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5波_探索者の目的と報酬について

「えー、なので、探索者というのは! ダンジョンを探して難易度を測定し場所を特定! 自分の実力に合わせたダンジョンを見つけては踏み込み! 各種お宝を回収しつつモンスターと戦って召喚獣を鍛え! クリアストーンを持ち帰るのが基本の行動となります!」


 しばらく問答した末に、ちょっとやけっぱちっぽくそう木透さんはまとめた。その通りだな。雑に言うとそうなる。そこに絡む要素が色々ある訳だが。

 そしてそのまとめに何度か頷き、はい、と控えめに鈴木君が手を上げた。


「あの……それだと、換金用はともかく、消耗品とか、装備ってどうやって使うんですか……?」

「良い質問です! はい籠家さん!」

「私に説明義務はない」

「うーんこの。そうですねー。それでは鈴木君!」

「はいっ!?」

「例えばこの籠家さんですが、彼女を見て下さい」

「勝手に教材にするな」

「いいじゃないですかそこにいるんですから」

「腕を放してくれれば今すぐにでも帰るんだが?」

「はははーまあまあ」


 そう。相変わらず私の腕は掴まれたままだ。

 その会話に私へと視線を向けた鈴木君がおろおろしているが、木透さんは構わずに言葉を続けた。


「装備と消耗品に関しては、探索者のスタイルというものが大きく関与してきます! スタイルというのはあれです。召喚主である探索者の側で、どういう補正や補助を召喚獣にかけるかというものです!」

「えっ、召喚獣に?」

「はい! 籠家さんは純魔と呼ばれるタイプですね。その名の通り、魔法関係の装備品で全身を固めています。ちなみに、全身を同じ系統の装備でまとめるのは結構難しいです」

「そうなんですね……!」

「数をこなせばいずれ揃うし、先達からのお下がりやらを活用すれば意外と難易度は低い。そもそも探索者ギルドが装備の買取をするのは、後で販売する為だ」

「そ、そうなんですね……」


 株が上がった気配がしたので即座に下げておく。本当の事だ。そういう探索者同士の相互協力の為に探索者ギルドという組織は存在するんだからな。

 なお装備と消耗品は、召喚主である探索者が使うものと、召喚獣が使うものに分かれている。例えば手に持った状態で召喚する事で、召喚獣の早さや体力が上がる杖は前者、飲む事で傷を治す水薬は後者だ。

 ちなみに召喚獣用の消耗品を人間が使っても効果はない。そうでなければ、換金用アイテムの価値が下がるどころじゃないからな。


「……? 何で、換金用アイテムがダメになっちゃうんですか?」

「人間っていうのは、健康と美容と長寿の為なら、いくらでも金を出せるからだよ」

「どっちかというと、薬の価値が跳ね上がると言った方が正しいですねー。聞いた事ないですか? お金持ちが必死になって若返りの薬を求める感じの話」

「あ、あー、あー……」


 こくこくこく、と頷く鈴木君。つまりそういう事だ。


「ちなみに、高難易度のダンジョンには時々、換金用と鑑定結果の出る薬が出る」

「…………あっ。人間にも効くやつですか?」

「そのとーり!! 今の所、一番高いのは「1週間とても健康に良い生活をした」状態になる薬ですね!」

「えっ?」


 それだけ? という顔をする鈴木君だが……まぁ、底なしの体力を持つ少年には不要だろうな。そもそも今の時点でとても健康的な生活を送ってるんだろうし。それぐらいの効果なら、たぶん誤差にもならない。


「まぁともかく! 使って良し手元に置いて良し売って良し、それがダンジョンにあるお宝です! あくまでメインにして絶対持ち帰ってもらわないと大変な事になるのはクリアストーンですが、それ以外も持って帰れるだけ持って帰った方がいいですよ!」

「まぁ帰りにもモンスターは出るから、あんまり荷物が多いと対処できなくて全滅したりするんだけどな。手は塞がるし重さで動きは鈍るし、あと換金用アイテムはとても目立つ。クリアストーン含めて」

「ひぇ……えっ、クリアストーンって換金用なんですか?」

「そうだぞ」

「探索者にも召喚獣にも使えない、けれど価値があるものはとりあえず換金用とカテゴライズされてますねー」

「そ、そうなんですね……」


 ただの石とか鉄くずとか、そういう外れが少ないのは助かるんだけどな。少ないだけであるっていうのは別の話だし、3級以下のダンジョンだとモンスターの素材の方が価値があったりするけど。


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