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女勇者:真美子  作者: コクテン8
1女勇者への道
11/74

10 女子生徒の実地訓練

私とテツさんは、今、実地訓練を兼ねた旅行の護衛をしているわ。

その旅行の護衛は、私達2人だけではなく、愛美さんのパーティ8名も一緒に護衛なのよ。

何故地道に馬車で行くのかというと、今回の旅行の道中に、女子生徒の実地訓練を行うの。

弱そうな魔物の場合のみ、女子生徒が馬車から降りて戦う事になっているわ。


ガタン!ゴトン!


馬車の列が山道を進む。


馬車は全部で6台

前の1台と後ろ1台は荷物と従者。

真ん中の4台が女子生徒が乗ってる。

護衛の私たちは分担して馬車の御者の席の隣に座ってるわ。


女子生徒は全部で8名。そのうち6名が貴族の娘で、残り2人が商人の娘。


そのせいか、2年生にもなるのに、平均レベルがLV150前後。


だから、護衛が必要なのよ。

まあ、私はLV179なので威張れないけど・・・・。


そして、私とテツさんは、一番前の馬車に乗ってるわ。テツさんは今日は”ジョン”という偽名を使ってるのよ。


・・・・・・・・


ガタン!ゴトン!


馬車の列が山道を進む。


山の木々は、広葉樹みたいな木になり、周り薄い緑色になってきたわ。


そして、山を下りた人里離れた森の中に入った。


「少し先に、ゴブリン数匹がいるぞ、どうする?」


とテツさんが魔物を見つけたらしく、魔法通信機で愛美さんと話し始めた。


「・・・・・わかった。」


話が終わったみたい。


「真美子、女子生徒の実地訓練を行うそうだ。もう少し行くとゴブリンがいる。それを女生徒に狩らせる。」

「分かったわ。テツじゃ無くて”ジョン”。事前の愛美さんからの説明通り、周りの警戒と女生徒のサポートね。」

「そうだ。それじゃ俺は、ちょっと周囲を確認してくる。」


と言ってテツさんは、飛行魔法で飛んで行ってしまった。





私の担当班の女子生徒とゴブリンの所に向かう。

その女子生徒は、


ジョセファーナ LV151 金髪 ポニーテール 貴族 ロリボディ 14才 秀才 

マリアン LV147 赤毛 セミロング 商人 プローポーションそこそこ  20才

キャサリーリ LV149 茶色の髪 ウエーブロング 貴族 プロポーションいい 19才  


の3名よ。


この3名に事前に戦闘のパターンを打ち合わせてあるの。

3人は、陣形とか難しいことは無理みたいなので、単純な以下の4パターンと撤退命令を加えたわ。

パターンA:攻撃魔法の後、剣で突撃。

パターンB:攻撃魔法のみ。攻めてこられたら剣で応戦。

パターンC:剣で攻撃

パターンD:各個自由に攻撃

撤退


後ろから、愛美さんパーティの男性2人、ランタスさんとガイさんがその他の女子生徒を引き連れてきたわ。


・・・・・


少し、開けた場所に、普通のゴブリン2匹、ゴブリン魔術士2匹、格闘型ゴブリン2匹がいたの。

私の知識だと、ゴブリンがこんなに色々な職種があるなんて、最初ビックリだったけど、この異世界では普通らしいわ。


最初の魔物との遭遇なので、私の担当班が狩ることになっていた。

テツさんが、鑑定魔法でゴブリンのレベルを調べているから、大丈夫な相手。早く私も鑑定の魔法覚えなくちゃ。


「ジョセファーナさん、マリアンさん、キャサリーリさん、パターンAで攻撃してください。」


と私は3人に攻撃を指示する。


「はい。」「はーい」「はいですわ。」


と3人は返事をして、攻撃魔法を放った。


「ファイアーアロー」「ウインドカッター」「ウォーターアロー」


とゴブリンに魔法が飛んで行ったが、

ファイアーアローとウォーターアローは途中でぶつかり、敵に届く前に消滅した。


「あ!なにするの!」「こっちのセリフですわ。」


と喧嘩を始めるジョセファーナとキャサリーリ。


ゴブリン魔術士は魔法防壁を張って「ウインドカッター」を防いでいた。


格闘型ゴブリンとゴブリン2匹がこちらに向かってきた。


「みんな!来るわ!体制を整えて!」


と私は叫ぶ。


格闘型ゴブリンがマリアンさんに襲い掛かる。


「きゃー!」


ガシっ!ガシっ!ガシっ!


格闘型ゴブリンの拳をマリアンは盾で受けて防いでいる。


ゴブリン2匹は、小さいジョセファーナに襲い掛かる。


キャサリーリは悲鳴を上げて動かない。


マズいわ。なんでLV150前後なのに、この3人はこんなに動きが悪いの?


と思いながら、私は2体1はマズいので、ジョセファーナの助けに入る。


ザン!

ぎゃあ!


ゴブリン1匹を私は倒した。


ガイン!ガイン!ガイン!


とジョセファーナさんは剣で、残りのゴブリン1匹と打ち合っている。


これなら大丈夫だろうと、私はマリアンの助けに入る。

マリアンは、防御で精一杯だった。涙目だわ。

私は格闘型ゴブリンに切りつける。


ザン!

ぐあー!


と格闘型ゴブリンは私に向き直る。


「マリアンさん今です!」


と私が指示をした。

マリアンが、後ろから格闘型ゴブリンを剣で切る。


「はい。」


ザシュ!

ぐぎゃ!


格闘型ゴブリンは、マリアン向き直る。

マリアンが続けて格闘型ゴブリンを剣で数回切る。


「いやー!」


ザシュ!

ぐぎゃ!

ザシュ!

ぐぎゃ!

ザシュ!

ぐ!


と格闘型ゴブリンが倒れた。

横を見ると、ジョセファーナもゴブリンを倒していた。


そこに忘れていたゴブリン魔術士2匹が、魔法を放ってきた。


2本のアイスアローだ。


「キャサリーリさん魔法防壁を張って!」


と私が叫ぶが、


キャサリーリは「え?」「え?」と言って動かない。


マズいわ。私は魔法防壁張れないのよ。

剣で撃ち落としても私じゃ1本しか落とせない。

と焦っていると


「真美子、みんな、動くな!」


と上空より声が響く。そして、


シュルーンンンン!

ガリガリガリ!


と私達4人とアイスアローの間に風の壁が立ち上がり、2本のアイスアローが氷の欠片に変わった。


そして、その風の壁越しにゴブリン魔術士2匹が、風の刃で切られて死んだ。


そして、私達の前にテツさん(”ジョン”)が立っていた。


「大丈夫か?」

「は、はい。」


よかった。貴族に怪我でもされたら大変だったわ。

さすが私のダーリン。

私が抱き付きたいのを我慢していたら、


ジョセファーナ、マリアン、キャサリーリが、それぞれテツさん(”ジョン”)に言った。


「すごいわー!あんな魔法初めて見る。貴方名前は?」、「すごい!」、「遅いですわ。もう少し早く助けなさい。」


テツさん(”ジョン”)は頭を下げて礼をし詫びを言う。


「”ジョン”と言います。助けるのが遅れて申し訳ありませんでした。」


もう、そんな頭下げなくていいのにと思っていると、


ジョセファーナ、マリアン、キャサリーリが、再度それぞれテツさん(”ジョン”)に言った。


「ジョンさんね。今度魔法教えて。」、「私も教えて、」、「そうね。教わっても良くてよ。」


3人とも何に言ってるのよ。そういうのはイケメンに言うものよ。テツさんはイケメンじゃないから。・・・私的にはカッコいいけど。

私はちょっとムッとして、今の戦闘の不味い点を話そうとした。


「えーと、みなさん、今の戦闘はみなさんの動きが・・ふがっ!」


とみんなに言う前にテツさんが、私の口を塞いだ。そして私の腕は後ろに回され動けなくなったの。

私は必死にもがいたのだけど、テツさんは全然動かない。


「あ、皆様すみません。さあ、馬車に戻りましょう。」

「ふがふが・・・」

「はい。」「はーい。」「真美子さんでしたっけ?」


とキャサリーリだけが、残って話し出した。


「真美子さん、貴女護衛失格じゃなくて?」

「ふがふが・・・」

「あ、すみません。真美子の分を俺が補うって守る事になっていたので、先ほどの戦闘に関しては俺の責任です。」

「そうだったの。以後気負付けてくださる。」

「はい。お嬢様。」

「ふがふが・・・ふがん!」


とテツさんに私は口を押えられ、何も言えないままだった。一方、テツさんはキャサリーリに頭を下げていた。

キャサリーリは私を睨んでいたが、テツさんに謝られ馬車に戻っていった。

キャサリーリが十分離れた後、テツさんは手を放してくれた。


「テツさん、何で私の口をふさいでいたの?」

「落ち着け、貴族ってやつは、理屈じゃないんだ。」

「・・・・でも、あれは無いんじゃない!」

「いいから、仕事が無くなるぞ。俺を困らせないでくれ。」

「・・・・・」


仕方ないわね。テツさんを困らすわけにはいかないもの。


と私たちも馬車に戻った。




馬車に戻ってしばらくすると魔法通信機の音がした。


「はい。”ジョン”です。愛美さん?はい。・・・・・・・・・」


と隣でテツさんは愛美さんと話し始めた。


「・・・・・・わかりました。そうします。」


とテツさんは魔法通信機を切って仕舞った。


「テツさん、何の話しだったの?」


私は周りに人がいないので”ジョン”とは呼ばなかった。


「・・・えーと、真美子担当班の戦闘中の護衛を、今後俺がする事になった。」

「え?何でよ。」

「キャサリーリさんからの要望だとさ。あ、でも、一般の温泉宿の中の護衛は、真美子のままだから。」


何よそれ、一番役立たずだったのはキャサリーリなのに。・・・でも、テツさんはすんなり引き受けたわね。それにキャサリーリからの要望?


「・・・テツさん、もしかして、女生徒と一緒にいられるから引きうけたんじゃなくて?キャサリーリさんスタイル良かったしね。」

「そんなことなよ。第一、俺には真美子がいるじゃないか。」

「そうかしら、私の扱いが悪いように思えるんだけど。」

「そんなことないだろ。」

「さっきだって、乱暴に私の口塞いだじゃない。」

「あれは、真美子が貴族に向かって意見しようとするから・・・・・」


意見って、注意じゃない。怯えてなにも出来なかったキャサリーリが悪いのよ。


「なによ。悪いものは悪いんだから。テツさんは私の味方じゃないの?」

「分かってくれ、貴族に喧嘩を売ると後で厄介なんだ。真美子が危険になるんだぞ。」

「どういう風に?」

「暗殺とか、町などで物が買えなくなるとかだよ。」

「・・・それは嫌ね。」

「まあそういう事だ。、真美子、貴族ってやつは、陰険で我がままなんだから。」

「・・・・・」

「もう機嫌直せよ。」


とテツさんは黙って私を抱き寄せた。


「あっ、もう。」

「膨れてるとその口また塞いじゃうぞ。」


と言って、テツさんは手をにぎってきた。

あ、温かい。握ったり、指をからめたりしてくる。

もう、これでイケメンだったら本当に女ったらしよ。


「もう、わかったわ。」

「ありがとう。真美子。」


とテツさんは手を離した。

あれ、もう終わり?

って何期待してるのよ。私。


でも、テツさんが本気で私を抑え込んだら、全然抵抗できないことが今日わかったわ。

その時はテツさんのにされるままね。


と考えていると、


「お!やっぱり魔物だ。」

「もしもし、愛美さん、”ジョン”だけど・・・・・・」


と魔法通信機で愛美さんと話し始めた。

テツさんが手を離したのは、魔物を見つけたからだった。


・・・・・・・


そして、次の班が先頭になり、現地に向かった。


・・・・・・


・・・・・・


数回の魔物との戦闘を繰り返した。


テツさんが班の護衛に変わってからは、ジョセファーナ、マリアン、キャサリーリの3人が安定して戦闘出来、すんなり勝ってしまった。


『凄い!テツさんは戦闘指揮も手慣れたものだわ』と私は感心したの。


・・・・・・


・・・・・・


ガタン!ゴトン!


馬車の列が山道を進む。



そして、日が暮れ野営となった。


野営も生徒の実地訓練に入っていたので、生徒にも交代で従者と護衛の人で夜の番をした。






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