13 最初の飛行訓練は大失敗
春めいてきた頃、ウィニーは大型犬からポニーくらいに成長しました。
師匠は小柄な少年なら乗せて飛べるかもしれないと考えます。
『ウィニー、人を乗せて飛べるか?』
ウィニーは少年が大好きなので、きゅるるっぴ! と答えました。
『では、実験してみよう!』
竜舍の前でウィニーに少年はまたがってみます。
ウィニーも乗りやすいように、伏せてくれましたが、首しか持つところはありません。
『しっかりつかまってね!』
ウィニーに言われるまでもなく、少年はしっかりと首にしがみついています。
バタバタと羽根を動かして、ウィニーは空に舞い上がりました。
『一緒に空を飛んでいる!』
ウィニーは嬉しくて、学校の上をぐるりと回りましたが、少年は首を持っていると下を向くので地面がぐるぐるして、目が回ってしまいました。
『ウィニー! すぐにおりて!』
せっかく少年と空を飛べたのにと、ウィニーは残念に思いましたが、気分が悪くなったのに気づいて降りました。
急いで着地したので、後ろ脚で座った体制です。
ごろんと、少年は背中から尻尾の方へと転がり落ちてしまいました。
『大丈夫?』
師匠もケガはないかと心配しましたが、着地した後なので大丈夫でした。
「すぐに降りてきたな?」
少年は下を向いた態勢だったので、眼が回ってしまったのだと、少し気分が悪そうな顔で答えました。
初めての飛行訓練は大失敗でした。
『きるるるるる……』一緒に飛びたいとウィニーは悲しそうに鳴きました。




