64 妖精の国の危機
その後、私は主に”勇者試練のダンジョン”でレベル上げで、テツさんは主に”魔獣大陸”でレベル上げをしていたわ。
最近、強力な魔族が、色々な種族の小国や町を荒らしている事が判明したの。
その魔族の進行ルートは、この中央国家を目指しているみたいなの。
でもその進行ルートの途中には、妖精の国があったのよ。
テツさんと私は、妖精王女シルダファンに連絡して、危なくなったら呼ぶように言っておいたわ。
でも、魔族との協定で、魔族が妖精の国を襲うことはないから大丈夫だし、結界もあるから心配ないわとシルダファンが言っているの。
それで、様子を見る事にしたわ。
私とテツさんは数日間、どちらかが宿屋の部屋でシルダファンの緊急コールに備えたのよ。
そして、数日後、シルダファンからの緊急コールが来たわ。
「助けてくれ、わらわじゃ、テツ殿はおらぬのか?」
とてもいつものシルダファンの声じゃ無かったわ。切羽詰まっているの。
「私、真美子です。至急妖精の国に向かいますか?」
「お願いじゃ。必ずテツ殿を連れて来てくれ。」
と通信は切れてしまったの。
私は急いで”魔獣大陸”のテツさんに連絡を取った。
テツさんが転移で帰ってきたので、2人で妖精の国に転移しようとしたわ。
でも正規の転移ゲート魔法陣は作動しなかったの。
だから、テツさんの転移で妖精の国に行ったわ。
テツさんの転移だと、遠見の魔法を駆使しながらだから、妖精城の外に転移になってしまったの。
転移して、はじめに見た光景は瓦礫の山だったわ。
妖精城が大火力の攻撃魔法で破壊され岩が所々溶けていたの。
私とテツさんは愕然としたわ。
「何だこれは。」
「もしかして、間に合わなかったの?」
そして、少し離れた所で爆発音がしたので私とテツさんは行ってみたの。
そこには、妖精数体と強力そうな魔族の男が戦っていたわ。そしてシルダファンも戦っていたの。
その魔族の男のステータスを見ると、バラダーLV3759だったわ。
私LV3897とほぼ互角のレベルだったの。
「食らえ!魔槍煉獄十二段突き!」
ズドドドドドドドドドド!
バラダーの奥義が放たれた。
「シルダファン!」
とテツさんは叫びながら瞬歩でシルダファンのもとに向かう。
ガギャギン!!
バラダーが放つ連続の奥義をテツさんは覇者の剣Ⅳで止めた。
「む!」
とバラダーはバックステップで下がった。
私もテツさんの後を追って、テツさんの横に並んで、バラダーを牽制したわ。
「真美子、少し時間を稼いでくれ。」
とテツさんは重い声で私に言った。
横目で見ると、テツさんは血だらけのシルダファンを手に抱えていたの。
「わかったわ。」
そして私は、バラダーに向かって構えた。
テツさんは、球状の結界を作り、中で治療を始めたわ。
「小娘、オレのレベルを確認しているのか?」
「ええ、確認しているわ。」
「それでも、向かってくるとは、女、もしかして勇者かそれとも俺よりレベルが高いのか?」
今たぶん、テツさんがシルダファンを治療しているから、話をして時間を稼ぎましょう。
「そうね。どっちだと思う?」
「ほう、余裕だな、それとも策を講じているのか?まあいい、この四大魔将軍、槍のバラダーに勝てるかな?」
え、四大魔将軍?なんでこんな所にいるのよ。
「本当に四大魔将軍なの?四大魔将軍て言ったら、魔王城の麓で守っているんじゃなかったの?」
「ああ、以前まではそうだったが、もう何百年も勇者が来ない。飽き飽きしていたので、魔族ガベガラナルを倒した勇者がいる中央国家まで様子を見に来たんだ。」
な、じっと待っててよ。何で来ちゃうのよ。
「四大魔将軍が勝手に持ち場を離れていいの?」
「まあ、いけないんだが、最近オレは転生者だということを思い出した。オレは昔武人で強さを求めていた。だから強い者と戦うため中央国家に出向いてる。」
「それじゃ、なんで途中の国々の種族を殺したりしているのよ。」
「ウォーミングアップだ。」
なんですって!そんなことで殺されちゃ浮かばれないわよ。
私は戦う事に決めた。しかし、バラダーの槍術のレベルが半端じゃない。私の剣技を超えている。
「それじゃ、小娘行くぞ。」
「まて!」
とテツさんが叫んだ。
結界を解いて、テツさん出てきたの。
「おお、さっきオレの槍を止めた男か、小娘より歯ごたえがありそうだ。治療していたみたいだがもういいのか?」
「ああ、もう遅かった。お前を殺す。」
え、遅かったって?まさか、そんな。
「そうか遅かったよな。オレの奥義の最後の2撃しか止められたないものな。」
「てめー!」
「来い!」
テツさんがバラダーに切りかかった。
キンン!
バラダーは槍で受け流す。
しかし、テツさんは連続で切りかかる。
ギンギンギンギンギャーンン!
「ぐあー!」
テツさんの剣を数回をバラダーは捌いたが、槍が弾かれ、バラダーは左腕にケガを負った。
「ぐっ。馬鹿なこんな手練れが居るはずがない。オレは4大魔将軍だぞ!」
とバラダーが叫んだ時、テツさんの手が止まった。
鑑定魔法をつかってるのかな?
そしてテツさんは私の側に来て言った。
「くっ、魔将軍じゃ仕方がない、真美子、後倒してくれ。」
え、あ、そうか以前テツさんは、魔王と魔将軍とは戦えないって言ってたわ。神様にバレるからとか。
どの道、シルダファンの仇を取らなきゃいけないわ。いえ、仇を取りたい。
「わかったわ。」
勝てるかしら。
でも、危なくなったらテツさんが助けてくれるわね。




