第三話 総理大臣、外務大臣との会談
遅れてすみません。
言い訳になってしまいますが、油田の場所や油質について調べてました。
12月24日 巡視船しきしま 船橋
「帰ってこれたか…」
「えぇ…途中、潜水艦と遭遇した時は驚きましたが…」
彼らは、連合艦隊と共に16日間かけて、日本の佐伯港へ戻って来た。しきしまはここから東京港へ行く事となっている。
「まぁ、ここは我々がいた日本と同じとは言い切れないから、''来た''の方が正しいのかもな。」
「流石に今言わないで下さいよ、先輩」
そんな会話があったかどうかは分からないが、巡視船しきしまは東京港に帰り(又は来て)この時代の総理大臣、近衛文麿と、外務大臣の松岡洋右の会談に臨んでいた。
会談に行かない物は、しきしまから半径1km以内が行動範囲の半舷上陸となっていりが、余り外に行く者はいない。
総理大臣「ではこれより不明艦31…しきしまとの会談を始める…が、貴官達の事を我々は信用出来ていない。山本からの報告は受けているが、そちらの言うスマアトフォン以外に何か証拠になる物を持っていないのか?例えば未来のお金等だ。」
船長は財布を見てからこう言った。
船長「成程、確かに1つだけでは信用出来ないかも知れませんね。今、財布を見てみたところ、財布の中にこんな物が入っていました。」
そう言って総理大臣に渡した物は昭和54年の10円玉だった。
総理大臣「昭和54年⁉︎30年程先の物だ…ふむ。確かにこれなら信用しても良いだろう。」
外務大臣「しかし…これは現代の技術でも作れるのでは無いだろうか?」
総理大臣「いや、だとしても態々作る必要は無いだろう。諸外国もこんな物を作っている暇があれば他の事するだろうし、他国の工作員もこんな嘘をつかないだろうさ。」
船長「分かって頂いて何よりです。」
総理大臣「ところで、貴官らは何故、この時代にやって来たのだ?」
船長「その事ですが…分からないんです。偶然かどうかも分からないのですが、この時代に来た以上、何か出来る事が有ると考えます。」
総理大臣「ほう…出来る事…とは?」
船長「そうですね…日本を戦争で勝たせる事…でしょうか?」
総理大臣「その言い方だと日本が負ける様だが?」
船長「そうです…日本は1945にポツダム宣言を受諾し降伏します…」
総理大臣「そんなまさか。子孫も面白い事を言うのう。」
船長「事実なんです‼︎」
外務大臣「良い加減にしろ‼︎突然現れた癖に未来から来ただの日本が負けるだの…巫山戯るのも大概にしろ‼︎」
船長「事実なんです‼︎」
総理大臣「お互いに落ち着きなさい。そして、山本船長殿。あなたは日本が勝つ為に何をすると言うのですか?」
外務大臣「失礼しました…」
船長「私達には未来の知識が有ります。これは対米戦で非常に有利になるかと。」
総理大臣「ふむ…良いでしょう。明日、陸海軍大臣と会談をして貰います。そこで改善点や知識を教えてもらえると助かります。」
船長「分かりました。それと、あなた方が出来る事ですが…」
総理大臣「なんですか?」
船長「船で考えたので、あまり効果は有るか分かりませんが、ハル・ノートの公開とソ連のスパイの摘発。それと、大慶に有る油田の開発です。」
総理大臣「ふむ、最初の物は外務省の担当になりそうですね。松岡外務大臣?何か意見は有りますか?」
外務大臣「その…確かに、騙し討ちとなってしまったと言う批判は避ける事が出来るかもしれませんが…とりあいず、リークという形でも宜しいでしょうか?スイスのNZZとアメリカのニューヨークタイムズ、日本の朝日新聞に伝えておきます。」
船長「出来ればもっと多くしてほしいのですが…まぁ良いでしょう。それとソ連のスパイは、アメリカにもいるのでリークする際はこちらも宜しくお願いします。」
外務大臣「分かりました…やっておきます。」
総理大臣「残りの2つは…特攻警察と商工省に伝えておきます。しかし、大慶に油田があったとしても近くにある遼河油田と同様で精製が困難なのでは?」
船長「確かに、大慶油田も重質ですね。ですが、浜州にも油田は有ります。そちらは軽質ですから加工しやすいかと。」
総理大臣「そうですか…後程、小林商工大臣に伝えておきます。」
船長「ありがとうございます。」
次回は「しきしまの影響」になります。
5月10日迄には投稿したいですね…