猫攫いのオジイ
石垣島で最も知られる地域猫現場【南ぬ浜町緑地公園】。
サザンゲートブリッジを渡った先にある公園なので、「サザンゲート公園」と呼ばれています。
TNRによって猫の繁殖は抑えられていますが、毎月新たな猫が捨てられるため、滞在する猫の数は常に100を超えており、200近くになる年もあります。
島内では「猫島」とも呼ばれ、猫がたくさんいる場所として知られています。
そんな公園に、猫を攫いに来た老人たちがいました。
軽トラの荷台にキャリーを乗せて来た老人たちは、公園にいる人懐っこい猫を捕まえようとしたのです。
何か危険を感じた猫は暴れ、老人を引っ搔いて逃げました。
その一部始終を目撃していた餌やりボランティアが、不審に思って声をかけました。
軽トラは2台停まっており、その片方の運転手は声をかけられた途端に、慌てて逃げるように発車していなくなりました。
逃げずに残ったもう1台の軽トラの老人は、通報を受けて駆け付けた警察官たちの事情聴取に対し、こう供述したのです。
「ネズミ取り用に猫を捕まえに来た」
老人は牛舎のネズミ退治に使おうと、公園の猫を攫いに来たのでした。
公園では最近、猫が突然いなくなることが増えていたので、他にも余罪があるかもしれません。
警察は老人の住所氏名電話番号等を記録したうえで、公園への出入り禁止を言い渡しました。
南ぬ浜町緑地公園は沖縄県と石垣市が認める地域猫指定区です。
猫たちの避妊去勢手術には、行政の経費が使われています。
飼い主のいない猫であるため、誰かに所有権があるわけではないですが、1頭1頭が行政に登録されています。
猫を引き取るのなら報告が必要ですし、動物愛護の観点から餌を与えずに牛舎の中に閉じ込めるようなことは許されません。
それに、公園の猫たちはネズミなんか捕れません。
毎日決まった時間に餌を貰うことに慣れた飼い猫と同じで、自分で獲物を狩って食べることを知らないのです。
捕まえて牛舎の中に放ったところで、ネズミは1匹も減りませんよ。




