表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/52

ヘンテコな集団⑬



「ちなみに情報というのは、あれじゃよ!あれ!!騎士さんが知りたそうな情報をてんこ盛りで教えてあげるのじゃ!!そして、今ならなんと、このワシが直々に手伝ってあげよう!!!ワシ、とっても役に立つぞ。こう見えても、かなーり優秀なのじゃよ?」


 笑顔をはりつけたまま、レイヴンの声はどんどんと高くなっていく。

 彼が焦り始めているのは明らかだった。

 彼はさらに早口で、まくしたてる勢いで話を続けた。


「いいのかなぁ〜?いいのかなぁ〜?こんなにも有能な人材でもある、このワシを殺しちゃても、本当にいいのかなぁ〜?」


 どこかわざとらしく、それでいて挑発的にいうレイヴン。

 その反応に対し、自身から出た言葉は思いのほか、冷静であった。


「…………分かりました」


「おっ!流石、騎士さんじゃ!!ワシの需要性をきちんと理解してくれたのか。嬉しi…『これで何の迷いもなく、殺せそうです』……………………あれ?」


 俺の言葉に、レイヴンはピシリと動きを止めた。


「何故じゃ!?何故なのじゃ!?騎士さんにとっても、凄くいい取引のはずだろう!!それなのに、何故?何処が駄目だったのじゃ?」


「…………あんたの言う通り、レイヴンのような『有能な人材』は、確かに利用価値がある。ですが、それと同時に敵として生かしておくリスクの方が大きい。なので、生け捕りは諦めることにしました」


「なるほど。ワシの魅力度が高かったせいなのか……」


 クラウスは、敵の呑気な言葉に反応しそうになった体を、ぐっと抑え込んだ。

 ここで感情的になれば相手の思う壺だ。

 俺はあえてゆっくりと、言葉を選びながら話した。


「……何より一番の理由は、あんたのふざけた態度も、そのぺらぺらと回る口も、もう二度と見なくて済むこと、それが俺にとっては最大のメリットです……つまり、あんたの命を絶つことで得られる俺の利益の方が大きい」


「うんうん。成程……………ん?」


 そう言って、俺はにっこりと笑みを浮かべた。

迷いが完全に消え去った、清々しいほどの笑顔だった。

 おそらく、ここ最近で一番いい笑顔を浮かべていたことだろう。


 その笑顔を見たレイヴンは、先ほどまでのふざけた態度を一変させ、顔を引き攣らせた。


 もはや、躊躇も、交渉の余地もなくなったのだ。

 彼の笑顔は、この場ですべてを終わらせるという、静かな覚悟に満ちていた。


 怒りや憎しみといった激情ではなく、為すべきことを為すという決意。


 この男を殺す理由は、彼自身の言葉によって完全に揃ってしまったのだ。

 静かな殺意を込めたクラウスの笑顔は、どんな怒号よりも雄弁に物語っていた。



「待て話せば――」


 言葉を遮り、俺は剣に力を込めた。




 その瞬間、側面から伸びてきたもう一つの剣が、俺の剣を受け止めた。


 クラウスもレイヴンも驚きで目を見開く。



「見事な太刀筋だ。だが悪いな、クラウスよ。その剣はいったん収めてほしい」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ