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目標


朧気な記憶を何とか引き攣り出して整理しながら、とりあえずこれからどうするか考えてみる。


この世界が妹のハマっていた乙女ゲームで、俺はそのヒロインに成り代わったと仮定したとして、正直対策を立てようにもこれからどうなるかも分からないのに対策も何もない気がする。

今の俺は見た目は女子であるから、もしかしたら、万が一にも、乙女ゲームという世界の抑止力的なものによって、攻略対象とのラブが発展するかもしれないとしよう。

しかし、精神が男の身としては男と恋愛をする気なんてサラサラない。

一応言っておくが、十六年女として生きた記憶ももちろんあるので女性にも恋愛感情は抱けない。


なので、もしそんなラブ的展開になっても「ごめんなさい」と断ればいいのだ。


「なんだ。簡単なことじゃん」


解決したからとノートを閉じようとした時、パッと自分の書いた文字が目に入った。

そこには『監禁』の二文字がある。


バットエンドで監禁。この場合のバットとは選ばれないことが該当するのではないだろうか。

そんな考えが頭をよぎる。


ラブ的な感情を抱かれた場合、俺には振るしか選択肢はない。

しかし、振ればバットエンド直行。イエスと答えても俺はバットエンド。


「やばい。逃げ場がない」


他のバットエンドがどうかは知らないが監禁は嫌だ。


「……となると、ただのクラスメイトで終われるのが一番だけど、万が一関わりを持ってしまったら目指すのは友情エンドだな。誰ともフラグを立てずに、モブAとして過ごす。それを目指そう」


男子校にたった一人の女生徒がモブAになれるかはともかくとして、方針は決まった。


「後は万が一にも監禁されるようなことが起こった場合に逃げれるように脚力を鍛えておくことと、腕力…は、鍛えても檻に入れたら鍛えたところで無駄だろうな…。となると、どんな強度の檻をも壊せるような魔法を編み出すか…」


この世界には前世にはなかった魔法が存在する。しかし、魔法というのも万能ではない。

生まれ持った魔力量なんかは努力ではどうにもならないし、相性の悪い属性なんていうのも存在する。


属性というのは、まず、魔法そのものに五つの属性が存在する。

火、水、木、土、風の五つを軸にそっから派生したりしている属性もあるが、大体はこの五つに分けられる。

魔法を使う人間には生まれた時からこの五つの属性のうち、どれか一つが振り分けられている。

火属性なら、火に関する魔法が得意だったり、逆に大袈裟に言えば水属性の魔法は壊滅的だったりとするわけだ。

偶にオールマイティに熟す人もいることにはいるが、それはその人の努力の結果である。


ちなみに俺の属性は風である。風の属性は火に弱く、土に強いという特性がある。

つまり、キサラが火属性の魔法使いだった場合、相手の能力値にもよるが、魔法での攻防になった場合、押し負けてしまう可能性もある。

なので、火属性に強い水属性の魔法に俺の得意な風魔法を上乗せする形で威力を上げて、相手の魔法を封じ込めるようなものも作っておいた方がいいかも知れない。


ノートに今後の目標と書いて、その下に脚力強化と魔法強化、そして目指すはモブAと大きく書いてからノートを閉じた。


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