりである。
とは言っても、本来の終戦とは異なる。何故ならば、世界が終わったからである。
『ブラックインパクト』と呼ばれる空間崩壊が起きたのだ。
その中心にいたのは、二人の人のような姿。一人は、人ではなく、二本角がついているやたら筋肉質の男。そしてもう一人は、十五歳ほどの少女だった。
この二人は、戦争をしていたのではない。世界存亡に関わる戦いをしていたのだ。
角を生やした男は世界を壊そうと、少女は世界を救おうとしていた。
しかし、どちらも叶うことはなかった。いや、ある意味男の願いは叶っていた。けれどそれは、自分までもが巻き込まれてしまうものであった。
二人の膨大なエネルギーの衝突により、そこを中心にして空間に歪みが生じ、空間の崩壊。それを意味するのは、世界の崩壊である。
世界とは、空間があるが故に存在しているのであって、世界があるから空間があるのではない。つまり、空間が崩壊すれば、なくなってしまえば、世界もそれと同時に崩壊、なくなってしまうのだ。
崩壊したあとの地球は───。
新たな惑星、世界が出来ていた。惑星の名を地球。その名前は変わらなかった。
一番大きい大陸──アンベール大陸、縦長の大陸──シャーンド大陸、北極点周辺に広がる大陸──トンデイ大陸、南極点周辺に広がる大陸──ハンケール大陸、そして小さな、大きな島々、最後に海、で構成されている。前の地球とさほど変わっていなかった。
しかし、技術など社会の様子は異なっていた。アニメでよくあるファンタジーの世界になっていた。
元の世界に異なる世界が上書きされたのだ。
それが、今ある世界。
はじめに、西暦五〇〇二年とは言ったが、正しく言えば、違う。
さて、はじめからやり直そう。
時は、西暦二〇一八年。
舞台は、ファンタジーな世界である。
異能力が存在し、魔物がいる世界。
その世界にあるツデルヴォルデンと呼ばれる国が主な舞台。
さて、言語力がない私なので、伝わらないかもしれない。だから、前置きはこのくらいにしておこうと思う。ここでごちゃごちゃ言って、ネタバレとかは嫌だし。
では、そろそろお話をするとしよう。
これは、とある少女(?)のお話である──────
もう一度言います。
なにを言ってるのか、書いた本人がわからない。