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巡視船しきしま、第二次世界大戦へ抜錨  作者: あおさぎ
海上保安庁
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第二十三話 原子力の目覚め2

山本「海軍から空母瑞勇を譲ってもらったと聞いたんだが…」

磯部「ああ、空母(雀翔と瑞勇)の事ですか。海軍では持て余すでしょうから海保で輸送用に使おうと考え、譲ってもらいました。」

山本「輸送用?空母を使って運ぶものなんてあったか?」

磯部「爆薬です。原爆の完成には暫く時間がかかりそうなのでもう直ぐ始まるガダルカナルの戦いに大量の爆薬を運び船と一緒に爆破する事で原爆に見せかけようかと…イギリスもアメリカも原爆の存在は知っている様ですし大丈夫ですよ。」

山本「そ、そうか…だが爆薬の爆発と核爆発は全然違うものじゃないか?」

磯部「それについてもいろいろ考えてます。」

山本「あ、ああ…分かった。」


雀翔と瑞勇の2隻の空母を譲ってもらった事が判明しても

「部下が艦名を書き忘れた」

と報告する気で

「瑞勇を譲ってもらった」

としか報告していない磯部一等海上保安士と嶋田海軍大臣が情報を隠蔽してしまった為、その説明を信じた山本海上保安長官の話が有った翌日、磯部一等海上保安士はウランの採掘と濃縮、原爆の開発が行われている人形峠から500km北東に位置する佐渡島にやってきていた。


捕まえたタクシーで両津港から海岸沿いに相川町の入崎海岸のあたりまでやってくると少しずつ見えてきた検問所の前で運転手にタクシーを止めてもらった。


「ここまでで良い」


10円札を出してタクシーから降りると、三八式歩兵銃を重そうに持ちながら青い国民服の様な制服を着た海上保安官達が走ってきた。

今後、行政簡素化要項に基づき公務員が減らされる可能性の高い行政機関から引き抜いてきた職員達に銃を持たせて青く染めただけの国民服を着せた即席の海上保安官だからこれまで学校教練以外の訓練を受けた事は無い筈なのに、銃を持ちながら走れるものなのかなんて事を考えながら話しかける。


「作業の様子を見に来た。案内してもらっても良いかな?」

「分かりました。」


そうして三等海上保安士の階級章を付けたまだ若い青年の海上保安官が案内を始める。2隻の空母が浮かんでいる方向へ向けて作られた道にはバラック建の建物や雀翔と瑞勇が鹵獲された時に降ろされたアメリカ製の艦上機が所狭しと置かれている。


「そういえば何故ミッドウェー海戦の時に積んでた零戦を降ろしてグラマン(アメリカ製機)なんて載せるんですか?雀翔を輸送艦にする為に艦内の殆どを格納庫にしろって言う命令は理解出来るのですが航空部長の斉藤閣下(三等海上保安官)も疑問に思っていました。」

「偽装用だよ。偽旗作戦ってやつ?敵地に兵員とか(爆薬や原子爆弾)を運ぶのには多分1番安全だからね」

「なるほど、ですがそれって国際法に違反するのでは…」

「大丈夫。攻撃開始直前には日章旗を掲げる予定だから。」

「そうなんですね。私は拓務省の殖産局から転任して来たもので戦時国際法なんて理解出来ておらず…」

「いやいや、大丈夫だよ。」


そんな事を話していると砂浜の辺りに着いた。磯部一等海上保安士は、全長50m程度の円柱状の物体や雀翔から降ろされてきた金属が乱雑に置かれた中に有る対空偽装の施された小屋を指差しながら口を開いた。


「あそこで原子炉を作っているのかい?」

「ああ、船に積むっていうやつですね。研究者の方達は核分裂で発電するって事を考えてなかったから困ってたらしいのですが『稼働してからは止まらなくて良い』と聞いた時には安心した様な顔をしていましたね。」

「そうか。あの原子炉は絶対に必要だからね。船の完成を楽しみにしてるよ。」

「はい。まあ完成は2年か3年は後になるらしいですけど…」

「仕方ないよ。人類で最初か、2番目かの試みなんだから。それより雀翔の事は例え海上保安長官にすら漏れない様にね。」

「分かりました。」

色々考えてる事は有るんですけど中々小説の中に書き切ることが出来ないですね。

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