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37波_新衣装(装備)入手とドロップ運

「わぁ……!」

「どう、このシエルさん渾身の力作。これから成長期って事だからかなり大きめに作ったけど、邪魔にならないでしょう?」

「はい!」


 そこから1時間ぐらい、ついでだからと今まで遭遇したモンスターや罠についての復習や、パペットでも使える魔法の道具について籠家さんと話……というより授業かな……? をしてたら、「出来たわよ!!」と門崎さんが戻って来た。

 で、そのまま着替えさせられそうになったのを、何とか声を上げて籠家さんにも止めてもらって、隣の部屋で着替える。下着もセットだったのはちょっと恥ずかしいけど、流石に全部門崎さんが作ったって訳じゃない、筈……たぶん……。



 そ、それはともかく。僕の新しい服(装備)は、見た目は魔法使いのローブって言ったらいいかな。上下に分かれてるけど腕も足もすごくゆったりしてて、お腹の所に幅の広いベルトを巻いて、そこでぎゅっと締める形になってる。

 その上から、幅が広くて大きな襟の付いたマントを羽織らせてもらった。お尻の下ぐらいまでかな? 靴は膝下まであるブーツってやつで紐がいっぱいついてたけど、これは一番上だけを触ればいいみたい。

 色は全部明るい灰色。靴の紐だけは白い。それで、見た感じはばさばさしそうな感じだったけど、すごく動きやすい。足元はブーツで締めてるけど、布が分厚いからそんなに痛くないし。



 袖も手の方からひじの所までが分厚い。これ、もしかして、この布の分だけ伸ばせるって事、かな? 僕の身長が伸びても着れるように? すごいなぁ。あ、だからゆったりしてるのかな? 腕とか足とか、筋肉がついたら太くなるから。

 でもそんな風に、大きくなってからも着れる工夫がされていても、今の僕が着てちゃんと動けるって、すごい。養護院で、上の子のお下がりを着た時と全然違う。すごい。動きやすい。破れないし引っ張られない。すごい。


「喜んでもらえて何よりよ! ……ところで鈴ちゃん、流石に喜びすぎな気がするのだけど?」

「私じゃない。その前だ」

「……あぁ、なるほど。苗字ね」

「そういう事だ」


 鏡まで出してもらって、その前でくるくる回ったりしながら着心地とかを聞かれている後ろで門崎さんと籠家さんが何か話していたみたいだけど、僕には聞こえなかったんだよね。なんだったんだろう。

 あっ、もちろん杖も作って貰えた。触った感じは金属なんだけど、色は服と同じ明るい灰色。今まで使ってたのより少しだけ長くて、その分細くて、でも軽い。大体全部同じ太さだけど、先だけちょっと太くなってて、そこに透明な水晶がくっつけられてた。

 ベルトには杖を下げられる場所もあって、もちろんだけどぴったりだった。杖をベルトに下げててもこすったりしないみたい。わぁ。すごい。あれ?


「何か、ベルトに下げる場所が、いっぱいある……?」

「それはそうよー。だって召喚用の杖でしょ? マジックバックでしょ? 防犯グッズに護身グッズ、すぐ手に取れるところに用意しておけるものは多い方がいいわよ!」

「ぼ、防犯グッズに護身グッズ……?」

「私だって魔法の杖をベルトに並べてるから、そういうのだ」

「あ、あぁー」


 そう言えばそうだった。もう見慣れちゃったけど、籠家さんは普段から何本も杖を持ち歩いてるんだった。確か杖によっては召喚した時、召喚獣に特別な効果がつけられるとかで、場合によって使い分けるって教えてもらったんだった。そっかぁ。

 僕の運が悪いのか、それとも籠家さんの運がいいのか、もしくは籠家さんがとんでもない数のダンジョンを攻略してきただけか、まだそういう特別な杖どころか、アイテムバックも僕は持ってない。

 でも、そっか。やっぱり、アイテムバックはまぁ当然として、他の杖っていうのは必要なんだ。もちろん、振るだけで効果がある魔法の杖まで持たなきゃいけないのかは別、だと思うけど。


「そこまで杖ばっかりなのは鈴ちゃんぐらいだけどね? お守りぐらい持ってもいいと思うのよ。事故防止のお守りとかなら、少なくとも育扉市の中では間違いなく効果が出るんだし」

「盗難防止のお守りを持ってても、お守りそのものには効果が出ない、とかいう落とし穴が無ければもうちょっと素直につけるんだけどな」

「んもう! ひねくれちゃって!」


 お守り。……話は聞いたことがあるなぁ。ダンジョンから見つかる事があって、色んな効果があるんだって。中には宝箱が出やすくなるとか、いいものが出やすくなるとかって効果のお守りもあるらしいけど、ものすごい値段で取引されてるらしい。もちろん僕は見つけた事がない。

 こういう話を聞くたびに思うのは、うん。僕はたぶん、わたげを召喚出来たって事で、その辺の運を一旦使い切ったんじゃないかなって。もちろん、一切後悔はしてないんだけど。


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