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7波_探索者として一番必要なもの

「それでは! 探索者としてのメインイベントである、召喚獣の召喚について説明を開始します!」

「は、はいっ!」

「んー良い返事です! そもそも召喚獣とは何でしょうか鈴木君!」

「あっ、えっと、ダンジョンを探索する為に、ダンジョンの神様が用意してくれた、探索者のパートナーです!」

「その通り!」

「まぁ例外は居るけどな」

「えっ」

「本当に極一部でこの籠家さんは普通より召喚獣を大事にする人なので大丈夫ですよ!」

「だから何で私がちょいちょい話に出てくるんだ。あといい加減腕が痛い」

「まあまあまあ」


 メインイベント、と言ったが、まぁ大体間違ってない。自分の意思で探索者になりに来る人間は一定数いるし、彼らの目当ては半分くらい召喚獣……ゲームやマンガといったファンタジー作品に出てくる、人外の仲間だ。

 差を分かりやすくさせる為か、敵として出てくるモンスターは恐ろしさと凶悪さが強調され、召喚獣として出てくる時には可愛さもしくは格好良さと美しさが強調された姿となっている。召喚獣とモンスターで同じ相手が戦う事もあるが、間違って攻撃したという話は聞いたことがない。

 そんな召喚獣は、召喚石というアイテムを消費する事で増やすことが出来る。ただしこれは本人の素質と適性によって最もふさわしい相手が選ばれる、という名のランダムであり、その召喚石自体もかなり貴重品だ。


「それに、あまり召喚獣を増やし過ぎても管理しきれませんからね。召喚獣を増やすと、いつでも呼び出せる代わりに常に魔力を消費するようになりますから、自滅しちゃいます」

「例外はパペットだな。あれの維持魔力は初心者であっても誤差だ」

「ごさ」

「コストの低さが唯一にして最大の特徴であり利点ですからね!」


 召喚石の入手方法だが、確実に手に入るのは、1人につき1度、一番最初に攻略したダンジョンのクリアストーンを探索者ギルドに提出した時だけだ。後は全て確率が絡む為、この召喚石は「初心者石」とも呼ばれる。

 一時、その気の無い人間を連れてきてダンジョンを攻略させ、「初心者石」をそれなりの金額で買い取って楽に召喚獣を増やす方法が流行ったりもしたが、割と下界を見ているらしい神によって召喚石は手に入れた本人でなければ使えなくなった為に廃れた。


「あれ? でも、パペットは誰でも使えるんですよね?」

「そうですね! ただ、パペットは召喚獣の中でも基礎の基礎というかー……まぁ、神様の慈悲になるんでしょうか。新しく探索者ギルドに登録して探索者になった人には、探索者証と共に、確実にパペットを召喚できる召喚石を渡す決まりになってるんです」

「でないと、最初のダンジョンが攻略できないからな」

「あっ」

「元々は先輩のレクチャーを受けながら、先輩の召喚獣が攻略していく様子を見て攻略の基礎を学んで、そこから召喚、だったんですけど。よろしくない人達がいたので、自分で手に入れた召喚石しか使えなくなったんですよね」

「あー……」


 ちなみに召喚獣にもランクというものがあって、これは探索者のランクと同じ、一番下がブラック(黒)で、上がっていくにつれ明るくなっていく色で表される。

 パペット? ホワイト(白)だよ。登録しただけの初心者と一緒だ。


「ちなみに召喚石はいつでもどこでも使えますが、大きい召喚獣が来る場合もあるので、出来るだけ広くて頑丈な場所で召喚した方がいいです! といってもダンジョンの中でしか召喚できないので、攻略準備室か、探索者ギルドにある召喚部屋を利用して下さいね!」

「こうりゃく……じゅんびしつ、ですか?」

「ダンジョンを攻略する時にまず入って、召喚主である探索者が待機する部屋の事ですね! ここで召喚獣を召喚して、様子を見ながら指示を出したりして奥へと進んでもらうんです! 詳しくは籠家さんにどうぞ!」

「だからなんで私だ。新人の付き添いなら「ライン」の方がいいに決まってるだろ」

「まあまあそんな事を言わずにこれも巡り合わせだと思って!」


 痛い痛い。腕の感覚がなくなる。いつも強引だが、ほんとに今回は強引さがすごいな? どうした木透さん。なんかあったのか。


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