ヤジを飛ばしたら怒られる
「総理、こんな法案本気で審議すべきだと思うんですか」
「審議すべき事じゃないですよ、本来ならばこんな法案審議に値もしない事だと思います」
「じゃあなぜやるんですか!」
「現状できていないからですよ、できていないから環境を変えて行こうとそれだけのことです」
「無駄な議論に税金をつぎ込む気ですか、他に、議論すべき事、決めるべき事、やらないといけない事があると思いますかどね」
「お互いに、くだらないヤジを飛ばしあい、そして審議が遅れれば、それこそ無駄なお金と労力の節約ができますし、無駄ではないです」
「大体いつもこんな駄目な政策を出してくるから、我々が怒り、それが声となっているんですよ、総理、その事を理解していますか?」
「きちんと説明を聞いて理解しているのかどうか怪しい以前に、考えるということすら放棄している、あなた方の怒りは、パフォーマンスにしか見えません」
「失礼ですよ、撤回し謝罪て下さい」
「その様な態度ですから、我々は怒り声として出して、現状がすこぶる悪いから案を出して審議を求めているんですが、あなたも謝罪し撤回して下さるんですか」
「ふざけないで下さい、これは弾圧ですよ、納得できないという我々の声を総理は封じ込めようとしている」
「別にそんな事はしていません」
「自分への否定的な発言を禁止、ヤジも禁止しようとしてておいてなんて言い草なんですか、こんなに情けない総理は貴方ぐらいですよ、言論の自由、政治をなんだと思っているんですか」
「なるほど、それでは、あなた方野党はヤジが大切でそれだけ価値を見いだしていると、それならばその価値の分、自らのお金や質問時間を差しだして国会に臨めばいい、価値があるならやるべきですよ、価値はないけれどやりたい、なんて無駄な事はしませんよね」
言論の自由を封鎖か、総理大臣として政治家として若手の起用が裏目か、支持率低下し崩壊の序章か。
「各新聞好き勝手書いているねぇ」
「自主性に任せた自浄作用を狙った方が良かったのではないですか」
新聞の広告チラシの切り取りを呆れながら見ている、いつもより1割ほどキレある視線に
動じずにハサミを動かしながら答える。
「それは、やらない事と同義だと思うけどね、実際ヤジは同調圧力でもあり、盤外戦術も良いところだ、連帯感を強要して、失言狙い、そんな風にやってきたから今も通じると思い込んでいる」
「与党内からも反発がでていますけど?」
「そりゃあヤジ飛ばしたら審議時間が伸びるなんて一文があればね、楽をしたいのに出来なくなるから不満はでるだろう」
「わかっていたのに、なんでつけたのですか?」
「その方がお互いに都合がいいから、向こうはこっちを悪者にしたい、こっちは多少の善人面が出来る」
「考えていること子悪党ですけどね」
「はいはい、じゃあもう少し立場を悪くしようかね、これの提出お願いします」
「マスコミにも喧嘩を売るんですね」
「当然、マスコミは政治家なら与野党ともに無視できない力があるからね」
支持率公表禁止法
与野党の支持率をマスメディアが一定期間公表しないことで、与野党ともに緊張感をもち中身で勝負することを目指していく。
支持率の発表は前回発表から半年を立たなければ、どのマスメディア媒体も公表してはならない。
ただ、統計を各社でとること事態は禁じないものとする。
その際支持率は社外秘として扱い、流失、口外等の理由で漏れた場合や公表期間外に公表した場合、公表した理由を報じるとともに、与野党議員各1名、マスコミ各社から代表3名、弁護士数名、公表した当事者全員及び社長を交えた会議を行い、再発防止策を発表させ、守られない場合ニュースの放送を、災害発表を除き三年間禁止する。
初回の罰則としては団体ならば1000万万円以下の罰金と国が命じる社会奉仕を一年間行うものとする。
個人の場合は百万円以下の罰金と国が命じる社会奉仕を三年間行う。
「まずはどう騒ぐのか」