32 聖獣召還魔導書
次の日は愛美達のレベル上げに行ったわ。
愛美達はテツさんが指導しない日でも”勇者試練のダンジョン”に入ってレベル上げをしているそうよ。
何でも、中央国家の武闘大会に小国の代表で出場するからみたい。
テツさんと私は、明日、シンシーアの領地へ行くから、また私のレベル上げの日が潰れるのよ。
ラッキーと思っていたら、その夜、テツさんに”勇者試練のダンジョン”に2時間くらい連れて行かれたわ。
そのおかげでいつもの通り、体中痛くなってしまったわ。
◇
次の日待ち合わせていた公園に来たわ。
シンシーアとシンテガが待ってたの。
2人とも昨日と違って、私達が来たら眼鏡をはずして挨拶をしてくれたわ。
2人とも凄い美形だったのよ。
シンテガなんかかわいい系のイケメンで、昔の私ならお話ししたい男性の部類に入るわ。
シンシーアも可愛い系の美少女で、年齢は私と同じくらいかな?テツさんなんかまじまじ見てるのよ。
でも2人とも凄く似ているわ。双子かな?聞いてみましょ。
「ねえ、シンシーアとシンテガって、双子なのですか?」
「はいそうです、真美子さん。でも、姉は魔法の才能があって凄いのですが、僕は取り柄がないんですよ。」
そんな可愛い顔のイケメンに取り得ないとか言われたら、世の中の男はどうするのよ。それに認識阻害を外してくれた今だから分かるけど、シンテガって、LV425じゃない。
「そうなのですか?シンテガさんはレベルも高いし、おモテになりそうな整ったお顔をしていますよ。」
と言ったら、シンテガさんは、私を見つめて、
「そうですか。真美子さんから見て、私はモテそうなのですか?」
と嬉しそうにいったの。
ちらっとテツさんの方を見ると、シンシーアさんと楽しそうに話していたわ。私、モヤモヤしちゃうじゃない。
「お待たせいたしました。転移ゲート魔法陣のご用意ができました。」
とシンシーアとシンテガの従者が言ってきた。
私達は、シンシーアさんの領地の屋敷へ転移した。
◇
そこは中央国家の北に位置する。伯爵家であった。
豪邸というよりお城に近いの。
執事やメイドが沢山出て来て挨拶をされたわ。
「それでは、こちらですの。」
とシンシーアさんに連れられて、書庫に私たちは向かった。
その書庫は、召還の魔導書のほかに禁呪の魔術本など、怪しげな本がたくさん置いてあった。
「凄い量の本ですね。」
「はい。お母さまが魔族に殺されてからなの、魔族に対抗するための力を得るために、手あたり次第集めましたの。」
「大変だったのね。」
「はいなの。」
すこし、声を落とし気味にシンシーアさんは返事をしたのよ。
私はちょっと話を続けずらくなっちゃていた時、テツさんが話し始めた。
「シンシーアさん、聖獣召還の魔導書ってどれですか?」
「あ、はいこれなの。」
と1冊の古びた本を、シンシーアさんはテツさんに渡した。
「少し時間をくれないか?」
「はいなの。」
テツさんは、しばらく読みふけっていたわ。
テツさんが夢中で読んでいるので3人は暇になってしまったの。
「真美子さん、真美子さんとテツさんはどういった関係なのですか?」
とシンテガさんが聞いてきた。
「夫婦よ。まだ籍はいれてないけど。」
「え、うそ、兄弟じゃなかったんですか?」
とシンテガさんが情けない声で答えた。そしてうな垂れている。
何よ、また身元保証人とか思われてたの?
そこに、シンシーアさんが話かけてきた。
「真美子さん、テツさんと夫婦だったんですの。ビックリなの。」
「ええ、良くいわれますわ。」
「ところで、テツさんと真美子さんって、認識阻害でレベルが分からないなの。いくつなの?」
えっと、大体で誤魔化そうかしら?でも、魔族退治手伝う事になったら、きちんとレベル知らせないと作戦を立てるとき影響が出そうね。
あ、他に高レベルの人を頼む場合もあるから、私達別に手伝わなくてもいいかもね。
「えっと、魔族討伐の時って、誰か高レベルの人雇いますか?」
「いいえなの。もう金銭的余裕が無いの。」
「え、でも、私達に魔導書解読の報酬は出るのよね。」
「はいなの。白金貨1枚出しますの。でも、LV1000以上の1人に魔族討伐を頼むと白金貨100枚は必要なの。ちょっと予算的に厳しいの。」
白金貨1枚って100万円よね。100枚だと遊んで暮らせるわ。
「それぼったくりよ。」
「そうなの?でもそれが相場なの。」
「そう。それじゃ、今回、聖獣召還が出来るようになったら、誰が魔族と戦うの?」
「それは、わたしとシンテガと領地の騎士団なの。」
「それって、どのくらいのレベルの人がいるの?」
「えっと、わたし(シンシーア)LV513、シンテガLV425、騎士団長LV488、騎士団員LV328、・・・・・」
とシンシーアが戦力を説明してくれたのだけど、相手の魔族は、LV1100位の魔法剣士を倒したと言うわ。
私の経験上勝てないわね。
「シンシーアさん、本気でその戦力と召喚獣で戦うつもりなの?」
「はいなの。母さまの仇を撃つの。」
とガッツポーズを取ってシンシーアは言った。
ダメだわね。これは。
とりあえず。私のだけ本当のレベルを伝えたわ。だって、手助けしないと全滅だから。
「え、真美子さんってLV921なの。すごいの。わかったの。だまってるなの。でもテツさんはいくつなの?」
「それは私にも分からないわ。たまにしか教えてくないもの。」
「そうなの。でも夫婦で教えてくれないなんて愛が無いの。」
「え、そんな!愛がなかったの?」
「冗談なの。」
なんか不安に為っちゃった。今晩教えてもらおうっと。
その後、テツさんは時間が結構かかると言って、用意してくれた部屋に籠ってしまったの。後、なにやら数冊の魔道本も借りて行ったわ。
私は暇になったのでどうしようかと思っていると。
シンシーアさんが領地の名物の温泉がこの豪邸内に引いてあって、岩風呂になっているというのよ。
それで一緒に入ることになったわ。
◇
岩風呂は、男湯と女湯、混浴があって、私とシンシーアさんは女湯に入ったわ。
中に入ると、小学校のプールくらい広くて、獅子の頭の彫刻の口からお湯が出ていたり、右のほうに流れる浴槽が付いてたりしていたの。
お湯は乳白色よ。美容にいいらしいわ。
「すごいわ。」
「すごいでしょなの。自慢の温泉なの。」
とシンシーアがドヤ顔で言った。
私達は体を洗って湯船に隣り合わせで浸かった。
「真美子さん、テツさんとは夫婦暮らしなの。どのくらいなの?」
「そうね。8カ月以上よ。」
「何で籍は入れないなの?」
それ言われるとつらいわ。だって、国に戸籍登録しなくちゃいけないから、色々面倒で出来なかったのよ。
「そ、それは、テツさんがめんどくさがるから。」
「そうなの。真美子さん夜ってどうなの?」
「え?夜?」
「そうなの。わたしまだなので、聞きたいなの。」
「それは・・・・・・」
とそれから色々シンシーアさんと話して湯船から出たわ。
テツさんの部屋行ったら、本が解読できたので使い方を教えてくれるらしいわ。
以下が使い方よ。
①聖獣召還は処女の血か童貞の血が必要。
②召喚した聖獣は戦って主従関係を構築しなければならない。勝たなくても認めてもらえばいい。
③召喚時の魔力によって召還できる聖獣の格が変わる。
ということよ。
①はシンシーアさんクリアだわ。
②と③が問題よね。
明日、シンシーアが召還することになったわ。
でも召喚聖獣って良く漫画であるような、可愛い生き物が大きな聖獣に変身して守ってくれるっていうのかな?
見るの楽しみだわ。
え、私は聖獣の召還とかしないかって?まあ、確かに女勇者だったら聖獣つれて歩いた方がさまになるわ。
でも、私にはテツさんていう召喚夫がいるから大丈夫よ。覇者の剣ⅠAで連絡すると転移で飛んできてくれるのよ。




