人質の重みと議員の軽さ
「総理、ふざけないで下さい」
「至って真面目ですよ、開口一番にふざけないで下さいと言われても困ります」
「人質法案なんて名前ふざけているも同然です」
「おかしいですね、貴方がた我々の法案を戦争法案だの、シロアリ法案だのと言っていたのはふざけていたと言うことですか?」
「今そんな話はしていません」
「そうですか、それじゃあどんな話なんですか?」
「心辺りはないとおっしゃるんですか」
「最初に至って真面目だとお答えしたじゃないですか」
「そういう所がふざけていると思いますけど、ご自覚がないんですね、ですが総理、人質法案だなんて名前もふざけていれば、中身もふざけている」
「名前については、先程その様な話はしていないと言ってましたよね」
「先程からふざけないで下さいと言っています、中身の話なんですよ」
「どこがふざけているんですかね、野党の皆様方は軽々しく不信任案を出しすぎている、そんな簡単に出しておいて、否決されたら、横暴だのなんだのと騒ぎ立てる、責任がないから慎重にならず、思考停止せず役職の重みや重要性をわかってもらうための法案です」
「役職の重みや重要性が、わかっていないのは、あなた方与党でしょ、我々は、役職の重要性は、わかっているから、相応しくないから出している訳ですよ」
「それならば、何の問題もないじゃないですか、相応しくないと、迷わず今まで通り思ったら、出せばいいんですよ、否決されたら、自分の進退をかけるほど重要と思えば、出したらいいんですよ、その責任をとるだけの話なんですよ」
「それは脅しですよね、我々に与党の横暴、総理の暴走を止める手段を奪うと同義ですよ」
「何も失わないから気軽に出せていたわけではないというならば、是非とも賛成していただきたい」
「こんな法案がまかり通ってしまえば、総理大臣の権限が強くなり、民主主義に反する可能性が出てくる、そんな法案に、賛成なんか出来るわけないでしょう」
「そうですねぇ 確か強くなるかもしれませんね、なら、この法案は、野党が審議拒否の退席、欠席や議題と関係のない話をした場合、適用されるでいいんでしょう、審議しないのに不信任案をだすという事がまかり通ってしまえば、民主主義とは言いがたいですからね」
青筋さんの質問なのか、言いがかりと屁理屈の応酬は疲れる。
栄養ドリンク、高いのだと効くと言う話を聞いたことがあるが試す気にはならない、安いので効いたような感じにならないのに、高かったら効くと言うのは、にわかには信じられない。
そんな栄養ドリンクより、少し冷たい表情をしている秘書を見る方が、疲れには効くのかもしれない。
「マスコミが不謹慎だと騒いでいますよ」
「ハハハ それなら戦争法案なんて言った時にも不謹慎だと騒げば良いのにね」
軽い冗談を冷めた目で見てくる秘書と言うのは、貴重だと思う。
「総理、こんな法案な事より景気対策等を出したらいかがですかと、遠回しに報じられていました」
「民主主義の崩壊とか、言論の自由とか言っていたのに、こんな法案とは二枚舌には何時もながらビックリするよ」
「総理は二枚舌でおさまるといいですね」
これは癒そうとしてくれていると思えば、皮肉もそう悪いものではない。
そう思いながら法案を見せる
「これなら景気対策になるんじゃない」
「なんて言うか普通ですね」
新婚者法案
家庭の円満は社会の円滑にも繋がる。
古くからそう言われている。
ある業界では、新婚ブーストとも言われている。
新婚時の熱愛をとって、スマホなどの動画媒体でラブラブをアピールする動画をとり、一年間五分以上の動画60本の動画を、国の定める機関に投稿した場合、協力報酬として現金15万円と、協力企業団体から割引や優待券が貰える有効期限2年の証明書が発行され、子供ができた場合は、5年の有効期限とする。
尚優待券に関しては期限内で離婚した場合有効期限を待たずに、失効する。
この制度を利用出来るのは、3年以内の新婚夫婦とし、離婚は婚姻後5年は特別事情を除き基本的に不可とする。
この制度を利用した夫婦が、離婚後無職あるいは一定賃金を下回る場合、政府の定める機関で、非正規雇用での採用、斡旋を優先的に受ける事ができる。
「普通に見えるなら目がおかしいけどね」
「今までのに比べたらと言う意味ですよ」