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幕間 SさんHさん。からの本命へ

「自己嫌悪がー止まらないー。どーにもこーにもー、にっちもさっちもー」

「急に独り言、歌、呪文の全部ごちゃ混ぜにして発酵させたような声を出すなよ。警察と病院のどっちに電話するべきか分かんねーだろ」

「どっちにも電話いらないよ。俺なんかの為に迷惑だろ。……そうさ、ここぞって時に融通が効かんは要領悪いわで自分から首絞められに行くような俺なんか」

「おいおいメンタル強いのはお前の数少ない長所だろ?この世のものとは思えない顔で10何年も生きて来たんだから」

「そーだよなー。頑張って長所取り戻さなきゃなー」

「……おう。顔以外にも運動神経、ルックス、センスとことごとく悪いんだからな」

「うん。自分でもそう思うよ。そんな俺と一緒にいてくれてありがとな。何もしてやれないけどさ、こうやって頭くらいはいくらでも下げ」

「だー!!やめろー!!こっちの暴言全肯定するな!こんだけぼろくそに言われてるんだからいい加減に言い返せや!」

あ、我慢してた雄馬が修司が土下座しようとしたのを見てキレちゃった。でも1時間は耐えてたから我慢した方かな?

「いや、言い返すにしても間違った事は言われてないし」

「間違ってるだろ!?お前はちょっと個性的な顔立ちってだけでそこまで不細工じゃねーし、運動神経、ルックス、センスも言うほど悪くねーよ!」

「そうか。そこまで言われるとちょっと照れるな」

「褒めてねーよ!!ぬぁー!こいつ面倒くせー!!」

「ほいっ」

「ごふぇぁ」

ヒートアップしてきた雄馬の鳩尾に裏拳をかます。コツは威力より正確さ。手首のスナップを利用してまっすぐ入れると効果的にこのように相手をむせさせる事が出来る。

「……、あ、彩華。何、で?」

明らかに苦しそうなのに疑問が勝ったのか、涙目でこちらを見つめて来た。

「あんたさっきから修司が凹んでいる事を良い事に好き勝手言い過ぎ。あとそろそろその大声がお店の迷惑」

「……すみ、ません」

そう言って雄馬は項垂れた。場所は安さで有名なイタリア料理のファミレス。そこでぐだぐだになった修司と雄馬のやり取りを、私は他人ごとのように眺めている。一応弁解しとくけど2人ともしらふだよ?私達未成年だし。ついさっきまでは私が修司を励ます相手をしていたから今は雄馬と交代して休憩中。過去に何回か、ローテンションでマイナス思考のグダグダ修司の相手をしているけど、何度やってもあのしんどさには慣れないね。今の時刻は5時過ぎで日が傾いてきている。何でこんな時間にいるかというと、午後1時頃にファミレスに着いた私達は、始め修司のお弁当つつきながらパスタを食べるっていうかなりアンバランスなことしつつも楽しく過ごしてたんだけど、午後2時頃に雄馬と2人で無理やり修司に愚痴を吐かせて、2時間後に見事、修司の空元気を引っぺがして陥落させる事に成功。今まで強がっていた分、一気にローテンションになりこんな時間まで先程のようなやりとりを続けている。

「ごめんな雄馬。俺のせいで殴られて」

「……確かに、好き勝手言ってたんじゃなくて、叱咤激励してただけとか弁解したい事はあるが、決してお前のせいじゃねぇ。俺の自業自得だ」

「……お前、かっこいい奴だなぁ」

「それは知ってるが、このタイミングで言われるのは不本意だ」

まあ私達が学校をサボってまで無理やり連れ出した理由がこれだったりするんだけどね。修司はガンガン自分の中に溜め込むタイプだから、貯めた分を吐きださせてあげている。まあぶっちゃけ私達……というより私か。私の自己満足。

「まっ、これぐらいしか私には償う方法ないもんね」

思わず呟いていた。修司には本当に感謝している。こうやって雄馬とも付き合えたし。でも、私は幸せを感じれば感じるほど、胸が苦しくなる。

「彩華ー。そろそろ助けてくれー限界だ。こっちまでテンション下がっちまう」

「じゃあ後5分宜しく」

「5分も!?」

「本人目の前にして失礼な2人だな。まあ俺がその程度の奴だから仕方ないけどさぁ」

「今度は自虐ネタで拗ねるのかよあーもう本当に面倒くせぇ……!頼むからいつもの調子に戻ってくれよ!」

今は修司の人の良さに甘えているだけなのだろう。いつまで続けさせてくれるかは分からない。でも、こちらにもいつまででも続けてやるという意地がある。そんな自分勝手な決意を新たに、私は忘れることの出来ない過去の過ちを思い出しながら残り5分を過ごすのだった。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




イライラする。原因は勿論先ほどのやりとりだ。

「布施さん気にすることないですよ。あんな奴のことなんて」

「そうですよ。あんな見え見えのポイント稼ぎ、寒気がするったらありゃしません」

周りの子達もこれをきっかけに次々に右方君の悪口を言い始める。おそらくずっと無言でいた私を気遣ってくれているんでしょうけど、私がイライラしているの は別に右方君が橘さんのポイント稼ぎをしていると思ったからではない。……まあ彼女達の言うことを否定するつもりはありませんけど。私達は職員室に行くために、階段を登らずに廊下を右に曲がる。

「やあ、布施葵。ちょっと時間いいか?」

するとそこには先に行っていたはずの柏木さんがいた。

「申し訳ありませんが職員室に行かないといけませんので。そもそもあなたが教えてくれたことですよ?」

「ああ、そのことにも関係する話でな。なあに、すぐに終わる話だ」

本来なら相手にしないで職員室に向かうところですが……。

「相原さん、申し訳ありませんが皆さんを連れて先に教室に戻ってください」

「そんな、私達もお付き合いしますよ!」

相原さんが心外だといわんばかりに詰め寄り、周りの子達もそれに同意するように頷く。

「気持ちはすごく嬉しいんですが、私のせいで多くの遅刻者を出すわけにはいけません。相原さんお願いします」

「うぅ……分かりりました。それでは失礼します。みんな、行こ」

相原さんが渋々というよりは無理やり納得した感じで頷きみんなを連れて行く。そしてすれ違いざまに柏木さんを睨むが、彼女はそれをひょうひょうとした態度で軽く受け流していた。相原さん達が階段を上がって行く足音が響き渡く。そして足音が聞こえなくなってから柏木さんは話し始めた。

「済まないな。人払いをさせてしまって」

「人前で言えるようなら食堂で言ってくだされば済みますからね。それで話とは何ですか?」

「ああ、その前に謝っておきたいことがある。我が担任の言づて云々の件は嘘だ。申し訳ない」

そう言って柏木さんは頭を下げる。

「まあそうでしょうね。それより早く本題をお願いします」

柏木さんは口調こそ尊大だが礼儀のない人ではない。そんな人が教師の呼び出しを知っているのにも関わらず呼び止めたということは、呼び止めるほどの理由があるかその呼び出し自体が嘘かのどちらかだと踏んでいた。

「君は頭は良いが本当に冷たい奴だな」

彼女は始めは驚き、そして最後は苦笑して言う。

「先ほどの右方修司とのやりとりについでだ。君が感情を露わにするとは正直驚いたよ」

私達の話を聞いていたということは、あの何も知らないような登場の仕方は演技だった訳ですか。とんだ狸ですね。

「そんなこと言うためにわざわざ引き止めたのならこれで失礼しますが?」

「待て待て本題はここからだ。君と右方修司の話し合いの根本は橘柚希が女生徒を泣かした件だな?」

「……正直、当たらずとも遠からず。と言ったところでしょうか」

原因は彼曰く、相手を知りもせずに批評するなという事でしたが、そもそもあの事件が無ければこのような事にはなってませんし。

「それがどうかしましたか?」

話が見えず、先を促す。

「その事件が起きた次の日、偶然にも右方修司と話す機会があってな。私は彼の中学生時代を知人から聞いてい前々から興味があったのだ。いい機会だと思って質問をしたんだよ。「君は今回の橘柚希の行動についてどう思う?」と」

「それで?」

結論から話さない柏木さんの遠回しな言い方に一層イライラが募る。

「彼は「あんたもか」とため息をついたんだ。これは思わず言ってしまったことらしくてね。彼は聞かなかったことにしてくれと言ったんだがしつこく食い下がったらようやく折れてくれたよ」

「勿体ぶらないで早くしてください。こちらも暇ではないんです」

授業が始まってしまうというのに彼女のこの余裕が理解出来ない。そんな私のイライラが頂点に達しそうになったとき、

「彼は言ったんだ。柏木はその泣いた子は誰か知ってるのかと」

「――え?」

私は意味がわからないことを聞いた。

「そう言ったあと、彼はこれ以上は勘弁してくれとその場を去ってしまってね。その言葉の意味がわからない私は、とりあえずその本人に会おうと橘柚希と泣いた彼女のいるクラスに行ったんだ」

彼女は真っ直ぐこちらを見つめてくる。訴えかけるように。

「結論を言ってしまえば見つからなかった。いや、正確には存在しなかったといった方が正しいな。私はクラス全員に聞いて回ったのだが、みな自分のクラスの女の子が泣いたという認識はあるんだが、誰が泣いたかになるとさっぱりだ。まあ泣かした橘のインパクトが強かったと言われればそれまでだが、それにしてもおかしな話だろう?」

「……」

確かにおかしい。もし仮に全員が入学したてで名前と顔を知らなかったから覚えていないとしても、泣いた本人まで覚えていないなど記憶喪失になるなどしないかぎりどう考えてもありえない。私も彼女とぶつかっているが、泣いていて顔を見るどころか声も聞いていない。その事件の日以降、それとなく教室を観察したが、みんな楽しそうにしており、橘さんに直接言い寄った私が出てくると空気が悪くなるかもしれないし、それに悲しい話をわざわざ蒸し返すべきではないだろうと深く追求はしなかった。もしかして、話しかけられた橘柚木以外に、ちゃんと彼女の顔を見た人物はいなかった?

「泣いた女の子は確かに存在した。それはクラスの大半が証人だ。だが次の日には彼女はいなくなっている。これはいったい何を意味しているんだろうなぁ?布施葵」

そう言って、挑戦的な目つきに変わった柏木さん。そもそも、本当に彼女は橘さんと同じクラスの子だったのだろうか?可能性としては、泣いた本人は何らかの理由があって名乗り出ることが出来ない。それとも――……いや、今早急に出すべき答えではない。それよりも確認したいことがあった。

「……教えてくれたことには感謝します。ですが、あなたは嘘までついて私を呼び出してこのことを伝えた理由はですか?」

何度考えても完璧に部外者である彼女が自ら関わってくる意図がわからない。私はおそらく答えてくれないとは思いつつも彼女に訪ねてみた。

「さあな、私にも分からん。ひょっとしたら意地悪がしたかっただけかもしれんな。なんてったって私は君を敵視しているからね」

柏木さんがほくそ笑む。

「私は別に敵視していませんが?」

それを毅然とした態度で受けて立つ。敵視されるのには慣れている。

「そんなことはないだろう。なんてったって私達は――」

柏木さんは背を向けて歩き出す。

「同じポニーテールで見た目が被ってるからな」

ずっこけてしまった。

柏木さんが去り、独り残された廊下に5限開始のチャイムが鳴り響いた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「じゃあまた月曜なー!!」

「……おう」

「……バイバイ」

ファミレスからカラオケに移動してストレスを発散させた俺はかなりホクホク上機嫌。今ならフルバイトからの徹マンで圧勝する自信があるね。それに引き換えあのバカップルときたら、何があったのか知らないけど、カラオケではやけくそ気味のハイテンションだったのに、今ではガタ落ちでカオスと化しており、無言で帰る2人の背中には渋い哀愁が漂っていた。……何があったかは知らないけど、何となく俺が悪い気がする ので今度プリンでも奢ってやろう。本当に何があったか知らないけど。仮に、自分が醜態を曝した事実を思い出したくないだけとかだったら理解できるけど仮の話だしな。そんなことを考えながら一人っきりになった俺は、あいつに電話をかけてみようかとも思ったが、現在の時刻が7時過ぎなので、向こうは深夜だと思いだし止めた。なので、真っ直ぐ自分の家に帰っている……とこなんだけど。ほぼ毎日通っているはず道がなーんか気味悪い。日は沈んできて薄暗いし、道にはたぶんたまたまだろうけど、人っ子1人いないから聴こえてくのも俺の足音だけだ。そんな道を電気がきれかけている街灯だけがチカチカと点滅しながら頼りなさげに照らしている。

てってれってれー♪

右片修司の死亡フラグがたった。

「いやいやいやいや、んなはずないから!」

脳内で流れたメッセージを急いでかき消す。だって俺だぞ?人に恨まれるような真似してないし、そもそも知名度なんて無いに等しい。そんな奴をわざわざ狙う物好きなんて普通いないだろ。(確かに普通ならな。だけど通り魔や無差別にってことは十分ありえるぞ?なんせ最近は物騒な世の中になったからな。それにこんな状況で誘拐されたっていうとびっきりの経験があるんじゃないのか?)

「……。怖ーくなんてなーいわー、おばーけなーんてうーそやー」

はぁ?他意なんて全く無いしただ無性に歌が歌いたくなっただけだしはぁ?何言ってんの?

「やけどちょいと、やけどちょいと、わーいかって怖いわー」

決して怖さを吹き飛ばすために「お化けなんて嘘さ〜関西バージョン〜」を歌ってるわけじゃないし。ほんと勘違いしないでくれよな。それにもうあそこの十字路を左に曲がれば愛しの我が家に到着だし。

「怖ーくなんてなーいわー、おばーけなーんてうーそやー」

そう、あそこを曲がれば……。

「……何かあの角から異様なオーラを感じるのは、気のせい、だよな?」

表現しづらい黒いどよーんとしたオーラが充満しているんだけど……うん気のせいだ!

俺元々霊感とか皆無だしそんなオーラとか感じるわけないもんなうんよし行くぞお願い何も出ないでくれー!ごめんなさい本当はすごくびびってましたー!後半意志がポッキリと折れながら勇気を出して十字路に踏み込み左を見る。するとそこには――

「……はぁ、だから言っただろ?気のせいだって」

安堵からか、思わず誰に言うでもなく呟く。そこには毎度お馴染みの道が広がっていた。あぁー、なんか今ので緊張の糸やら集中力やらがきれてどっと疲れが吹き出してき

「カー!カー!」

「――っ!」

思わず体が硬直する。カラスめこんな静かなところで急に鳴かれたらびっくりするだろうが!空気読めよ!鳥インフルエンザにかけてフライにするぞ!当たり前の如く食わないで放置で油が回りまくってギトギトになる運命だけどな!……でもさ、よくよく冷静になって考えてみると、この辺りでカラスが鳴くってかなり珍しいよな?てかそもそもカラスって夜鳴くの?

「…………帰ってそっこう風呂入って寝よ」

俺は気のせいだろうと自分に言い聞かせて不吉な予兆気から目をそらす。だから前を横切る黒猫の大群からも目をそらすし、切れた両足の靴紐なんて無視をする。……何だこのベッタベタな不幸の前触れオンパレードは。あれか?俺今日死んじゃうのか?そんな身の危険を感じているうちに着いた我が家=築50年のアパート2階建。ちなみに俺の部屋は2階の1番端にある。だから俺は錆びているオンボロ階段をギシギシいわせて登りながら「俺って生命保険には入ってたよな?」と割と真剣に考える。

「――――っ!?」

声を出さなかっただけでも褒めて欲しい。俺の住むアパートは典型的な2階建のアパートで、階段をあがると20メートル弱の真っ直ぐな通路があり左側に部屋が、右側には落ちないように柵がある。だから階段を登っている途中から1番端にある俺の部屋の前も簡単に見えるんだけど――……いたんだ。俺の部屋のドアにもたれかかって三角座りをする人が。俺は歩いて自分の部屋の前まできて声をかける。

「……やあ。奇遇ですね」

橘柚希、その人に。いや何でこの人俺ん家の前にいるのってかそれ以前に俺の家知ってんの?

「…………」

そんな疑問をひとまず置いて話しかけてみたが無反応。1回目のチャレンジ、失敗。

「いくら7月だといっても、もう夜ですし、さすがに冷えますよ」

「…………」

何を考えているか分からないタイプだけに、ちょこちょこびくびくしながらも、話しかけるが無反応。2回目のトライ、失敗。

「え、えーっと……そうだっ。もうこんな時間ですし、ご両親が心配すると思いますよ。連絡してみたらどうですか?」

イメージとしてはぶぶづけをだす京都人。ようするに帰って下さい。いやだって急だし怖いしテンパってるし。

「…………」

そんな遠回しの俺のジャブすら無反応。3回目のアタック、失敗。3度平静を装って話しかけたけど、橘さんはぴくりとも反応しない。ということは今は話す気はないらしい。いや本当に何しに来たのこの人。俺は無言で立ち尽くすが、正直気まずいったらありゃしない。だって誘拐→友達拒否→盗み聞き→言い争いに乱入→今だからなぁ。どうしようかと悩んだ末、とりあえず橘さんを観察でもしようかとそちらを向く。

「っ!」

で、そっこう目をそらした。だ、だって夏服のスカートで三角座りしているもんだからスラッとした綺麗な足が太もものかなり際どいとこまで見えていたんだよ!あれじゃちょっと風が吹いただけで見えちゃいますって!何がとは言わないけど!何がとは言わないけど!!勢いで2回思ってしまった。反省。よし、予定を変更して橘さんの方を見ず煩悩を捨て去って落ち着いて状況を整理しよう。橘さんが俺の部屋の前に三角座りをしているということは、俺に何か用があるのは間違いないだろう。そしてそれは昼休みの件が深く関わっていると思う。それが根本なのかきっかけなのかは分からないけど。こんな時間にオンボロアパートの前で待ち伏せしてまでの用だ。橘さんにとってよほど大事なことなんだろう。

「……………………どっこいしょっと」

俺は通路の半分くらいのところにあるドアの前に腰を下ろして一息つく。本来ならこんな所にいたら住民の通行の邪魔になって迷惑なんだろうけど、実はこのアパートの2階に住んでいるのは俺だけだったりするのでそんな心配はいらない。ちなみに他の住民は1階に2組だけだ。まあなんせ築50年の風呂なしオンボロアパートだから人気ないのは当たり前なんだけどな。怖い気持ちはやっぱりある。でも、それ以外の感情が強く俺を突き動かし、決意した。橘さんが話してくれるまで気長に待とうと。徒然なるままにぼんやり景色を眺めているうちに、日は完全に沈んでいった。

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