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女勇者:真美子  作者: コクテン8
1女勇者への道
28/74

27 魔族への生贄

私とテツさんは、あの小国から旅立った。


愛美達のレベルアップは、私達が中央国家に着いて落ち着いてからという事になっているわ。


中央国家へはテツさんに乗せてもらい飛んで行っても良かったのだけど、魔王討伐には特に期限もないので、テツさんと町を回りながら向かう事になったの。

だって、恋人と旅っぽい事してみたかったから。


途中に魔物が出てくるけど、今の私には一瞬で倒せるの。

だから特に危険もなく、テツさんと風景を眺めながら山道を歩いているわ。


「真美子、次の町か村までどのくらいだ?」

「そうね。地図だと、あと4つ山を越えた所に町があるわ。」

「4つもか、じゃあ飛んでいこうか?」

「そうね。でも、もう少しこうして歩いたらね。」


と私は、テツさんの腕に抱き付き胸を押し付けたの。

「おっ」とテツさんは呟いて、ニンマリしたわ。


そしてしばらく山道を2人で歩いたのよ。


そして、お昼を食べた後、テツさんは私をおぶって、町の近くまで飛んだわ。

私も飛行魔法使えるようになったけど、まだちょっとしかスピードが出ないからなのよ。けして甘えてるわけじゃないんだからね。


でも、またおんぶなのよ。お姫様抱っこなんて、会った最初の頃しかしてくれなかったわ。


と考えているうちに、町へ着いたの。


町は小さめの町だったわ。

これ泊まるとこあるのかしら?




町の入り口に来たら、少女1人を大きな籠に入れて運んでいる8人くらいの集団があったわ。


中の少女は私たちを見つけ叫び始めたの。


「ちょっと助けて!お願・・ぐふっ!」


と周りの男1人が棒をかごの中に差し込み少女を黙らせた。


な、ひどいわ。


私は、助けに行こうと思ったけど、テツさんに肩を抑えられたの。


「まて真美子、様子を見てからだ。」


とテツさんは言った。


その集団の一人がこちらにやって来た。

私は警戒をし、真偽眼を発動させた。


「よそ者か、何か用か?」

「泊まれるところがあるか探している。」


え、テツさんあの少女のこと聞いてよ。


「宿泊施設は奥だ。」

「そうか、あれは何だ?」


そうよ。それを聞いてよ。


「あれは罪人だ。町で盗みをした。今護送中だ。」


あ、残念ながら本当ね。感情任せに助けに入らなくて良かったわ。


「それは本当か?」

「信じるも信じないも構わないが。もしお前たちがあの少女を助けたり逃がしたら同罪になるから覚悟しておけ。」

「分かった。」


とテツさんが答えたらその男は行ってしまった。


「真美子、真偽眼で見ていてくれたんだよな、どうだった?」

「あの男が正しかったわ。少女が罪を犯したみたい。」

「そうか。それじゃ仕方がない。さ、宿屋に行こう。」

「ええ。」


町の入り口でギルドカードを出し身元確認した後、町に入ったわ。


この世界のギルドカードは、名前とギルドクエストS、A~Fしか表示義務が無いので、私達は名前とEクラスしか表示していないわ。

おかげで、高レベルとかはバレないで済むのよ。また、Fクラスだと信用が無いけど、Eクラスなら護衛の任務をこなしたことがある記録が付くので、検問は結構ざるで通れるの。


私達は、1軒だけある宿屋に泊まることにしたわ。


宿屋には夕食が出ないそうなので、近くの酒場と料理屋やが合わさったお店に行ったの。


そこはほとんど酒場で、まだ夕方なのにむさい男連中が飲んでいたわ。私一人じゃ絶対入らないわよ。


私とテツさんは、カウンターテーブルに二人並んで座った。


「真美子はどうする?」

「うーんと」


私は、メニューを眺めた。

あまりいいものが無いわ。


「テツさんは何食べるの?」

「そうだな、ここはおやじに聞くのが一番だな。」


とテツさんは、この店の主人と思われる人物に声を掛けた。


「おやじ、ここのお勧めは?」


とテツさんは、慣れた口調で言う。


「この店の定番は、陸穴ガエルエルモモ肉のから揚げ定食だ。」


「俺はそれにするけど、真美子はどうする?」

「私もそれでいいわ。」


「おやじ、その唐揚げ定食2つと麦舞茶を2つくれ。」

「あいよ。」


と店の親父さんは、生きのいい返事をした。


まあ、日本の女の子だったら蛙なんてと思うかもしれないけど。

陸穴ガエルエルなら食べたことあるの。

前は蛙だからという事で抵抗あったけど、ギルドに入ってあの4人でパーティ組んでいた時よく食べたわ。

だって食べるものが無かったんだもの。


料理が出来るのを待っていると、後ろで酔った男達が結構大きい声で話し始めた。


「いやー、今回は助かったよ。うちの娘が連れて行かれなくて。」

「ほんとによかったよな。ラッキーだよ。お前は。」

「しかし、うちの娘が生贄ってのは困るよな。しかもくじ引きだなんて。」

「ああ、そうだな。あの魔族さえいなければな。」

「し、あまり魔族の単語は出すな。」

「すまん、つい。」

「確かに助かったけど、あの少女ちょっと可哀そうだな。たかが万引きで、生贄になっちゃうなんてな。」

「まあでも、時期が悪かったのさ。」

「3日後、あの魔族の祭壇で、魔族に引き渡されるんだよな。」

「ああ、もったいねえな。処女なのに。」

「そして、魔族の寝ぐらで飽きるまで抱かれて、飽きたら殺されるそうだ。」

「ああ、可哀そうだな。」


と話を聞いてる。どうも昼間会った籠の中の少女の事みたいだわ。

もしかして罪人というのは、嘘じゃなかったけど万引きだったの?それで、魔族に捧げられちゃうってかわいそう。人でなしの集まりね。


「テツさん、後ろの話聞いた?」

「ああ、聞いた。」

「ちょっと聞いてくるから。先に食べていて。」

「分かったわ。」


と言って、テツさんは後ろの酔っている男たちの中に入って、何やらお金を渡し聞き込みを開始したわ。


「ヘイ、お待ち!」


と店の親父が唐揚げ定食を2人分もって来たわ。


私はテツさんがまだ戻らないので、ちょびちょび食べ始めたの。


唐揚げを食べながら、麦舞茶を飲んだわ。麦舞茶は麦茶みたいなものよ。


この唐揚げ、結構おいしいのだけど、この間ガイニルジカを食べちゃったから、どうしても味気ないの。


あ、テツさんが帰ってきた。


「真美子、これ食べたら町長の所に行くよ。あと、勇者の名前を貸してくれ。」

「え、どうして?」

「あの少女を助けたい。」

「そうよね。可哀そうだもの。」

「町長を説得して魔族を狩る。そうすれば生贄が要らなく無くなるはずだ。」

「わかったわ。テツさん。」


と私たちは、夕食を食べ、町長の家に向かった。


町長の家に行って、交渉した結果、魔物を倒す代わりに少女の罪を見逃してくれる事になったわ。


でも、説得するのに結構かかっちゃたのよ。

当たり前よね。倒せない場合は、魔族の報復被害が発生しやうから。

渋っていた町長に、私のレベルと勇者の腕輪を見せたら納得してくれたのよ。

そして、魔族を倒したら報酬も出すとか言い始めたわ。


3日後、町はずれにある魔族の祭壇に魔族が生贄を取りに来るそうよ。




そして3日後、私とテツさんは魔族の祭壇に向かった。

魔族の祭壇に近づくにつれ金属の打ち合う音が聞こえてきた。


ガキン!ザン!ギーン!


注意して私達は近づいた。

そこでは、魔族と数人の冒険者らしき人物が戦っていた。


劣勢なのは、魔族ガヤガLV578だったわ。


そして、その魔族と戦っている者は


吹雪裕也 LV562

ゴロガ LV384

サライト LV341


だったの。


そう、イケメンいじめられっこで、私達クラスのみんなをこの世界に連れてきたあの吹雪裕也だったわ。


私とテツさんは、木の陰で傍観していた。

みるみるうちに魔族ガヤガが追い詰められて、そして倒された。


どうしよう、出て言って挨拶するべきなのか、それともこのまま帰るべきなのかと思っていたらテツさんが小声で話しかけてきた。


「真美子どうする?あの冒険者たちに気づかれている。一応魔族の首を町長に見せないといけないし、挨拶してみたいんだが。」


あ、そうよねあのレベルならこちらに気づいても当然だったわね。それえに町長との約束の証拠も持って帰らなくちゃいけないし。


「テツさん、気を付けて、以前話した通り、私のクラスを転移でこの異世界に連れてきた吹雪裕也が居るわ。」

「な、クラス転移させた奴か。」

「ええ、そうよ。」


とこそこそ話していたら、


「そこにいる奴、出て来い!出てこないと攻撃魔法を放つ!」


と吹雪裕也が叫んだ。

私達はゆっくりと出て行った。



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