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6波_ダンジョンの探し方と潜り方

「……あれ?」

「はい、何でしょうか鈴木君!」

「ひゃっ! あ、え、えっと……ダンジョンの、難易度を測定してから、場所を確定する、んですか? 逆なんじゃ……?」

「いえ、合ってますよ。えーと、鈴木君はこのダンジョン特区もとい育扉市にどうやってダンジョンが出現するかは……まぁ知りませんよね! もちろん教えますとも!」

「あっ、えっと、お、お願いします……」


 まぁ特殊だからな、色々あったからとはいえ。


「ダンジョンはこちらから見た時、扉の形をしています! そして扉そのもの、あるいは扉の枠がある場所に出現するのですが、出現しただけでは突入する事は出来ません」

「出来ないんですか?」

「ダメなんです! どうやらダンジョンの神様によれば、探索者が専用の道具を使い、難易度を測定する事で初めて存在が固定されるとか何とか。まぁつまり、難易度を測定しないと挑めるようにならず、挑めないダンジョンは探索者ギルドとしてはダンジョンにカウントしませんので、難易度測定からの場所確定、となります!」

「まぁ測定器もその精度は上から下まであるけどな」

「どれもダンジョンに挑めるようにするだけなら一緒ですけど、やっぱり事前情報は必要ですからね! 探索者ギルドでは出来るだけ精度の高い測定器の使用を推奨しています!」


 だから探索者用に、扉の枠だけがたくさん設置された広場のようなものを探索者ギルドは作っていたりする。なので、大半の探索者はそこでダンジョンに挑んでいる筈だ。

 そういう理由で、育扉市には空き家がほとんどない。もし空き家があったら、そこの扉がダンジョンになってても気付けないからな。まぁ今はダンジョンが出現しても、測定せずに放置しておけばいずれ消えるんだけど。


「な、なるほど……。でもそうなると、うっかり難易度の高いダンジョンを測定しちゃったら、どうすればいいんですか?」

「探索者ギルドに測定結果を持ち込んでくれればオッケーです! 測定器には位置情報を記録する機能がありますし、その為の探索者ギルドですからね! ダンジョンの攻略依頼として、あそこに張り出されているのがそうです!」

「絶対になんとかしないといけない訳じゃないんですね」

「それはそうですよー。それと、クリアストーンを見つけるまでなら何度引き返しても、何なら攻略を諦めても大丈夫です! ダンジョンの難易度が上がるのは、クリアストーンを「見つけて」放置した場合だけですから!」

「えっ、そうなんですか?」


 基準がよく分からないが、そうなんだよな。クリアストーンを見つけるまでなら何度撤退してやり直して攻略メンバーを入れ替えても問題ないが、一度クリアストーンを見つけると絶対に持ち帰らなければならない。

 ……まぁ、クリアストーンを内部に放置してダンジョンが厄介になるまでも、そこそこ時間はある。それに、「もうすぐクリアストーンが見つかる」目印はあってかなり分かりやすいから、その直前で一度撤退するのは十分に有りだ。

 今ならクリアストーンを運搬する事に特化した探索者もいるから、そっちに依頼を出すという方法もある。クリアストーンに限らず、お宝を見つけて持って帰れそうになかったら、利益が目減りしても協力者を募って大人数で向かった方がいい。たまに罠もあるが。


「残念ながら、そのお宝や報酬の事でモメるのもよくある事なんですけど。鈴木君も、実力がないくせに文句を言う口だけは達者な大人や、他の人に負担を押し付ける事ばかりが上手な大人には気を付けて下さいね!」

「はっ、はいぃ……」


 ところでそろそろ帰っていいか。帰っていいよな。だから腕を放してくれないか木透さん。


「もー! まだ召喚獣の召喚っていう最大のイベントについて説明してないじゃないですか!」

「それこそ私は関係ないだろう……」

「最初の召喚石を取りに行くのは先輩探索者の同伴が必要なんですよ!」

「やらないが!?」

「えっ……」


 おい待て。何故そこで鈴木君が捨てると言われた子犬のような顔をするんだ。少し待てば他の探索者も来るだろうし、そっちの方が明らかに適役だから言ってるんだが。


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