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第一話 真珠湾攻撃

海上保安庁が誇る、世界最大級の巡視船「しきしま」

対空レーダーすらも持つヘリコプター搭載型巡視船は、アメリカの沿岸警備隊との演習の為にハワイへ出発した。

しかし、ハワイ沖15km地点、急に全ての通信が遮断され…

目の前で行われていたのは、真珠湾攻撃。

ハワイ島を飛ぶ零式艦上戦闘機の集まり。

その動きはどう見ても真珠湾攻撃だった。

船長「あれは一体……」

航海長「少なくとも、零戦がハワイを攻撃したのは真珠湾攻撃だけだですよね?」

船長「あぁ…その筈だが…なぜ、今になって……」

航海長「分かりません。とにかく、早く戻らなくては!」

そう言って、副長は操舵室へと駆け込んだ。

船長「舵!しっかり取れよ!!」

航海長「了解です。」

レーダー担当「おや?レーダーに反応あり!」

船長「どこだ!?」

レーダー担当「本艦北側…約50km地点です‼︎」

船長「…行ってみよう‼︎」

航海長「しかし船長‼︎もしも本当に真珠湾攻撃だったのならアメリカ艦だったら攻撃されるかもしれません。」

船長「安心しろ、確か日本軍の空母は真珠湾攻撃の時北側にいた筈だ…」

航海長「そうなんですか…ではこの反応は日本艦でしょうか?」

船長「多分そうだろう。よし、確認するぞ!!」

航海長「はい!!」

船長「機関始動‼︎最高速度。方位北方‼︎」

機関長「了解」

そして、しきしまは北へと向かった。


ところ変わって、機動部隊旗艦赤城艦橋

通信兵「山本司令‼︎」

山本五十六「どうしたんだい?」

通信兵「はい、電探が南方45km地点に軽巡洋艦サイズの反応を確認致しました‼︎ハワイから脱出してきたのかと‼︎」

山本五十六「そうですか…第二次攻撃隊から、1機の零戦を確認に向かわせて下さい」

通信兵「分かりました‼︎」


しきしま船橋

レーダー担当「対空レーダーで、機影確認‼︎数1‼︎」

船長「方角は?どちらから来ている?」

レーダー担当「北側からです‼︎」

船長「なら…日本軍機と考えるべきだろう。それも偵察機だ…」

航海長「しかし…我々はこの時代の日本で…いや、この世界の日本ですらないかもしれないんです。それなのに味方と断定するのは…」

船長「大丈夫だ。信じてくれ」

航海長「しかし…」

船長「大丈夫だ。魚雷等が落とされるまでは攻撃するな」

対空攻撃担当「了解しました。」

船長「それから、日本軍機だった場合、そちらの船長と話をしたいと送ってくれ。当時の無線でな。発光信号でもだ。」

通信長「了解しました。」


偵察隊隊長機

乗員「あれか?巡洋艦というのは…白いな…Japan Coast Guard…?……日本沿岸警備隊?…とりあえず連絡をしておこう」

乗員「こちら、赤城航空隊18番機。不明艦は日本沿岸警備隊を名乗る白い巡洋艦…いや、武器も殆ど見当たらない。しきしまと書いてあるが艦名だと思われる…あっ、発光信号が送られてきました‼︎えーと、コ・チ・ラ・シ・キ・シ・マ・ワ・レ・キ・カ・ン・セ・ン・チ・ヨ・ウ・ト・ノ・カ・イ・ダ・ン・ヲ・ノ・ゾ・ム…との事。指示をこう。」(モールス信号)

通信兵「少し待たれよ」(モールス信号)

乗員「了解」(モールス信号)

通信兵「………帰還せよ。これより我々は不審船へ近づく。」(モールス信号)

乗員「了解」(モールス信号)


機動部隊旗艦赤城艦橋

通信兵「山本司令‼︎」

山本五十六「入っていいよ。先程の不明艦のことかい?」

通信兵「はい‼︎その不明艦ですが、しきしまという艦名のようです。又、艦に日本沿岸警備隊と書かれておりましたが、アメリカの偽装艦では無いのでしょうか?そのしきしまはこの船との会談を望むとの事です。」

山本五十六「そうですか…よし、私は阿武隈に乗ってその船に行きます。念の為、浦風も護衛につけて下さい。」

通信兵「しかし‼︎仮にアメリカの偽装艦だった場合…」

山本五十六「大丈夫です。もしも偽装艦だとしたら、もっと良い嘘をつくでしょう。」

通信兵「しかし…」

山本五十六「安心してください。必ず帰ってきますから。」

通信兵「はい…」

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