26 ガイニルジカのステーキと愛美さんの挑戦
私とテツさんは、この国を出て中央国家に行く事にしたわ。
どうせ宿屋暮らしだったし、便利なものがたくさん売っている中央国家がいいという事になったの。
中央国家は、この小国よりレベルの高い人物もいるので、魔族が来ても追い払う力があるみたい。
そこの行けば、私とテツさんの出番はないのよ。だから目立たないのよ。
また、”勇者試練のダンジョン”には転移ゲート魔法陣を設置してあるので、いつでも行けるから大丈夫なの。
数日後、私は学園に中退届を出し、みんなにお別れを言ってきたわ。
でも、この国を出る前に、愛美さんが今までの御礼を兼ねて、お食事をご馳走してくれると言うの。
私とテツさんはご馳走になる事にしたのよ。
◇
夕方、愛美さんの屋敷に行ったら、いつもの通りメイドや執事が迎えてくれたわ。
そして、私とテツさんは食事の用意された部屋に案内されたの。
そこには、愛美さん、アンさん、ミミさんがドレスを着て待っていたわ。
愛美さんはピンクのドレス。アンさんは赤いドレス。ミミさんは緑色のドレス。
対して、私は女騎士の恰好なの。
ああ、私もドレス着て来るんだった。
「こんばんわ。テツ様、真美子さん。」
「こんばんわだにゃ。テツさん、真美子さん」
「よく来たな。テツ。真美子さん」
3人は、私とテツさんの前でドレスを見せつけたわ。
「こんばんわ。御呼ばれに来ました。愛美さん、アンさん、ミミさん。」
「これは、皆さん素敵なドレスです。愛美さんのイヤリングデザインが素敵ですね。アンさんのブレスレットも気品があります。ミミさんのネックレスもセンスが良い。」
「まあ。テツさん。」「そうか、アタイそんなこと言われたの初めてだわ。」「そうだにゃ。テツは見る目があるにゃ。」
とテツさんが余計なことを言ってくれるので。テツさんの女性好感度が上がりまくりなの。
「今日は、テツ様と真美子さんにガイニルジカの肉をご用意しました。じっくりご堪能ください。」
「え?愛美さん、あのガイニルジカの肉か!それは楽しみだ。」
「え、それなに美味しいの?テツさん。」
「真美子、知らないのか?すごくうまいんだぞ。」
「そうなんだ。」
ガイニルジカって言うんだから、シカのような動物かしら。
みんなテーブルについて、食事が出されるのを待ったわ。
給仕が食事を運んできた。
いい匂いがする。肉の焼ける匂い。
「ガイニルジカの肉のステーキでございます。」
見た目は普通のステーキね。でも凄く美味しそうだわ。
ステーキには、付け合わせにニンジンのようなものとジャガイモの様なものが乗っていた。
テツさんを見ると、もうナイフを入れて食べ始めている。
あ、一口食べた。
もう、顔が緩みまくりじゃない。だらしないわ。
そんなに美味しいのかしら?
私もステーキにナイフで切り目を入れる。
サッとナイフが入って肉が切れたわ。
それなのに、フォークでその肉の1切れを刺したら、結構弾力があったの。
そして、その1切れを口の入れた。
肉汁が口の中に溢れるわ。
独特だけどガイニルジカの肉の匂いがたまらない!
噛むたびに肉のうまさが出てくる。
え、うそ!こんな肉があったの?
私は残りの肉にナイフを入れもう1切れ口に運んだ。
ああ凄い。これに比べたらジューシーモウモムウシステーキ何て、庶民の味だわ。
ああ!いくらでも食べれるわ!
私は、そのまま夢中で食べつくした。
気が付いたら、わきの下や股の間とかに汗がにじんでいたわ。
やだわもう。
テツさんは御代わりをしていたので、つい私も御代わり頼んじゃったの。
次にデザートが来た。
ムースをゼリーで固めた上に、生クリームらしきものがかかって、その上にオレンジ色の果実がカットされてのっかて乗っかっているわ。
見た目も綺麗で食べるのが惜しいわね。
盛り付けが綺麗なの。どこから食ようかな。
と迷いながら、生クリームとセリーの部分にフォークを入れ食べてみたわ。
クリーミーな舌触りと口の中でぽろっととろける感触、そして程よい甘さ。
私の手が動くスピードが速くなった。
いつの間にかデザートは全て私の口の中に消えていた。
私とテツさんは、食後に出された紅茶を飲んで、余韻に浸っていた。
◇
「テツ様、お願いがあります。」
と食事の後、くつろいでいたテツさんに愛美さんが話しかけた。
「なんでしょうか?愛美さん。」
「テツ様と真美子さんが居なくなってしまうと、この小国は、魔族に対する戦力が無くなってしまいます。」
「それは元々、俺は国の戦力としてカウントされていない筈だ。その話は観点がズレている。引き止めないでくれ。」
そうよ。良く言ったわ。ダーリン。
「これは申し訳ありません。ですが、テツ様が居なくなってしまうと、わたくし不安でなりません。出国の件、お考え直して頂けませんか?」
「ちょっと、愛美さん。泣き落としとか無しよ。」
「それでは真美子さん、この国に残ってくださいますか?」
な、私に振るの?
「いえ、そうもいかないわよ。」
「テツ様。この国に残って頂ければ、地位も財産も約束されます。あと、よろしければ、わたくしを含めアンとミミで精一杯、夜の御供を尽くします。」
な、なに愛美さん言い出してるのよ。
「ちょっと、愛美さん。愛美さんはテツさんのレベル聞いたから、未練が出たんじゃない?」
「そうよ悪いのかしら?わたくしは強い男が好きなの、テツ様、条件が足り無ければ、女でも金でも工面しますから考え直してくださいませ。」
くっ、開き直ったわね。
私は立ち上がって言ったわ。
「きー!なに妻の前で夫を口説いてるのよ。美人だからって思い道理に行くと思ってるの。」
テツさんは、私の側に来て、私をその胸もとに抱き寄せた。
「落ち着け、真美子。」
「わかったわ。」
と私は言った。
それにしても、抱き寄せるとはズルイやり方ね。黙るしかないじゃない。
そして、テツさんは続けて話し始めた。
「愛美さん。確かに魅力的だ。そう、とても勿体ない。今までそんなオッパイ揉んだことが無い。しかし俺には行く所がある。そして、この世界では真美子だけで十分なんだ。」
なによその言い回し、何がオッパイよ。未練たらたらじゃない。
あとテツさん、それマイラさんの事情が分からないと説明になってないわよ。
「事情は分かりませんが、テツ様を引き止めるのは無理みたいですね。」
「そういうことだ。諦めてくれ、愛美さん。」
「テツ様。別のお願いが・」
「何よ愛美!もう話は終わったのよ。」
と私はもう頭に血が上っていたの。愛美の話の途中で言ってやったわ。
「落ち着け、真美子。」
と言いながら、テツさんが私の手を握る。
「仕方ないわね。」
私は、テツさんのの手を握り返した。
テツさんは話を続けた。
「で、愛美さん。要件とは?」
「テツ様にわたくし達のレベル上げを手伝ってほしいのですわ。そう真美子さんが急激にレベルアップした方法で。」
「どうして、レベル上げをしたいんだ?」
「テツ様が居なくてもこの国を守る為ですわ。」
そんなの愛美が一人でやればいいじゃない。これは、愛美とテツさんの接点を無くさない為にやっているんだわ。
「そうか、それなら、レベル上げは手伝うが、国を出るのは変わらないぞ。あと、レベル上げは転移ゲート魔法陣で迎えに行く。連絡は魔法通信機行う。それでいいか?」
「ちょっと、テツさん断ってよ。」
「真美子のレベル上げにも役立つからいいだろ。それに、真美子は友達を見捨てるのか?」
友達といったて、テツさんを狙っている時点で愛美はもう友達じゃないわ。でも、明確に断る理由が無いの。
「わかったわよ。」
「決まりだ。あとで連絡する。愛美さん。」
「有り難うございます。テツ様。あと、愛美さんもごめんなさいね。無理な事言い始めちゃって。」
なんか、愛美はあそこまで言っておきながら、最後になんかいい人っぽくなってる。これじゃ私がわがまま女みたいな感じよ。
なんか私の目じりが湿ってた。たぶん涙がたまってる。
「テツさん、レベル上げにかこつけて、浮気しちゃだめよ。」
「しないよ。俺はそんなに信用無いか?」
「ううん、信用してるけど不安なの。」
テツさんは私を見つめている。顔は子供をあやすような顔よ。
「しょうがないな。真美子は。」
とテツさんはいいながら、私の顎に手を添えキスした。
「んん。」
もう、ご機嫌取りでキスすればいいって思ってるんじゃないのテツさんは。
周りを薄眼で見ると、愛美とかアンとかミミが私たちのこと見ているわ。
「んっ。」
だから、私はテツさんに抱き付いた。
そして、みんなに見せつけるように、テツさんの口の中に私の舌を存分に入れたわ。
テツさんも私の舌に自分の舌を絡めてくる。
くちゅ
「はんっ。」
私は更にテツさんに抱きより、更に胸を密着させた。
そうよ、愛美より小さくても、テツさんをこれで虜にしてみせるんだから。
「はふっ」
「んんんっ」
くちゅくちゅ
と、しばらく熱いキスをみんなに見せつけてから、私とテツさんは宿屋に戻ったの。
明日はいよいよ出発ね。




