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43波_本戦と召喚獣の基本ルール

 1試合の制限時間は30分。

 特殊詠唱による複数召喚はあり。ただし、召喚回数は3回まで。

 召喚回数とは【サモン:】の呪文の回数。

 召喚できる召喚獣が全滅した時点で敗北。

 全滅には各種状態異常による行動不能も含まれる。

 召喚主は基本的に待機場所にいる事。

 待機場所にいる召喚主への直接攻撃は禁止。

 待機場所にいる召喚主を攻撃に巻き込んだ場合、反則負け。

 召喚主のスキル行使は1試合に1度まで。

 ただし、待機場所を出た場合は制限なし。

 待機場所の外でスキルを行使した場合、待機場所には戻れない。

 アイテムボックス内部のアイテムは使用できない。

 試合中に使ったアイテムは補填されない。

 一部アイテムは使用禁止。使った時点で反則負け。

 試合中の装備変更は召喚獣と召喚主でそれぞれ1度まで。



 ……という本戦のルールを、僕は改めて木透さんから聞いていた。何故か部屋の隅っこで。

 そしてちょっと圧も感じながら、壁を背中に座っている木透さんだけを見ている。……後ろで何か、門崎さんが指示を出しながら何かしてるんだけど、何も見れてないし見てない。

 うん。何だろうね。「追加防護壁」とか「防衛設備」とか。たれっとって何? 電磁網とか対人トリモチとか聞こえたけど、何の事? 門崎さんは何をしているの???


「という訳で、基本的なルールはこんな感じですね! 他にも細かいところはありますけど、その辺は審判という名の神様の匙加減1つだったりその場の勢いや空気が関係したりするので!」

「えっ。神様が審判なんですか?」

「一番公平で確実ですからね! 召喚獣同士の戦いだと、時々人では目で追う事も出来なくなりますから! その辺神様なら大丈夫なので!」

「な、なるほど……?」


 そしていつもよりにこにこ度合いが高い気がする笑顔の木透さん。もしかしなくても、壁際に座って僕に話し続けてるの、僕が振り返らないようにする為だよね……? この部屋、そんなに怖い事になってるの……?

 観戦ってなんだっけ……。って思ってたら、隅っこにいたからすぐ右側になっていた壁が、突然ただの壁から映像に切り替わった。驚く前に、わぁ!! ってすごい歓声が聞こえる。び、び、びっくりしたぁ……。


「おっと、第一試合が始まったみたいですね。あっ!? 鈴木君鈴木君、籠家さんですよ!」

「えっ」

「門崎さん、この映像ってここから見やすい大きさに出来ますか!?」

「出来るわよー」


 でもこれじゃ見えないな、って思う前に木透さんが門崎さんに声をかけて、僕と木透さんが向かい合っているテーブルの真横に、全体が良く見える大きさの枠に入った映像が出てきた。周りにはまだ周りの映像が見えてるから、こう、ちっちゃい枠が出てる感じなんだと思う。

 ……。そんなに僕に部屋を見せたくないのかな? と思ったけど、籠家さんがいるなら見たい。向かって右側ですね! と木透さんに言われて、高さのある観客席に囲まれた、丸い舞台の右側を見た。


「……あの、木透さん。籠家さん、ギルド推奨っていう服のままじゃ……?」

「そう、みたいですね……」


 ただ。籠家さんはこの大舞台でも、門環町に来た時と同じ格好だった。どうして? いや確かに、探索者向けっていう服だし、籠家さんが普通に着れてるんだから、対魔力って意味でも丈夫なんだろうけど……。

 というかここまで来たらむしろ、人の多いところであの魔女っぽい服を着たくないんじゃ……? なんて僕が思っていると、籠家さんに誰かが近づいて行っていた。そのまま何か短く話をして、立ち去っていく。


「あれは神様のお使いですね」

「えっ?」

「たまにあるみたいですよ。珍しい装備を持っていたり、珍しい召喚獣がいたりすると。神様側から「出来ればこの大会の間に使ってほしいな」っていうお願いが」

「えぇ……」

「まー手札を伏せておきたい人もいますからね! その辺ちゃんと釘を刺してくれるっていうのは、見る側からするとありがたいんですよ!」


 ……いいのかなぁ、それ。

 って思うのは、僕もわたげを隠してるからなんだろうなぁ……。確かに、切り札も全部使って全力、っていう方が、格好いいし盛り上がるのは、僕だって漫画とか大好きだから分かるんだけど……。

 でも。


「って事は……籠家さんも何か、切り札があるって事、ですか?」


 でも、確か。籠家さん、パペット以外は持ってないって言ってたんだよね。

 実際僕も、何度も一緒にダンジョンを攻略したけど、パペット以外を召喚してるのは見た事が無い。

 もちろん僕に合わせてただけで、他に召喚獣がいないっていうのは、嘘だったのかも知れないけど……。


「切り札というか、パペットはパペットだと思いますよ?」

「えっ」


 と、思ってたら、木透さんがそんな事を言ってきた。え? パペットなの?


「ただ……そうですねー。鈴木君!」

「は、はい」

「パペットは人型です! そして最初、初心者への講習として色々教えた時、人型モンスターには「何に」注意した方が良い、って私は言ったでしょうか!」

「へっ?」


 なんて思っていたら、木透さんが突然クイズを出してきた。

 最初、最初……人型モンスターを相手にする時に、気を付ける事。そう。確か、人型と獣型に分かれてるっていう話だった。

 その後も時々、籠家さんから復習するみたいに聞かれてたから……人型モンスターを相手にする時、気をつけなきゃいけないのは。


「装備と、スキルと……職業?」

「その通り! そしてパペットは、人型に属します!」


 それでも何が、神様に声をかけられる程の事なのか分からない僕の前で、木透さんは、つまり! と挟んで、こう言った。


「パペットだって、職業を得る事が出来るのです!!」


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