15 女の子の日
数日間、私は、テツさんとレベル上げに励んでいた。
午前は、テツさんとの剣の打ち合い。午後は”勇者試練のダンジョン”で木人やゴーレムを倒していった。
私のレベルは数日間にもかかわらず。LV200を超えていた。
だって、相当ハードな内容だったのよ。
そして今日も朝、私は目を覚ます。
ああ、なんかだるい、憂鬱、少しお腹が痛い。
あ、これって生理じゃない。あ、パンティにすこし付いちゃってる。
そういえば、そろそろだったわ。
テツさんの特訓とかで最近体中が痛かったり、テツさんの回復魔法ですぐ治ったりで、感覚がマヒしていたのね。
私は着替えたり、この世界で買った生理用品を出して使ったりしたわ。
・・・・・・・・・・・
私は一通りすまして、台所に向かったの。
んん、鳥の肉の焼ける匂い。
台所を見ると、テツさんが朝食を作っていたの。
テツさんは、気が向くと朝狩りに行って、新鮮な鳥とその卵を手に入れてくるのよ。
それを料理して私に御馳走してくれるわけ。いつもとても美味しく頂いてるわ。
私は、テツさんに言った。
「美味しそうね。」
「ああ、まってろ、今焼けるから。」
「はい。」
とテーブルについて、私は、朝食が出来るのを待ったの。ちょっと今日は食欲が無いけどね。
あ、そうだ。今日のレベル上げどうしよう。やっぱり休むべきよね。
テツさんが朝食をテーブルに並べた。
私とテツさんは隣り合って座ったわ。
「テツさん、しばらくレベル上げを休んでいい?」
「どうして?」
「私、女の子の日なの、私だと3~4日くらい掛かるから。」
「女の子の日って、なに?」
「ワザと聞いてるの?」
「いや、わからない。」
テツさんの顔を見ると困惑している顔よ。仕方ないわね。
「生理なの。」
「なるほど。分かった。それじゃ動けるようになったら言ってな。」
「うん。」
「何か必要なものはないか?」
「大丈夫。買いだめしてあるし。必要になれば、商店街に買い出しに行くわ。」
「外出は1人で行ったら駄目だ。この間のイケメンと不良顔が、仕返ししてくるかもしれない。」
そう言えば、最近テツさんとずっと一緒に行動していたから忘れてたわ。
荻原光と間藤真紀羅って根に持ってそうだし、私一人だと狙われちゃうか。
「分かったわ。その時はテツさんを商店街に連れて行くから。」
「そうしてくれ。」
とテツさんは少し黙り込んだ。
「真美子が動けない間、俺は”勇者試練のダンジョン”の下見をしてくるよ。そうすれば効率よく真美子のレベル上げが出来るから。」
え、それって、この部屋で私一人待ちぼうけ?さっき、1人で外出行っちゃダメって言ったから出れ無いじゃない。
「テツさんそれって、私外出られないからこの部屋で一人待ちぼうけよ。」
「ああ、それはちょっと考える。最悪、1日くらいは我慢してこの部屋で待っててくれ。」
「分かったわ。」
「じゃ、ちょっと行ってくる。」
とテツさんは、朝食を口に流し込み転移してしまった。
もう、朝食くらい、ゆっくり食べてってよ。
◇
しばらくしてから、テツさんは帰ってきた。
その手には、お昼用のお弁当も持っている。
「明日から3日、愛美さんのパーティのアンさんとミミさんが、この部屋に真美子の護衛で来る。買い物とかも、その2人と行ってくれ。」
「え、アンさんとミミさん?あたしの護衛?なんで?」
護衛はちょっと大げさよ。まあ、助かるけど。
でも、なんであの2人が?テツさん何処に頼みに行ってたのよ。
「どこで、頼んできたのよ。」
「そりゃ、愛美さんにだよ。そうしたら、明日からなら可能だってさ。」
愛美さんの所に行ってたの?愛美さんとそんなに仲良かった?まさか浮気?テツさんの転移ならありうるわ。
でも、テツさんはほとんど私と居るから、そんな時間ないわよね。いつも他の女性の匂いとかしないし。
あ、これから、テツさん1人でダンジョンじゃない。浮気する時間は十分出来るわ。
「もしかして、ダンジョン行くって言って、どこか遊びに行くとか?」
「いや、それは無いよ。」
「愛美さんと遊びにくんじゃなくて。」
「なんでそうなる。愛美さんは、普段は魔法騎士育成学園で授業だろ。」
あ、そう言えばそうね。
「そうだけど。じゃあ他の女ね。」
「いや、俺はそんなに信用無いのか?まあいいや、とにかく真美子が心配だから護衛を付けたんだ。もう、お金も払ってある。」
見ると、テツさんは呆れた顔をしてたわ。
しかし、もうお金も払ってあるのね。
もしかすると、テツさんは、本当に私が心配で護衛付けてくれるんだわ。
私の過剰な妄想がいけなかったわ。ダメだわ。これじゃテツさんに呆れられちゃうわ。
そうよ、信じるべきよ。だって、実際には、テツさん、今まで浮気してないもの。
「ごめんなさい。私、言い過ぎました。」
「そ、そうか。それじゃあ、今日はどうする?ダンジョン行っていいか?」
テツさんにいて欲しいけど、ここで引き留めちゃうと、やきもちやきの女だしどうしよう。そうだわ。
「き、キスしてくれたら、行っていいわ。」
そうよ。私のキスでテツさんの記憶に私を刻み込んでおくの。もしほかの女がテツさんを誘惑しても、テツさんなら踏みとどまってくれるわ。そう信じてる。
「わかった。真美子。」
といって、テツさんは私を抱き寄せたわ。
私は目を閉じる。
唇に柔らかい感触があったかと思ったら。
舌が入ってきたわ。
私の口の中にテツさんの舌が入り込む。
「んん。」
私も舌でテツさんの舌に絡ませる。
ねちゃ。ぴちゃ。
「んんん」
テツさんの舌が離れて戻ろうとする。
ダメ逃がさない。
私は、テツさんの口の中に舌を差し込む。
「んん」
そしたら、テツさんはまた、私の口の中に舌を差し込んできた。
ねちゃ。ぴちゃ。
「んんん」
・・・・・
「はぁっ。」
と唇が離れ。私は息をつく。
「すごいな。真美子、いつの間に覚えたんだ?」
「今さっきよ。」
そして、私は更にテツさんに抱き付き、首筋にキスをしたの。
「お!」
とテツさんは驚いてたわ。
そう、キスマークが出来るように強く吸ってあげたの。保険によ。
◇
そうして、テツさんはドアの入り口に簡易防衛ゴーレムを置いて”勇者試練のダンジョン”に行ってしまった。
この簡易防衛ゴーレムは、1日しかもたないらしく、防衛をONかOFFだけで融通も利かないらしいわ。コントロールはカードでするみたい。私はテツさんからそのカードをもらったの。
で私は、テツさんの帰りを待ちながら今日は部屋でゴロゴロすることにしたわ。
専業主婦ってこんな感じかしら?って、そう言えば、私、家事もやってないわ。これじゃ主婦って言えないわ。
洗い物しようっと。
・・・・・・・・
その後、ゴロゴロして、テツさんが置いて行ったお弁当を食べて、お昼寝をした。
・・・・・・・・
3時過ぎ、お茶をしながら待ち続けた。
しかし、暇ね。
少し前までは、あの死んでしまった3人と魔物を狩って生活するので精一杯だったわ。生理の時だって休めなかった。
暇なのは幸せなのよね。
・・・・
でも、暇だわ。武器の整備でもしてようっと。
・・・・
・・・・
・・・・
夜になって、テツさんが帰ってきた。
私は、すぐに抱き付いたわ。
「もう心配かけて!」
「ごめんごめん。」
そして私はテツさんの匂いを嗅いだの。
女の匂いはしない。
というか汗と埃くさい。
首筋には、私の付けたキスマークだけ。
これなら大丈夫ね。
と私はテツさんから離れたわ。
そしてテツさんを見たら、全身の服がボロボロだったのよ。
「この服どうしたのよ。」
「ああ、ちょっとダンジョンのゴーレムとかにね。そうそう、これ、おみあげ。」
とテツさんは、剣を取り出したわ。
「え?これは。」
「”勇者試練のダンジョン”Aパートクリアのご褒美だってさ。真美子にあげるよ。」
「え?いいの?」
「ご褒美は2本あったんだ。俺にはその剣の対になっている”覇者の剣ロドリゲベルクⅠB”があるから。」
それは、金色に輝いていた。形はいたってシンプル。
私は剣の名称を確認した。「覇者の剣ロドリゲベルクⅠA」
「覇者の剣?」
「そうだ。しかし、今まで”勇者試練のダンジョン”って攻略されなかったのな。俺が1番最初みたかったぞ。」
というかさっきAパートとか言ってなかった?
「そ、そう。ところでAパートって何?」
「え?最初に入ったところがAパートだよ。」
「テツさんもしかして、100階より下に降りた?」
と、テツさんは、私に言われ、ダンジョンのあのカードを取り出して見た。
「ああ、130階がAパートの最終試練場だったよ。」
「130階ですって!あのダンジョンは100階が今まで最高記録だったのよ。」
遅いと思ったら、テツさん何やってるのよ。下見じゃなかったの?
「そりゃマズい。目立つな。黙っていれば大丈夫か?」
そう言う問題じゃないけど。
「ええ、それは黙っていればだれにもわからないわ。」
「なら大丈夫だ。さ、夕飯にしよう。」
これ、テツさんレベル上がってるわよね。
「ところでテツさんレベルいくつ。」
「LV1027だ。」
「なっ!」
もしかして、テツさんってバトルジャンキー?




