表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

4-2.

 最初の内は、あの三人も芽衣を信じていた。なんなら、助けようとしていた。


 結奈は自分の顔にコンプレックスがあった。

 大きな鼻と分厚い唇が、あまりにも醜くて、マスクで隠した。

 芽衣を貶めたい女子達はそこに目を付けた。

 女子達は結奈に近づき、結奈のマスクを無理やり剥がした。そして、その後こう言った。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、と。

 自らを犠牲にすることも、相手に立ち向かうことも出来ず、引っ込み思案な結奈はただ頷くだけだった。


 智樹は結奈のことが好きだった。

 自らを主張できない智樹と、引っ込み思案な結奈、どこか似ていると勝手に思い、親近感が湧き、勝手に思慕を抱いていた。

 あの女子達は、そのことを知っていた。

 だから、智樹に近づき、結奈の顔写真を見せてこう言った。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、と。

 自らを主張出来ず、迂闊に発言も出来ない智樹は、ただ頷くしかなかった。


 大和はたった一人、いじめを止めようとした。

 しかし、先生や警察に頼っても、陰湿ないじめであった為、証拠が出ず、なにも出来なかった。

 その行動が女子達にばれ、大和にも釘を打った。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、と。

 大和は諦め、芽衣と関わることをやめた。


 すべて、悪い方向へと向かっていった。

 芽衣のいじめは徐々にエスカレートしていき、ついには暴力も振るう様になった。

 しかし、そのときは既に周りは芽衣を悪役としており、その様子を遠巻きに見て安心していた為、通報をする人はいなかった。

 空気は段々と変容していき、芽衣がどんなに傷ついていても、誰も気に留めなくなった。

 しかし、芽衣はずっと学校に来続けた。

 どんなに噂を流布されても、実害が出続けても。

 そんな様子に、とうとう女子達の堪忍袋の緒が切れる。

 ――アイツをめちゃくちゃにしたい。二度と歯向かえないようにしてやりたい。

 そうして、女子達はとあるものを持ち出した。

 一つは、制汗スプレー。もう一つはライター。

 女子達は芽衣を連れ出して、その二つを掲げる。

 

 そして、芽衣が抵抗するまでもないまま、芽衣の顔面にそれらが噴射された。


 湖白は人の悪意に触れた。

 湖白は自分自身の悪意には疎かった。人に捨てられることが悪意だと思わなかったから。

 しかし、芽衣が傷つく様子を見て、なんとも言えない感情に支配された。

 そして、芽衣の顔面に炎が放射されたとき、初めてそれが怒りだと気付いた。

 芽衣を傷つけた、芽衣を救わなかった、芽衣を見放した、そんな奴らへの怒り。

 そして、感情に疎く、芽衣を見ていながらも気づかなかった自分自身への怒り。

 ――丁度、芽衣のおかげで湖白には力がある。今はもうすっかり大人のお姉さんだ。

 だから、この力を、芽衣のために使うのだ。

 湖白はそう、決意した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ