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デモそうなんでしょ

 ついにやった。


 これはもう、言い逃れも出来ない。

 追い風がまた私達に吹いた。


 デモを制限しようとするなんて愚かとしか言い様がない。


 言論の自由も、表現の自由も蔑ろにする政策だ。


 案の定、ネットでは非難の嵐と私達の党に対する賛同の声が、どんどんと溢れてきている。


 数日後、いや、もしかしたら数時間後にはデモ隊が、国会議事堂を埋め尽くすだろう。


 野党第一党の顔である私は、この中でスピーチし、こんな横暴を許さないと演説する、今の与党に対する火種は、大きく燃え上がり、これで野党ではなく与党へと、押し上げてくれるだろう。


 無人島でデモをしろなんて、無茶苦茶な政策を掲げる総理なんて、放っておいても消えるだろうが、早々に退場を願うなら、の燃え上がる火に叩きこんでしまおう。


 私達の党が与党に、そして、私が総理大臣になる事も夢ではない。


 今の時期ならば確実だが、時間を置くとせっかく縮小した派閥が、息をふきかえす。


 只でさえ、あんなぽっと出の、今まで名前も上がりすらしなかった、状態を担ぐしかなかった与党を崩せない無能扱いする奴らもいるぐらいだ。


 だけど、それも終わりだろう。


 デモ隊は、総理を非難するだろう。

 マスコミは、それを拡散するだろう。


 まるで、炎を大きくするように。

 その炎で、今の与党は焼かれて死に体となるだろう。


 そうなれば、日本には新たな顔が必要だ。

 野党第一党の顔が、日本の顔となる。


 それは遠くなくそして、確実に行われるものだ。





「総理、昨日はすごいデモでしたね」

「そうだねぇ野党の議員さん達、はしゃいでいたねぇ」

「他人事ですねぇ、危機感ないんですか?」

「そもそも野党側は、不祥事起こしておいて、自分達は許されていると思っているから、あんな風に騒げているんでしょう、昨日の騒ぎで、公務執行妨害、乱闘による逮捕者十数名、道路にはみ出した数十名のために起こった渋滞混乱もあったのに、見てみぬふりどころか、警察権力による政権へのごますりだとか、不当逮捕だと言い出している、そんなお笑いの政治家に何の危機感を抱けと?」

「そう言われると確かにと言う気がしないでもないですね」

「まぁ冗談だけどね、昨日のデモで、こっちの主張の正統性の補強は出来たし、あっちは優越感に浸れる、どっこいどっこいだと言う事にしよう」

「どっこいどっこいとは古いですね」


 そんなに古いかと首を捻りたくなるけれど、まぁいいや。


「さて、下がったなら上げないとね、これのコピーよろしく」




 ライブ・演劇法案


 娯楽は活力を与え、活力はよりよき社会を築く。


 そのため、ライブ・演劇などで会社を年4回休みもしくは早引きをみとめ、更にチケットの半額を企業が負担する制度。


 この制度の申請取組が多い会社には政府から補助金またはチケットの割引、配給等の優遇が受けられ、負担した金額に応じた法人税の減税を段階に分けて行うものとする。



「急にごますりましたね、デモ効いてるんじゃないですか?」

「その様な事実はありません」



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