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可愛いウィニー  作者: 梨香


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15/17

15  人なんて食べないよ

 少年とウィニーは少しずつ飛ぶ距離をのばしていきました。


 ある日、少年は遠出をして、休む場所を探します。


 竜を人々が怖がるので、人気の無い場所を探しましたが、春なのでどこの畑にも人がいます。


『ウィニー、あの山の草原に降りよう』


 今日はちょうどウィニーが一年前に卵から孵った日です。


『小さかった雛竜も可愛かったし、ボール遊びに熱中していたチビ竜の時も可愛かった。

 でも、僕を乗せて飛んでくれるウィニーが一番好きだし、可愛いいよ!』


 きゅるるっぴ! と嬉しそうにウィニーは少年に頭をこすりつけます。

 

 とても幸せだと、一人と一頭は感じてましたが、春の日差しと朝早く起きたのでうとうとと寝てしまいました。


「竜だぁ~! 食べられる~」


 うっかり寝ていた山の草原は、下の村の放牧地だったのです。


 牧童の叫び声と、竜に驚いた牛や羊達の逃げ回る鳴き声と、ガランガランと響く首輪の鈴の音で、ウィニーと少年は驚いて空に飛び立ちました。


『人間なんか食べたりしないのに……』


 きゅるるるると悲しそうに鳴くウィニーに、少年も悲しくなってしまいました。


『ウィニーはこんなに素直で可愛いのに……』


 竜を悪者に書いた人達は、本当に竜を見たことがあるのかと、少年は腹を立てました。


『もしかしたら、ずっとずっと昔の竜で、人間に小さいうちに虐められた仕返しをした竜がいたのかも……』


 羽根を地面にたらして、ウィニーはきゅるるるると鳴きます。


『そんなのウィニーには関係無いよ!

 僕はウィニーが大好きだもの』


 少年は落ち込むウィニーを慰めました。


『皆がウィニーのことを怖がらないようにするよ!』


 少年はいつかウィニーと一緒に自由に飛び回れるようになりたいと思いました。


『いつまでも一緒だよ!』


 ウィニーは少年の言葉に、くぴくぴと嬉しそうに頷きました。

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