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私が目覚めたとき (1)

初めての投稿なので、誤字脱字があると思います。

初心者なのでどうか優しい目で読んで頂ければ幸いです!

「君には今日僕の、いや、僕達の願いを叶えてもらう。もちろん君には拒否権はない。」


この台詞、何回聞いたことか…。

私は前世からあなたが大好きで仕方なかった。

…さっきまでは。


数時間前


「痛っ…。」

「お嬢様!大丈夫ですか!?」

侍女に髪を結んで貰っている時のことだった。

自分を鏡越しに見つめて眺めていると、急に頭が痛くなったのだ。

「平気よ…。ごめんなさい、髪を結ってくれたら一度外に出て行ってもらえる?」

「かしこまりました。」

そう言うとテキパキと仕事を終わらせ出て行く侍女。

パタン

さっきの痛みで思い出した。

私は前世で乙女ゲームにハマっていたことを。

私が着ている服、部屋全ての物を見回す。

どれもこれも前世のものとは違う。

そしてこの光景見覚えがある。

「…ここってもしかして…、」

白を基調とした部屋。

自分の部屋だけでもテニスコート3つはありそうね。

ベッドは薄っすらとしたピンクを使った綺麗なデザイン。そして、ベランダからの外の景色。

この屋敷から見えるのは大きな王宮。そして神殿。

「…ゲームの世界?」

そう呟いて、慌てて鏡の前に向かった。

「…そんな、嘘でしょ?私、ソフィアなの??!」

ここは私が前世で愛してやまないゲーム、

『ラベンダー色の君に麗しの水を』の世界。

R18禁で、ヒロインの子爵令嬢、メリッサと5人のイケメン攻略対象者達で世界を悪から救っていこう。という、前世で爆発的な人気を引き起こしたゲームであった。それで私が転生したのはこの世界での悪にあたる

公爵令嬢 ソフィア・ナルノージュ。

彼女はウィリアム王太子の婚約者で、ヒロインのメリッサをハチャメチャにいじめて明日の王太子誕生パーティーにて断罪される。

…はずなのだが、

「私自身、メリッサにいじめたことないのよねー。」

というか向こうが毎回勝手に私がいじめた風に攻略対象に1日の出来事を話すのよね…。


あの日は王太子のウィリアム様に。

『ソフィア様が、私の制服を…っ!』

『っ…!なんだこのボロボロの制服は!!ソフィアめ、どれだけメリッサを侮れば…っ!!』

『ウィリアム様!私、1人で教室に戻るのが怖いですっ。』

『あぁ、一緒に戻ろう。そしてソフィアに忠告をせねば。』

自分で勝手にハサミで切ってたくせに。

あの時ははらわたが煮えくり返りそうになったわよ。


その次の日は王太子補佐のオリバー様に。

『オリバー様ぁっ!今日ソフィア様に、 ドゥルートン は相手にとっていい言葉だと教えて貰ったのだけど、 ドゥルートンってどういう意味か教えてくださいっ!』

『…メリッサ、ドゥルートンという言葉は相手を性行為誘うときの言葉だ。だから君は使わない方がいい。』

『…っ!そのような意味だったのですね…。

私、そのような言葉を使う前に聞いてよかったです!』

『ソフィアに言われた言葉は僕に聞くといい。

君に似合う言葉だけを教えて上げるから。』

私、生きてきた中でドゥルートンだけは言葉に出したことないわ。


またある日は弟のジェームズ、そのまたある日は

将軍候補のカルバン様、更に次の日は神官のマイケル様。どこの輩にも私にいじめられた可哀想なヒロインを演じている。


「考えても仕方がない。メリッサが狙ってるエンディングを確認しにいこう。」

攻略対象者の好感度が学園の噴水の吹き方で分かる。

1番弱い噴水だったらマイケルルート。

2番目に弱いとカルバンルート。

3番目が、ジェームズルート。

4番目がオリバールート。

5番目がウィリアムルート。

そして1番強い噴水が逆ハーレムルート。

今はどうなっているのかしら?

ベルを鳴らして侍女を呼ぶ。

「お呼びでしょうか?お嬢様。」

「学園へ忘れ物を取りに行くから馬車を用意してちょうだい。」

「承知致しました。」

流石公爵家に仕える者ね。

仕事が全部早いわ。


「にしても、メリッサのあの行動の仕方、ゲームでもあそこまでじゃなかったのに…。もしかして、彼女も転生者…?」


私はそこまで考えて、考えることをやめた。

すべては学園に行けば分かることよ。


学園にて


「嘘でしょ…?」

私の前にある噴水は1番強い吹き方だった。

逆ハーレムルートにメリッサは入っているのだ。

逆ハーレムルートは通常にしていたら入れないルートだ。彼らに特別なアイテムを使わないと難しい。

逆ハーレムルートでの私の最期はウィリアム様に

断罪された後王宮の地下牢にて拷問を受けて

大衆の前にて死刑を実行される。

罪状は、『未来の王妃である、メリッサを傷つけた罪』とかなんとか、。

「私、そんな馬鹿げた理由で殺されるの?

無罪なのに…?そんなの絶対いやよ!!

あいつらを不幸に落とすまでは死ねない…っ!」

これで確信した。メリッサは転生者なのだと。

その時だった。体の中から何が溢れ出す。

これは何?そう思った時だった。

目の前に青い画面が写し出されたのは。

「な、何?」

そして青い画面に文字が映し出された。

『おめでとうございます。貴方は珍しい貴方だけの魔法を取得されました。その魔法は他人に呪いをかけることができます。』

「呪いって…ただの魔女じゃないの!!」

いや、待てよ…。もしかしたら明日の断罪で使えるかも…??

『何をおっしゃいますか。呪いは言い換えれば祝福。

貴方様の強い味方となるでしょう。使い方は簡単です。心の中で呪いをかける相手と毒りんごを想像するのです。か弱い貴方様でも出来るでしょ?明日さっそく使ってみては?』

「誰がか弱いのよ!」

あいつらが私の不幸を願ってるのは知ってる。

だから私はこの私の魔法であいつらを呪ってやる。

「にしても、貴方、その言い方だと明日起こることを知ってるのね??」

『…………』

青い画面は自然と消えた。

あの画面…。次あったとき責めてやろう。

断罪まで残り27時間、やれることは出来るだけやろう。…あいつらを呪うために。

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― 新着の感想 ―
こんにちは初めまして~ まず第一に異世界恋愛のやつ書ける人って憧れますね笑 自分は普通のハイファンは得意なんですが恋愛だけはイマイチなんですよね(泣) お話がややズレましたが内容もよきでした。特に乙女…
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