入団試験
どうも、今日しりとりで「ぷ」攻めを受けてもう「プリンツオイゲン」で終わろうとしたら、まさかの「ンゴロンゴロ」で強制的に返された人です。
シーニィが「世界の記憶」を見て居る頃。
ロサ達はと言うと…。
「はぁ…はぁ……面倒だけど、本気で相手してあげる!」
ロサは地に右膝をつき、武器を持った右手も地面に伏しているが、それでも何とか威勢を張る。全身ボロボロの満身創痍と言った状態だ。
「はぁ……そろそろ諦めてくれてもいいんじゃない? じゃないとお姉さん、本気出すんだから!」
対するはギルド所属の義勇兵、レイリーとユキノの三人組の一人、ソラノだった。ソラノも、立ってレイピアを構えてはいるが、肩で荒い呼吸をし、白と黒を基調とした衣服はロサの大鎌に引き裂かれたのか、見るも無残に咲かれた跡があった。
二人とも満身創痍で肩で呼吸をしている状態。だが維持なのか、無理やり笑い、この戦いをやめようとはしなかった。
周りで見ているは、グオネスとエスカトン、ソラノの姉のユキノだ。この三人は止めるどころか、この勝負の行方を見守っていた。
「面倒だけど、もう一本!」
「望むところ!」
再びソラノのレイピアとロサの大鎌が振るわれる。
ロサは激しく踊る様に、手に持つ大鎌を振りまわす。
ソラノはその白く長い髪を振りほどかせ、目の前の相手に全神経を集中させている。
事の発端は、数時間前に遡る。
+++++
ここは、シーニィ、ロサ、グオネス、エスカトンが最初に転移してきた、大きい部屋の中心に、これまた大きな木が立っており地には草花が茂っている場所。
仮に「地下庭園」と名付けよう。ここにはさっきまでいたシーニィがいない。急に現れた三人組のうち、一人と元々いたソラノと言うやつにまたどこかに転移されてしまった。
「さて、こっちはどうしようか?」
ソラノと呼ばれた女性が優しい顔をして問いかける。一見してみるとその姿はみんなのお姉さん、と言う感じだ。だがこの状況で笑う余裕があるのと、腰に下げている細剣で、相当強い剣士であることは確かだった。
「手っ取り早く済ませよう、その方がお互い面倒じゃないでしょ?」
ソラノの隣に立っているのは、ユキノと呼ばれる女性だった。
ユキノは黒を基調とした上着を羽織り、フードを被っている。赤いスカートと、腰には桜柄の帯を軽く巻いていた。こちらも帯剣している。ユキノの表情はフードに隠れてロサ達の位置からではよく見えない。
「要件とはいったいなんだ。正直仲間がさらわれたんだ、納得の理由を聞かせてもらうまではギルドの事は信用できん」
エスカの強張った声を聞いても、ソラノは一向にその笑顔を崩さずに答えた。
「ありゃ、ギルドだってばれちゃったか~。それじゃあしゃあない、いいよね姉さん?」
「なんなら、話が早くて助かる。あっちの子はもうちょっとで切りかかってきそうだし」
そういって目をむけた先には、ロサが立っている。ユキノと目が合うのと同時に、ロサは顕現させようとした大鎌をしまう。
「グオネス、今はロサが何もしないように見張っといてくれ」
「うん、頼んだよエスカ」
「納得のいく説明を聞こうか」
エスカがソラノのを見て言う。
「いいよ、じゃあまずは「世界の記憶」についてね」
ソラノは淡々と、シーニィが置かれている状況と、自分達ギルドの者も、一応は被害者だということを説明する。その中でロサ達三人は、改めて事の重大さを理解した。
「——と言う事なんだよね。まあ私達も詳しいことはわからないんだけど」
「はは、謎だらけだね」
最初に口を開いたのはグオネスだった。無理やりにでも笑顔になってポジティブになろうとしているのは彼のいいところだが、さすがに今回ばかりは笑顔が引きつりざるを得なかった。
「流石にそんな突拍子もない話……とは言うものの、シーニィから直接聞いてる分とは辻褄が合うのよね」
ロサも先ほどまでの警戒を少し緩めだしている。仲間の為と言われれば、そこには感謝の意は持たなければいけないと思ったからだ。
「それで、それを俺達に話したわけは? 当然、このまま表の玄関から帰れるわけではないんだろう?」
エスカトンが言っているのは、今話した事が事なだけにこのまま自分達が無関係で入れるわけではないと思ったからだ。当然、何も知らなかったことにしておかえりください。などとはもう言えないだろう。
「まあ、そうなんだけどね。今から君たち三人にはギルド入団試験を受けてもらうよ」
「まってまって、ここで⁉ ギルドに入るには、A級義勇兵の一騎打ちで認められるのが人用だって」
「あ、大丈夫大丈夫! あたしたちS級だから!」
ニコッとソラノが笑う。だがこれはさすがに笑い事では済まされなかった。
「え、ほんとに⁉」
「何⁉」
「面白そうじゃない」
グオネスが驚き、エスカも驚く。当然ロサも…………ん?
「おい、ロサ面倒なことはやめておけ」
と、忠告をするのはエスカトン。
「そうだよロサ、怪我するよ⁉」
と、心配をするのはグオネス。
「もともと私たちの目的でしょ? 話が早くて済むじゃない」
と、もう武器を構えているロサ。
二人は悟った。
「「もうだめだ」」
「さあ、近道といきましょうか!」
+++++
そして今に至る。
颯爽と打ち鳴らされる剣劇。踏み込むあまり土が跳ねる。
ロサは踊る様に戦う、自分よりも大きい右へ左へ振り回し、地を縦横無尽に駆け、跳躍する。大鎌の軌道は止まるどころか徐々に速さを増している。
ソラノは舞うように戦う。ロサの大鎌から繰り出される斬撃をレイピアでいなし、隙を見ては巧みにレイピアで刺す。まさに攻防一体でロサに食らいつく。
「流石に、大鎌の速度が上がると厄介ね」
剣劇の中で言葉を交わそうとする。この行為は相手にまだ余裕があると言う挑発にもなる。
「ま、それがこいつの持ち味だからね」
負けずとロサも言葉を返す。ロサの大鎌の重心は主に刃の部分、特に刃と、持ち手の柄の部分の接合部にかかってくる。よって威力は上がるが手数が少なくなるのだが、この弱点をロサは小回りの利く自身の体を使い、決して振り下ろしはせず、回転をかけることによって威力を倍増、さらに手数も増やせるようにし、弱点を克服していた。
「ふふ、よく頑張ってるじゃない。ま、このソラノお姉さんの敵じゃないけど!」
「さっきからお姉さん面して面倒くさい! そんなに年の差あるのかしら!」
「な⁉ 失礼ね、これでもまだ19ですぅー!」
ソラノが少し同様した隙をロサは見逃さなかった。ソラノのわき腹を大鎌の柄の部分で殴る。
タイミングも完璧、この隙の為にロサは会話を仕組んだ。
そのまま大鎌はソラノのわき腹を殴る…………かに思われた。
「この瞬間を待ってたのよ!」
ソラノは即座に反応しわき腹ギリギリのところを❘細剣レイピアで止める。
(誘われた⁉)
ロサが相手の罠だと気づいたときは遅く、ソラノはすでに大鎌をいなし、細剣レイピアを構え刺突を打ち出そうとしている。
細剣レイピアが打ち出されようとしている。これは間に合わないと判断したロサは、ある決断を心の中で下す。
それは、なんとしてでも勝ち、ギルドに入団するという覚悟の表れでもあった
「マティ・アラクネー、展開!」
この瞬間、形勢は逆転する。
ご一読ありがとうございました。
感想・ご指摘等ありましたら是非。




