表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/16

プロローグ

本当に(セブレ)? せっかちすぎるのではなくて?」

「よいのです」

 かつんかつん、と音を響かせ迷う素振りもなく大理石の床を進んでいく。

 純白のドレスを覆う大きな網目のマントの前面部を握り、頭には白銀の王冠を乗せたそのきのこは女王陛下だ。


 ここは陛下シルキーの住居である純白の王城。

 水は重要なので室内に噴水付きのため池があり、陛下に話しかけている陛下公認の侵入者の主犯リーダーモリーユ・エスクレンタは仲間と共にその脇に寝そべっていた。


 左肩部分が切りとられたような妙に色気のある白いドレス姿のきのこである。

 複雑に絡んだ黄土色の髪を揺らし、穏やかな笑みをさらす。


あらあら、残念です事(セドマージュ)

 陛下の後姿を見送って微笑むのは暗褐色の髪を尖らせたきのこ

 網笠茸エクセレンタの姉貴である。

 こちらは茶色いスカートに切り込みが腰まで入っている。


 姉妹揃って妙な色気を放って危ないが、春のアミガサ三人娘(きのこ)の暴れん坊だけは物理的に危険な要注意きのこ。

「ふっはー。これじゃ俺様が女王になっちゃうじゃねーか!」


 そんなきのこ達の会話を背に、護衛を引き連れた女王シルキーは自分の背丈の倍ほど高い白色の扉を潜り抜ける。


 城の二階にあるテラス。

 重要な知らせがあると発表があったので、下には沢山のきのこ達が集まっていた。

わたくしに残された寿命はそう長くはないでしょう」

 女王シルキーは短命な種類のきのこだった。だからといって、切羽詰まった状況では全くない。


 ずらっと並んだきのこ達もそれは十分知っていた。

 何かにつけて焦り過ぎの傾向がある陛下の言葉は誰も不安にしない。


 むしろ透き通った声にも気品があり、重い話にも関わらず集まったきのこ達の眼をうっとりさせていた。


「次の女王は私のようにはかな存在きのこではなく、強くたくましいきのこが相応しいと考えます」

 穏やかに見上げる住人達とは対照的に、とても真剣に女王シルキーは語っている。


「私はここに次期女王決定戦の開催を宣言します!」 


 女王シルキーの優美な姿と声に魅せられていたきのこ達も事態を飲み込み慌て始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ