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設定と解説

地球人


西暦2287年。バーナード星系b惑星に未知の鉱物が発見された。

ムビラニウムと命名されたそれは、地球のエネルギー問題を解決することが期待され、50人の採掘部隊が出発した。

片道10年かけてバーナード星系に辿り着いた採掘部隊は、b星に生物、しかも一定水準の科学文明を持った知的生命体が存在したことに驚く。

地球からのあらゆる観測と計算から生命が発生する条件は満たしていないと結論付けていたため、船内のトラブル鎮圧用の最低限の歩兵装備しか持っていなかったのである。

さらにムビラニウムの鉱床付近では発生するエネルギーで重機が動作しなくなる問題も発生し、宇宙服を着て手作業で採掘することを余儀なくされた。

上官に判断を仰ごうにも地球は6光年彼方、かといって何も持たずに帰ることはできない。

採掘部隊は協議の末、採掘を強行。

当初は現地生物との対話を試みたが、相手は音声を認識できず、身振り手振りによるコミュニケーションも失敗。やむなく武力による衝突に至った。

幸い敵の兵器は地球人の宇宙服を貫通するような能力がないため、採掘は順調に進んだ。隊員の1人が作業中に病死し、現地生物に連れ去られるまでは。

なお、世界観の半分くらいが某夢の国製作の興行収入世界一位映画と被るのには後から気付いたことを注記しておく。



惑星コベユスボとレクニピマ


バーナード星系b星と、そこに生息する現地生物の現地生物側の呼称。音による言語は持たないが、彼らの言語を無理矢理文字に起こすとこうなる。

体長は20センチほど。4本足の上に乗った円錐状の胴体に全周を覆う8個の目があり、円錐の頂点に腕がある。腕は1本しかないが、関節が多く柔軟に動き、8本も指があるため手先は器用。

真上から見ると全ての部位が放射状に広がる点対称の形状のため、前後や左右という概念は薄い。また脳や目が胴体内にあること、背後を見るのに首を動かす必要がないことから、頭部という概念は存在しない。

耳がないので、言葉による対話は不可能。仲間同士では身振り手振りや眼球の動きでコミュニケーションを取る。

身体の大部分をメタンとケイ素が構成しており、この2つが地球生物における水と炭素に相当する。地球人が生物が存在しないと断定したのは、地球と同じ構成物質を想定したため。

なお、ケイ素生物は高温環境、メタン生物は低温環境での誕生が想定され、この2つが両立した生物が生まれる可能性は非常に低い。単純な自然発生ではなく、何らかの未知の要因が想像されるが、作者が特に何も考えていないため詳細は謎である。

科学技術は採掘部隊が到着した時点で地球の21世紀末程度の水準を持っており、特に機械工学は非常に優れている。

反面、何か未知のものを空想する文化に乏しく、地球人が来るまでは自分たちの星以外に生物が存在するということを想像したこともなかった。また、他の星の生物は自分たちとは構成物質が違うという考えに至るのも、もう少し時間がかかるだろう。

主な栄養源はムビラニウム。円錐の底の口から摂取する。一般的な鉱床には数十万体が数百年暮らせるムビラニウムが埋まっているため、鉱床の上に都市を作ることが多い。食料を狩猟したり飼育したりする必要がなく、奪い合うこともほとんどない。

そのため同種で戦争をすることもあまりないので、武力面の技術はかなり低い。そもそも惑星にそこまで堅い素材がないので、強い武装を開発する意味もないようだ。

呼吸はするが、吸収するのは酸素ではなく硫黄。そのため惑星コベユスボの酸素濃度は0.2パーセント。なおかつ気圧も非常に低いので、地球人が宇宙服を脱ぐと即死する。

なお、炭素生物を生物と認識しないという設定は、偶然似てたアバ〇ーと異なり、某エロゲ原作のロボットアニメを見て思いついたことは言うまでもない。



ムビラニウム


要はア〇ターのアンオブタニウム。

当初はこの鉱石自体が意志を持って動くこの星の生物という設定だったので、名前はmoving+iumをもじって。



解説


先日、SNSの方で「人型ロボットって普通に最強じゃないの?」という主張を見かけまして。

調べたところ、同意見の人が思いのほかいて、結構驚きました。

もちろん人型ロボットは優秀な踏破能力と汎用性を兼ね備えていて、現代の戦場に突如現れたら驚異的な戦果を上げることでしょう。

ただ、操縦は難しい、整備も大変、身長が高くステルス性は無いに等しいというデメリットを抱えてまで、人型にする必要があるのか。

某アニメでは電波が使えない、有視界戦闘になる、なら背を高くしよう!とのことですが、だったら有線のドローンでも飛ばした方がいい。

脚の踏破能力も多脚戦車でいいし、腕の汎用性も現代よりもうちょっと複雑にアームが動くショベルカーみたいなもので十分。

要は、「人型ロボットは強い」けど、「ロボットが人の形をしていれば強い」わけではなく、「人型ロボットを作れる技術で作った戦車や戦闘機、あるいは未知の人型ではない兵器はもっと強い」ということですね。どうも人型ロボット肯定派の人は、「人型ロボット」と「現代兵器」の2択しか見ていないような気がします。


念の為言っておくと、私はロボットアニメが大好きで、リアリティがないから駄目だなんて批判をするつもりは一切ありません。

「巨人をコピーしたから」「パイロットとのシンクロを高めるため」「螺旋力を発揮するため」などファンタジーな理由付けをしている作品も多いし、そういうのがなくても「かっこいいから」「おもちゃが売れるから」でいいんですよ。

「なぜあの世界の軍隊は人型ロボットばかり作っているのか」という疑問は、「なぜ宇宙で戦ってるのに音が聞こえるのか」「なぜ地球侵略する宇宙人の大半が日本に来るのか」「なぜ名探偵は行く先先で事件に巻き込まれるのか」「なぜありふれた地方高校の生徒が軒並み美男美女なのか」などと同じ、あれこれ理由をつけてもいいけど最後は「うるせー馬鹿」で済ませられる疑問だと思います。某氏の言葉を借りれば、「そこにワンダーはあるのかい」ですね。

ただ、アニメの描写を真に受けすぎて、「現実的に考えても人型ロボットは優秀だ!」なんて言い出す人がいたら、「アーサー王や織田信長は史実でも美少女だったんだ!」なんて言う輩と同じく「落ち着け(気持ちはわかる)」と言いたくなるわけで。


そんなわけで、人型ロボットが最強兵器になる世界はありえない…で片付けるのも勿体ないので、「どういう条件なら人型ロボットが最強になるか」ということを考えた末に思いついたのが本作でした。

ちなみに以前も考えたことがあり、それは私がニコニコ動画に投稿している雑談動画の方で紹介したのですが、それが以下の2つ。


①古代遺跡から見つかる神話時代の巨人が使っていた武器や鎧を活用するため、巨人を模したロボットを作る(∀ガンダムって言われた。わかる)

②異星人の謎の力で全人類が1/10サイズに縮小してしまい、これまで使っていた道具を使うために元のサイズのロボットを作る(ミクロマンって言われた。流石にそれは異議を唱える)


本作のベースになってそうな設定ですが意識したつもりはなく、色々考えても結局似たような結論になるだけです。

即ち、「人型が使っていたアイテム(特に鎧のように体に装着するもの)を使用するなら人型が最適」ということです。スターウォーズの戦闘用ドロイドなんかがそうですね。人と同じ武器を持ち、人と連携して戦うなら人型だと都合がいい。ただ今回は歩兵と同サイズではなく乗り込んで戦う巨大兵器なので、こんな世界観になりました。

逆に言えば「使用するアイテムが強いだけで、人型ロボットが強いわけではない」んですが、私の頭で思いつけるのはこれが限界です。

他には「ルールで人型に制限する」「宗教上の理由」などが考えられますが、それは「強いから人型にする」わけではないですね。


あれこれ設定を考えていたら、できるんじゃないかと思って叙述トリックに挑戦してみたのですがいかがでしょう。騙されてくれましたでしょうか。

「すぐにわかった!」「叙述トリック舐めんな!」「騙そうとした結果変な文になって読みづらい!」「シンプルにつまらん!」「現実的な人型ロボットと言っておいて宇宙人の設定が非現実の塊じゃないか!」などなど、様々なご意見お待ちしておりますのでよければコメントください。


これまでは自身のブログの方で小説を書いておりましたので、よければこちらもお読みください。

評判いい作品はこちらで続きを書いたりリメイクしたりしたいと思っているので、ご意見いただけると幸いです。

http://soranomukoue.blog50.fc2.com/

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