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4波_まだ続く基礎説明

「えっと……つまり、ダンジョンは数字が大きい程難しくて、色が明るくて、強い召喚獣を連れてる方が強い人、って事ですか?」

「一部例外を除くとそうですね!」

「一部例外は考えなくていい」


 木透さんは息を切らしかけてでも私を逃がすつもりが無いらしく、流石に腕の感覚がなくなる程掴まれ続けるのは辛いので、仕方なく諦めた。一緒に話を聞く以上の事はしないからな。やらないからな?


「次はモンスターと召喚獣についてですが、それは自分のペースで図鑑を見てもらった方が良いと思うので割愛! 人型と獣型に大別されて、人型は装備とスキル、そして職業に注意! 獣型は身体能力と特殊能力に注意って感じです!」

「……あの、スキルって何ですか?」

「何でしょうか籠家さん!」

「説明を放棄しない」

「ちぇー。コホン。簡単に言うと、魔法の事ですね。技名や詠唱をして、属性を纏った攻撃をする事が出来ます! 傷を治したり鍵を開けたりするスキルもあるので、何かよく分からないけど色々な事が出来ると思ってもらえれば」


 まぁ、ゲームみたいな動作や効果は全部スキルだと思っていればいい。実際今も何でそうなるのかはよく分かってないしな。ダンジョンと一緒に、ダンジョン内部限定で使えるようになったものだから。

 特殊能力もスキルみたいなものだが、発声の必要がないっていうのが一番大きな違い、とされている。体感的にはほぼ同じものだ。それに人型であっても、職業によって使える特殊能力があるし。後は、召喚そのものがスキルともいえるかも知れない。


「そしてアイテムですが、これは3種類に大別できます。すなわち、装備、消耗品、換金品です! このうち換金品の代表格がクリアストーンですね。攻略報告には絶対必要ですので、他の何を諦めてもこれだけは持って帰ってきてください!」

「ほ、他の何を諦めても、ですか?」

「はい! 例えば強力な効果が付いた剣とか、すごい魔法が使える杖とか、金貨の山とか、ダンジョンの中には色んなお宝があります。でも一番重要なのはクリアストーンです! これだけは絶対に持って帰ってきてください!」


 クリアストーンは、正八面体をしたキラキラ光る石だ。どう頑張っても目立つし見逃すことは無い筈なんだが、何故ここまでしつこいぐらいに念を押すかと言うと。


「持って帰らず放置すると、ダンジョンの等級が最低3は上がった上で内部がリセットされるからな」

「えっ」

「たまにあるんですよねー。ちょっと実力がついてきた探索者さんが、等級の低いダンジョンを攻略して、欲を出してクリアストーンを放置するって事例が……!」

「今の最高難易度である10級は自然発生しないからな。自然発生するのは7級までだ」

「えっ!? え、えっ、じゃあ、それ以上ってまさか」

「元、3級から4級のダンジョンを放置して発生した、通称ランクアップダンジョンがほとんどですね! たまにクリアストーンを見つけたところで召喚獣が全滅した、という不幸な事故もあるにはあるんですけど」

「事故ならともかく、わざとやったら一発で探索者資格剥奪な」

「ひぇぇ……」


 と、いう事情があったりする。まぁ放置して困った事になるのはダンジョンの中だけの話なので、ダンジョンの外ならいくら放置していても大丈夫だ。そうでなければ、クリアストーンをコレクションする、何てことは不可能だし。

 何故3級か4級かというと、それぐらいのダンジョンを順調にクリアできるようになったぐらいが一番油断というか、慢心するからだ。それ以下ならまだ新人で自分を信じられていないし、それ以上なら高難易度ダンジョンの恐ろしさを分かっているから。


「……あれ? えっと、こ、こもり……さん? は、ブラックなのに7級以上のダンジョンの攻略をお願いされてませんでした……?」

「よくぞ聞いてくれました! こちらにいる籠家さんこそが一部例外の代表格! その実力は大変と高いのに人間関係と利権関係のしがらみを嫌って隠遁している隠れた実力者なのです!」

「聞かなくていいぞ。ブラックのすぐ上、パープルの昇級試験に落ちたのは本当だから。召喚獣もパペット以外はいないし」

「えっ、召喚獣って何体も持てるんですか?」

「木透さーん、説明が途中だけどー?」

「籠家さんについて語らせてください!!」

「止めて」


 無駄に力強い声と共に、また腕をつかむ手に力が入れられた。あーもう、ようやく指先の感覚が戻り始めてたのに。


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