第二十話 行政簡素化実施要領1 再編
1942年6月14日 8時頃
山本船長は、澪軍の解体等について総理大臣と話す為、飛行機でパラオに向かいパラオからサイパン島のアスリート飛行場を経由して神奈川県の根岸飛行場に向かう大日本航空の九七式輸送飛行艇に乗り込んだ。
根岸飛行場に降り立った山本船長達は、横浜で一泊した後、東京の内閣総理大臣官舎に向かい総理大臣、東條英機との話を始めた。
船長「お久しぶりです東條閣下。総理大臣就任おめでとうございます。」
総理大臣「ありがとうございます。お会いするのは1月の嶋田海軍大臣との会議以来ですね。それで、今回はどのようなご用件で?」
船長「はい。澪軍の海上保安庁への改組についてです。」
総理大臣「海上保安庁…あなた方が元々所属していた行政機関ですね。」
船長「はい。お願いします。」
総理大臣「現在政府では行政簡素化実施要領という政府機関の統合等を内容とする要領の策定が進められています。その一環として改組を行う事を認めましょう。」
船長「ありがとうございます。では突然時間を頂いてしまったのもありますし私はこれで失礼します。」
船長が退室すると総理大臣、東條英機は
「教養はともかく能力は有るようだが…」
と呟きながら電話を取り、東京憲兵隊長の增岡賢七を呼び出した。
総理大臣「東京憲兵隊で澪軍大臣と空軍大臣を務める山本洋介を監視してほしい。」
憲兵隊長「山本洋介…1月に部下が総理大臣に扮して会議を行なった時には、当時の総理大臣も東條閣下だったのにそれを指摘せずに話を続けた他、『日本が負ける。』等と主張したものの実際に石油やスパイが発見された事から単純に知らなかっただけか、それともディ・キャンプの『もしもの車輪』の様に歴史が変わった結果かのどちらかなので問題ないと判断されたと記憶していますが…」
総理大臣「儂は単純な教養の不足…と言っても今の時代でも1885年の第1次伊藤内閣以来26名の総理大臣全ての名前と在任期間の暗唱を出来るものは少ないだろうがそう思っている。が、今回監視を命令する理由は彼が澪軍を海上保安庁に戻したいと言ってきたからだ。」
憲兵隊長「なるほど、澪軍軍人からの聞き取りでは海上保安庁は『警察みたいなもので軍隊でない。』と言っていたので一種の敵前逃亡の様なものでしょうか。」
総理大臣「その通りだ。だから一応監視を頼む。」
憲兵隊長「分かりました。すぐ監視を始めます。
1942年6月16日
行政簡素化実施要領の閣議決定と同日に施行された海上保安庁官制によって澪軍は解体・再編され拓務省に移管された。
総理大臣との話し合いの後、山本船長には憲兵隊に逮捕されかけて逃げてもらう予定だったんですけど能力が足りなくて書けなかったのが残念です。
一応書き初めの頃から海上保安庁に戻る事は決めてたのでここまで来れて良かったなと思っています。




