61 ガランドキャニオン
いつものように、私とテツさんは”勇者試練のダンジョン”でレベル上げをしたわ。
人造聖剣が完成するのはあと1ケ月後。
やっぱり、飽きちゃうじゃない。
「ねえ、テツさん、何処か連れて行ってよ。」
「そう来る頃だと思って、考えていた案があるんだ。」
テツさんの目が生き生きしているわ。何か嫌な予感。
「昔、無人島で帰れなくなった男女が恋に落ちるっていう映画、知ってる?」
「ええ、知ってるわ。」
それ、有名だけど、ずいぶん古い映画よ。
「無人島を作って、生活してみないか?真美子。」
「へ?でも、無人島でも魔物がいるわよ。」
「島の魔物を倒して、結界を張れば無人島の出来上がりだ。どうだ?」
目が本気だわ。でも、無人島って虫はいるし、お風呂もトイレもないのよ。
映画ではロマンチックだったけど、ちょっとリアルでは嫌よ。
「他の案にしてよ、テツさん。お風呂とトイレが無い所はダンジョンだけでいいわ。」
「それじゃ、お風呂とトイレがあればいいんだな。」
「それじゃ、無人島の雰囲気じゃないわよ。」
「そ、そうだな。うーん。」
なんか、それでも連れて行かれそうだわ。話題を変えなくちゃ。
「テツさん、私、滝が見たいわ。」
「滝か、そう言えば西の森の中にガランドキャニオンって名所があったな。」
「あ、そこ行きたい。」
「真美子、それじゃ、明日にでも行こう。」
「はい。」
◇
ドドドドドドドドドオオオオオオオ!
巨大な滝が、水しぶきを上げているわ。
その水しぶきは、光が反射して虹が綺麗に出ているわ。
今、私とテツさんは、滝から少し離れた所に架けられた橋の上にいるの。
ここは、観光地になっていて、私達の周りにも沢山の人が観光に来ていたのよ。
「凄い眺めね。素敵。」
「そうだな。日本にだったらこんな滝、見れないらな。」
しばらくその橋の上を私とテツさんは、腕を組んで歩きながら滝を眺めていたの。
私達と同じく、カップルが滝の虹を見てイチャイチャしていたわ。
「真美子、そろそろお昼を食べに行こう。」
「そうね。テツさん。」
「ところで、真美子、ここの名物料理って知ってるか?」
「ええ、ガランドフィッシュでしょ。有名よ。」
「何だ、知ってたのか?」
そして、2人は橋を西に渡ったところにあるレストランに行ったの。
◇
私とテツさんはガランドフィッシュのムニエルとガランド瓜のゼリーのデザートを頼んだのよ。
ウエイトレスが、料理を運んできたわ。
私達の前に料理が並べられたの。
「これが、ガランドフィッシュのムニエルね。でも見た目はサケのムニエルみたいだわ。」
「そうだな、見た目サケのムニエルだな。」
私は一口食べてみたわ。
食べてみたら、味はサケというより白身の魚に近いわ。ほとんど癖が無いの。
でも、それだけで、普通に美味しいという程度だったわ。
「真美子、これを掛けて食べてごらん。なかなか美味くなるぞ。」
「そのソースね。」
とテーブルの上に置いてあった、オレンジいろのタルタルソースの様なソースをかけて見たわ。
ずばり、タルタルソースだったわ。色がオレンジ色だったので、違う味だと思っちゃったじゃない。
これならなじみの味に近いわ。そう、白身魚にタルタルソースよ。
次にデザートを食べたわ。
梨のような味のゼリーだったわ。上に載っていた生クリームと合ってなかなか良かったのよ。
その後、もう一度滝を見てから宿屋に帰ったわ。
こうやってテツさんと平和な日々が送れるって、きっと幸せなのよね。
今度は何処がいいかな?次から調べておきましょ。
調べておかないと、無人島になっちゃいそうだから。
そんな感じで、私とテツさんは月に1度は観光地を回っていたのよ。




