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プロローグ
暇つぶしの作品です。読みたい人はどうぞ。
もしかしたら月に1回か2回しか更新しないかもです。
窓からこぼれる朝日で彼は目を覚ました。ゼンマイで巻かれた時計は5時を指している。ベッドから起き、机に置かれていた六角系の筒を手に取り逆さまにして振った。
『中吉』
「微妙だなぁ......」
ぶつくさいいながら1階へ降り、家の外に出て裏に回った。植えているミカンの木達は元気に育っている。
1個1個確認して回り、家に戻った。玄関から見て左の部屋には女性が寝ている。
彼はそんな光景を横目で見て朝食の用意にかかる。外で何かが来た音がした。新聞が来たのだ。沸騰した鍋の中のお湯を見ながら彼は独り言を言う。
「この世界に来て5年か...慣れってのは怖いもんだ」
普通の光景、普通の暮らし。ただひとつ違うのは住んでいる世界であった。
彼の名前は桜庭智樹。後に、とある伝説を残す者の1人である。