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78波_魔力量と年齢

 その後は、人数が多いだけで、やる事は普段とあんまり変わらなかった。だってダンジョンの中には、町の中かな? っていう感じの場所もあるから。

 とはいえ……それでも逃げ遅れた人や、間に合わないって判断して家に立て籠もった人。逃げようとして転んだり迷ったりして隠れていた人。そういう人を見つけて避難所に送り届けるのは、ちょっと大変だった。

 ただ、僕がついていった人達には、何度も感謝されたけど。ほら、パペットがいると、広域探査って言うのかな。広い範囲を調べて、どこにモンスターがいるかっていうのが分かるから。戦闘音で。


「不意打ちを防げるだけでもだいぶ違う」

「人海戦術だけど、実際出来るかどうかは別の話だし」

「俺らもパペットは召喚できるけど、メインの召喚獣に魔力使うからなー」

「あ、あはは……役に立ててるなら、良かったです」


 まぁつまり、数を召喚して、手分けして路地を移動させて、モンスターに襲われたらそこに一緒にいる人達が急行して。人を見つけたらパペットが集まって外に出てきてもらって。そういう事をしてた。パペットはモンスターとして出てこないから。つまり、絶対に召喚獣だって事。

 それでも、オーバーフロウはかなりの規模になっているみたいだった。町を2つ、村を3つ、かな。それだけ回って、中に入り込んだモンスターを倒して。避難誘導して。それでも見つけたダンジョンは、1つだけだった。

 育扉市は、広い。その内オーバーフロウの条件を満たしたダンジョンは、97個。百個近いとはいえ、育扉市全体のどこか、ってなると、やっぱり移動時間は長くなるし、探す範囲は広くなる。


「ダメだ、魔力持たん。休憩するぞ」

「おけ、他と連絡とっとく」

「まだモンスターいるから、どっかにオーバーフロウ起こしたダンジョンがある筈なんだけど……」

「……ダンジョンって、でも、ダンジョン広場とかにある筈ですよね? 地図だと、どっちですか?」

「この周り、直径1kmの範囲だけで何十個もあるんだこれが」

「手分けしてても手が足りんし、そのまま攻略はまだちょっとキツい」


 特に、僕も含めて乗せてもらってる、大きな召喚獣の召喚主の人が厳しそうだった。もちろん、他の人も楽々って訳ではなさそうなんだけど。むしろ、最初と変わらないのは僕ぐらいなんだけど。

 とはいえ、僕もパペットで探索するにはちょっと広い。出来なくはないだろうけど、魔力の回復を待った方が早い。だってパペットは、移動する速さ自体は人間と変わらないから。

 ……もちろん、それこそ、わたげに乗せてもらうか。わたげにモンスターを探してもらえば別なんだろうけど。クリアストーンを回収する為のパペットぐらいなら運べるだろうし。というか、わたげがクリアストーンを持って出てきて、パペットに渡せばいいんだし。


「しかし鈴木君は元気だな……」

「これが若さ……?」

「だから魔女の弟子になれたんか……」

「……。ちなみに鈴木君、何か問題があったらいい弁護士紹介するけど」

「労働基準法……」

「……あの、その、僕、15歳ですけど」


 なんて考えたら、そんな声をかけられた。弁護士、労働基準法……と、思って、籠家さんと木透さんの反応を思い出して、思わずそう返したんだけど。

 どうしてそこで、皆して目を逸らすんだろうね……? 僕ってそんなに子供に見える……? 具体的には小学生に見えるの……?

 何なら来年から高校生なんだけどな……? 実際高校に行けるかっていうのは怪しいし、中学校も通えたって言っていいのかは分からないけど、でもあの、一応は籠家さんと2つしか違わないからね……?


「労働基準法の年少者は満18歳未満だから、鈴木君は圏内。大丈夫」

「マジであの魔女に無茶させられてるなら逃げるんだぞ」

「…………籠家さん、僕の2つ上ですけど……」


 あ。

 誰も動かなくなっちゃった。

 ……まぁ、そうか。籠家さん今17歳って事は、「緋薔薇の魔女」として有名になったのは3年前だから、14歳……。

 …………あれ? それってこう、ダメなんじゃない?


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