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覇道戦記  作者: ガンマニ
5/12

第四話 男達の挽歌

城下町パスティア

武器屋ジャンクウェポン

「ふぁ~~~」

「ダン!居るのかぁ!」

ダンが切り盛りしている店にマオが訪れていた

「おう、今起きた所だ」

「寝てたのか、店やってるのか?」

「いんや、今は特に依頼無しだから暇中」

「丁度いい、クエストでもどうだ」

「いいぜ、折角Sランクになったんだ。内容の良いのがいいな」

「・・・あればいいんだが」

「ん?なんか言った?」

「いや、何も」

「?」


ギルド二階

「・・・一枚も無いんだが」

「S級の仕事がそんな簡単に来るわけないだろう」

「なんでだよ!」

「S級の仕事はSランクのみの依頼だ、仕事内容と報酬金が見合わない事が多い」

「・・・つまり、難しい仕事も報酬に出せる金もそう簡単には無い、と」

「そういう訳だ」

ダンはその場に崩れ落ちる

「・・・豪華な生活が出来ると思ってたのに」

「諦めろ、Aランクとかでも良いのはあるぞ」

「うぅ・・・」

「ほれこれなんか結構金はいいぞ」

「なになに・・・」

依頼内容

・囚われた住民の奪還

女子供は不当な借金で屋敷に住む主の命令で囚われている。これの奪還を依頼するetc・・・

報酬金10万G

「10万か・・・」

「内容的に相手は猛獣じゃなくて人だ。楽勝だろ?」

「正直面倒くさいな。猛獣とかだったら素材集めも出来るかrゲフッ!」

愚痴るダンにマオは蹴りを入れる

「グダグダ言ってないで行くぞ」

「・・・へーい」

ダンは心底面倒くさいと思いながらも依頼状を持って受付に向かった


東の大陸の村 ダット

「・・・人が少ないな」

「恐らく依頼の内容通りの人攫いじゃないか」

「人攫いって・・・」

「意味的に似たようなモンだろ」

二人が喋っていると一人の老人が近寄ってきた

「おお、貴方達が依頼を受けてくださったハンターの方ですか?」

「はい」

「そうだ」

「・・・酷いもんでしょう」

「・・・人が攫われたんですよね」

「攫われた、か・・・その表現の方が的確かも知れませんじゃ」

「一体どうして?」

「この村の近くにある屋敷の主ホルバッグのせいですじゃ」

「ホルバッグ?」

「聞いた事がある。大の女好きで卑劣な手を使い幾多の女性を自分の屋敷に捕らえて好き勝手に弄ぶという・・・」

「小悪党って感じだな」

「そんな小悪党にワシ達は立ち向かう事もままなりません。村の女や子供はホルバッグに連れ去られ残ったのはワシのような老人や男だけ、これでは村がいつ終わるか分かった物ではありません」

「つまり、俺達の仕事はホルバッグに囚われた人間の奪還・・・という事で?」

「はい・・・」

「でもよ、取り返してもまたそいつら仕掛けてくるだろう」

「・・・その時はこの村を捨てます」

その言葉を聞きダンは言う

「そんな・・・」

「仕方ないのですじゃ・・・こうするしか奴から逃れる事が出来ませぬ」

「・・・ダン」

「・・・どした?」

「行くぞ・・・」

「ああ・・・」

「任せましたぞお二方・・・」

村を後にして二人は屋敷へ向かった


屋敷 ホルバッグ邸

「ここか、でかいな」

「でかいから屋敷なんだろ」

「いや、そうなんだけどよ」

「どうやって潜入するか・・・」

現在、マオとダンは屋敷のすぐ側にある木の上で偵察をしていた

「正面突破?」

「何がいるか分からん却下」

「変装」

「誰に変装するんだ却下」

「囮作戦」

「それで行こう」

ダンが正面の門から入りマオは裏から潜入する作戦で決まった

「行くぞ、ヘマするなよ」

「おう」

ダンは木から下りると門に向かって走る

同じく、マオは裏に向かって輝力の翼で飛行する

正門に向かって近づくダンに門番が声を掛ける

「貴様、何者だ」

「どこから来た者だ、許可証などはあるのか」

「・・・ねぇよ」

「なに?」

「ねぇっつってんだよ!」

ダンは二人いる門番の片方を殴ってもう片方の槍を避けそのまま背負い投げをする

「さてと、マオの奴上手くやれよ」

ダンは門を破壊して城内に侵入した


「裏は特に警備は無さそうだな」

マオは裏の壁に向かい剣を構える

「・・・切り裂け天照」

高速かつ音一つ立てずに壁に穴が開く

「行くか、まずは囚人の解放だな」

「そこの者、止まれ」

マオの行動に声を掛ける男が現れる

「なんだお前は?」

「ハンター、と言えばいいかな?」

ハンターには似つかわしくない白のローブを着た白髪の男はそう答える

「・・・何処のハンターだ」

「君は?」

「中央都アルケミアの『セイクリッド』だ・・・」

「あそこのハンターさんか、僕はね『ロストエンジェル』っていうギルドのハンターなんだ」

「ロストエンジェル・・・聞いた事無いな」

「まあ主に暗躍とか表向きでやる仕事来ないからね」

「評判は良く無さそうだな」

「まあね、でも楽しいよ?お金もたっぷり貰えるし何より・・・」

「っ!?」

男はマオに向かって腰に携えてあったサブマシンガンで発砲する

しかし・・・

「不意打ちとは、お前のギルドはどういうルールで生きてるんだ」

「ふふん♪僕のギルドは僕みたいな人を殺したり蹂躙したり陵辱する事を何とも思わない人間でも雇ってくれる素晴らしい場所なんだよ」

「・・・一応名を聞こうか」

「クラウス・ハーキュリー、因みに、今はこの屋敷の下衆な主の用心棒やってるからこれ以上進むんなら悪いけど蜂の巣にでもなって君のギルドに送り返させてもらうよ?」

「マオ・アマツだ、弱い奴ほどよく吼えるな、安心しろ、送り返されるのはお前だ」

「・・・お前ちょっとムカつく」


「ふぅ、これで雑魚はほとんどかな」

ダンは正門から入り警備員の妨害に遭いそれを撃破していた

「(しっかし、こんなんで警備になんのか?エライ薄いような・・・)」

今の状況に疑問に思うダンの予感を的中するようにダンの頬を掠めて三つ又の槍が通り過ぎる

「・・・何モンだおめぇ」

「こちらの台詞 貴様 何者?」

「まあ、見ての通り侵入者かな」

「我が名はターレン・チュン、『ロストエンジェル』所属のハンターなり」

「ハンターなのか、所謂用心棒って奴か」

「うむ」

「ならなんだ?侵入者の俺をここで抹殺でもするか?それとも屋敷の主にでも突き出すか?」

「お前賢い 両方 正解」

「・・・オーライ、どうやら話し合いの通じる相手じゃないってのは分かった」

「うむ では 殺す」

「殺されねぇよ、仲間が俺を待ってるんだ。ここで簡単に死ぬ訳にいかねぇ」

「他に仲間 いる? なら不幸」

「あぁん?」

「私の同僚 名をクラウン 奴は私より残忍 そいつ生きる可能性低い」

「なら安心だ、あいつの強さは半端じゃねぇからな」

「・・・ お前も ここで死ぬ」

「死なねぇって言ったろこのパチンコ頭、あと「も」は付けんな。あいつは必ず生きてる」

「大した信頼関係 だが あんまり舐めるな」

「了解だ。とっとと始めようぜ、あの爺さんに希望はあるって教えてやらなきゃいかんからな」

「・・・ 殺す」


「けけけけけけけけ!」

両手に持ったサブマシンガンでマオに突っ込むクラウン

「遅いな」

弾丸の動きを読み取り一瞬で背後に回る

「貰った!」

「ひゃっはぁ!」

「っ!?」

クラウンは着ていたローブを貫き背中に何か現す

「くっ・・・なっ!」

「ひいっひっひっひ!どう?驚いた?驚いちゃった?」

何とクラウンの背中から機械で作られた刀を持った義手が現れる

「僕ちん実は改造人間なんだよね?でも勘違いしないでよ?これあくまで俺が勝手にやった事だからね?哀れとか変な誤解持たないで欲しいな?」

「別に持たねぇよお前なんかに」

「あ・・・っそ!」

クラウンの膝から更に銃口が現れマオを狙撃する

「対艦ライフル的な?」

「ちっ!」

ドォーッン!

激しい爆音と共にマオの居た場所が木端微塵に消し飛んだ

「ひゃはははははははは!あっけねぇ!口ほどにもねぇ!つまんねぇ!だっせぇええええええええ!」

クラウンは壊れた機械のように狂った笑い方をする

「・・・出来損ないの機械人形がよく笑う」

「・・・ハイ?」

後ろを向くと自分が消し飛ばした筈のマオが禍々しい翼を生やしてそこにいた

「なんですかぁ・・・なんですかああああああああ!?」

「・・・・・・」

「透かさないでくれますぅ?正直うぜええええええ!なんですか?いっちょ前に攻撃避けて勝利フラグ獲得したってツラしやがってよおおおおおおおお!ホンットなんなんですかあああああお前!!!」

クラウンは激昂と共に体中の兵器・武器を全て曝け出す

両手にはサブマシンガン、両肘に竜撃砲、両肩には大型の大砲、膝には対艦ライフル、ふくらはぎからミサイルポッドが現れ最後に背中の十本ある義手が一つずつ拳銃を構えていた

「落ちろ!墜ちろ!堕ちろ!『ロストクライシス』ぅぅぅぅ!!!」

全ての武器がマオに向かって放たれる

「言っとくがこの近くに奴隷共の部屋がある!お前が避けりゃそいつらはただじゃすまねぇ!」

「成る程、どこを探そうか考えていたがご苦労様だな」

「へあっ?・・・」

「・・・『欲望障壁(グリードクリア)』」

マオから放たれた輝力の波動はクラウンの全ての武装の攻撃を無力化した

「・・・てってめぇ・・・一体何をした!」

「別に、ただそいつらの持つエネルギーを全て戴いただけだ」

「か・・・あ・・・く・・・そがあああああああああああ」

「あばよ、半殺しにして聞こうかと思ったが手間が省けた」

マオは吸収した輝力で強化された剣をクラウンに向かって斬りつける

「・・・欲望覇刃」

斬られたクラウンは胴が地面に滑り落ちる

「・・・・・・」

「ようやく、静かになったな。それに・・・」

マオは近くの部屋を覗く

そこには捕らえられた村の住民達がいた

「・・・貴方は?」

近くにいた女性が生気の無い目をしてマオに問う

「貴方達全員を助けに来ました」

「え・・・ハンターの方ですか!?」

「・・・はい!」

その瞬間、その場に居た村の住民は喜びの声を挙げ助けに来たマオに感謝した


「・・・この声」

「ウチの相棒がやってくれたそうだ」

「貴様 生きては返さんぞ」

「オッケーだ、それくらいで来てくれなきゃつまんねーからな」

「ターレン・チュン参る!」

「ダン・バスティー行くぜ!」

二人の武器が激突し、激しい金属音が鳴り響く

「くぬぬ・・・」

「中々のパワー・・・しかし!」

ターレンはダンから一時距離を取る

「喰らえ我が奥義!韋駄天突き!」

高速の三つ又がダンを狙う

だが・・・

「・・・・!」

「なにぃ!」

ダンは間一髪でターレンの槍を避ける

「・・・キエラに感謝しないとな、あいつの動きよりは遅くて助かったぜ」

「くっ! 我がスピード 侮辱したな!」

ターレンは槍を地面に突き刺しその勢いで高飛びする

「一体何を!」

「最早貴様など見るに足らず! 一瞬で決めてくれる!」

ターレンは地上のダンに向かって槍を構える

「最終奥義!スパイラル韋駄天突き!」

ターレンは空中で回転しながらダンへと向かって槍の一撃を放つ

「終わりだ ダン・バスティいいいいいい!」

「そりゃ・・・こっちの台詞だあああああ!!!」

ダンは背中に背負ったVソニックで槍を捉える

「馬鹿な・・・ この技が見破られるなど」

「こいつの硬さはヴォルガノスの鱗を使ってるから相当だぜ!」

「くっ・・・ならば!」

槍をダンに放りそれに飛び乗る

「秘技!韋駄天ウェーブ突き!」

「言いたいけどそのネーミングセンスはどうかと」

「黙れ! 貴様はここで死ぬ!」

槍で飛ぶターレンにダンは刀を構える

「馬鹿が! それで 何をするつもりだ!」

「こうすんだよ」

ダンは槍の刃先を刀の先端で捉え動きを止める

「なっ・・・」

「・・・終わりだ」

ダンはそのままターレンを高速で切り裂いた

「・・・馬鹿な・・・そんな事が」

「俺の勝ちだな」

「まだだ、まだ俺は死んではいない!」

「諦めろ、今のお前じゃ俺には勝てない」

「・・・くっ」

ターレンは握っていた槍を持つ力もなくなりその場に倒れる

「・・・さて、悪の親玉でも退治しに行くか」


ダンがホルバッグのいる玉座に向かう途中マオと再会する

「よう、その様子だと囚人達は解放出来たようだな」

「ああ、お前のほうは真正面から来た割には遅かったな」

「なんか他のギルドが邪魔してきてよ」

「だったらアイツの仲間かも知れないな」

「ああ、ターレンっていうロストエンジェルもそう言ってた」

「奴もロストエンジェル所属と言っていたな」

走りながら会話をしていると玉座の間に辿り着く

「行くぞ!」

「よっしゃ!」

ガララ、と重量のあるドアを開くと中央の大きい金で作られた椅子に脚を組んで座る中年が一人

「・・・お前等か、この俺に対して下らん事をしているのは」

その男は葉巻を口に加え悪趣味なほどに手に金色の指輪を付け二人を見下しながら喋る

「あいつ等を逃がした所で無駄な足掻きだ。結局連れ戻して今度は逃がさんようにするからな」

だが、とホルバッグは葉巻を手に持ち煙を吹き出す

「その前に、下らん事をしてくれた愚かな馬鹿共の処理をせんとなぁ」

「へっ!やれるもんならやってみやがれってんだ!」

「貴様の闇この俺が食い尽くす!」

「ふん、威勢だけは一丁前だな。だが、威勢の良い女も俺が調教を施せば立派な肉便器にもなるがな」

「・・・下衆が」

「男は女より強くあらなきゃならねぇ、故に男は女に自分の強さと女の脆さを教えこまなきゃいけねぇ、そうじゃなきゃ調子に乗るからな。全く、女なんてのは便利なモンだ。言う事聞く様になりゃ売るなり弄ぶなりやり方は幾らでもある。だからやめられねぇんだよ」

「お前は・・・」

「ダン?」

「人を何だと思っていやがる!」

「あぁ?俺より下の人間なんざカスだ。それをどう扱おうが俺の勝手だ。犬とか猫を勝手に管理するのと一緒だ」

「・・・てめぇの理屈は認めねぇ」

「あぁ・・・貴様の理不尽な言動、男として許し難い」

「なら俺を倒すか?出来るか分からんがな」

「倒す・・・?」

「違うな・・・」

二人は息を吸い思い切り叫ぶ

「「俺はてめぇ(貴様)をぶっ潰す(滅ぼす)!」」

「ふふふ、来い、愚かな狩人共」

「貴様の相手はこの俺だああああああ!!!」

マオの背中に翼が生え高速で移動する

「駆け抜けろ『欲望の(グリードアポロディア)』!」

「呪具か、未だにそんな物が出回ってるとはな」

「くたばれぇ!」

マオは欲望の羽で速度を増してそのまま飛び蹴りを放つ

「単純だな餓鬼が」

すると、ホルバッグの後ろから出てきた何かがマオと激突しマオが吹き飛ばされる

「くはっ!」

「マオ!」

「・・・言ってなかったか?」

良く見るとホルバッグには猛獣がいた

「まさか貴様・・・召喚士か!」

「ご名答、俺は見ての通り召喚士、そして、カースキラーの一員だ」

ホルバッグが右手の不気味な髑髏のタトゥーを見せる

「なっ・・・」

ダンは驚きを隠せなかった

信じられない、そんな思考が頭の中で過ぎる

しかし・・・

「ふふふ・・・はは」

「ん?頭でも打ったか?」

「はは・・・はは・・・あっはっはっはっはっはっはっは!!!」

「マオ・・・お前」

「やっとだ・・・やっと見つけた!」

「何ぃ?」

「手掛かりを・・・それも奴等に近付くのを」

マオは手を顔に当てて立ち上がる

「やっとだ・・・やっとだよ・・・長かった・・・これで・・・母さんと父さんとユーナの仇が討てる」

「(ユーナ、マオの言ってた妹さんか)」

「・・・お前、あの村の人間の生き残りか?」

「ああ・・・そうだよ・・・いや・・・それだけじゃない」

マオは急に服を脱ぐ

ダンは背中のタトゥーを見て動揺を隠せなかった

「これ・・・あいつと一緒・・・」

「まさか・・・お前は」

「そうだよ・・・貴様らに拉致監禁されて・・・背中に刃で刻み込まれたこのタトゥー・・・そして・・・モルモットとしてこの力を与えられた男だよ」

「な・・・」

衝撃の連発でダンは最早何がなんだか分からない状況に陥っていた

「はっはっはっはっはっはっはっは!」

ホルバッグはマオの話を聞いて急に笑い始める

「そうか!貴様があの時逃げたっていう餓鬼か!まさか生きていたとはな!」

「あぁ・・・お前等全員一人残らず殺す為に今日を生きてきた・・・嬉しいよ・・・やっと会えたんだからな」

「ははぁ!そうかそうか!だがなそれは叶わない!」

「・・・何?」

「今ココで俺が貴様に終止符を討つからだ!貴様の体内に宿す呪具はこの俺が直々に破壊してくれる!」

「そうだ、そうやって貴様等は俺達をゴミか実験動物のようにしか扱ってこなかった。・・・今度は貴様等がゴミの様に朽ち果てる番だ!」

マオは天照を出し一気に接近する

しかし、ホルバッグの召喚獣「タイラント」という魔牛がマオに向かって走る

「邪魔をするな牛風情が」

天照でタイラントを倒しそのままホルバッグに向かって飛翔する

「何を言おうが貴様の言う事は叶いはしない。あの方がいる限り」

そう言うとホルバッグは更に召喚獣を出す

「これが俺の呪具『服従ノ精』の力だ。これは全ての生きとし生ける生物全てに作用する。俺の体液を体内に取り込んだ物は俺の忠実な奴隷と化す。召喚獣には契約が必要でな」

「それで無理矢理言う事聞かせてるってのか!」

「そうとも!おかげでSランクの中でも最強の部類の猛獣を二体俺の手中に収めた!」

「があああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」

「きゅああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」

一番目に吼えたのは人型の魔獣「リォレース」

見た目は黒い、全てが黒く特徴は頭部に生えた人一人容易に突き刺す迫力の巨大な左右対称の歪んだ角

その巨大かつ太い腕は猛獣達の中でも最高の怪力を象徴する存在感が溢れている

二番目の猛獣は怪鳥「ジークフリード」

鳥類でありながら古龍を取り込みその力により様々な生物を絶滅に追いやる天空の覇者

神々しく広げられたその翼は何もかも滅ぼし、その口から放たれるブレスは受けた者の生存を許さない破壊力

「貴様に対して手を抜くのはなんだろう、全力で貴様を葬ってやる!」

「ふん、ゴリラもどきに鳥如きがこの俺に牙を剥くか!」

「マオ!幾らお前でも一人じゃ!」

「ダン、お前は手を出さないでくれ」

「だけど!」

「・・・呪具を持たないお前に立ち入る状況じゃない。わかってるだろ?」

「でも!・・・」

「ふっ!貴様など足手纏いと言う事が分からんようだな小僧!」

「なに・・・マオ!」

ダンが前へ出ようとするとマオはそれを制止する

「奴の言う通りだ。今のお前は足手纏いだ」

「・・・畜生」

ダンは自分の弱さに悔しく思った

「だが心配することは無い、所詮貴様等ゴミはここで朽ち果てるのだからな!」

「貴様には聞きたいことが腐るほど在る。聞くだけ聞いたら貴様を塵にして消滅させてやる」

一人の復讐者と大量殺人者集団の一員が激突する・・・


第四話 完

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