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割れ窓理論

「総理、今朝のニュース見ましたか」

「あぁ人気アイドルが電撃結婚したニュースが大々的に報じられていましたね、それが何か?」

「何かじゃありませんよ、勿論アイドルの結婚じゃありません、あんな馬鹿げた法案を提出しようとしているんですか?」

「どこら辺が馬鹿げているのでしょうか?」

「何で総理を褒めないといけないんですか、そんなに辛いならやめたらいいじゃないですか」

「辛いなら辞めろというのは、ある種のパワハラですよ」

「ふざけないでください、自分を褒める人しかいらない、イエスマンしかいらない、報道規制も言論の自由もないんですか」

「罵詈雑言を禁止したら、褒めるしかないと言うのはそちらが勝手に思い込んでいるだけでしょう、無言だっていいわけですし、飲み屋で私的に愚痴るぶんには構いません、イエスマンしかいらない訳でも、褒める事だけと言うことでもないですよ、あくまでも罵詈雑言は駄目だと言う事です」

「全うな批判が罵詈雑言となれば、イエスマンしかいらないと言うことでしょう、総理が言論の自由を奪う最低な総理大臣と言う事です、そんな横暴をする気ですか」

「発令するなら総理を三年後までに辞めるか、解散を野党が求めるものに義務づけしています、横暴する気ならこんな条件をつけません」

「何で三年後までになんですか、いえこんな案を発令する、草案するような総理は即刻辞めるべきです」

「総理大臣としてのパフォーマンスを発揮させようと言う趣旨の案なのに、即刻辞めたら元も子もないと思います、誰のためにもならない」

「こんな法案は総理大臣のためだけに作ろうとして、私物化するような真似は止めていただきたたい、貴方が総理大臣を辞めたら、それだけで国民は救われます、いいですか総理、政治家なら総理大臣なら批判などは国民の真摯な声として受け止めるべきです、それができない貴方は国会に巣食おうとする癌ですよ」

「先ずそういう、総理大臣には何を言ってもいいと言う風潮が、政治において悪くする土壌を作っていると言う事を理解していただきたたい、罵詈雑言を言うと、時に英雄のように扱われ、このぐらいなら構わないとドンドンとエスカレートしていく、マスコミやSNSは人気とりのため、こぞって取り上げ罵詈雑言に拍車をかけます、罵詈雑言を言うだけで仕事をした気になり、傲慢に怠惰となり

 、そんな心構えでは、簡単に賄賂等の不祥事に手を染めやすくなり、割れ窓理論とも言われてます、まずそんな悪い土壌の環境をかえていく必要がありますから、これは総理大臣がきちんと仕事をするためだけではなく、政治への信頼性を取り戻す環境づくりでもあります」





 夜のニュースに今日の一部が報道されている。

 やっぱり文句つけてきたなぁ。

 まだ草案の段階なのに。


「こうして見るとまともな事を言っているように思えますね」


 高級な羊羮のお茶漬けを出した後に、コーラを注ぐ秘書は、なんか間違いだらけだと思うけれど、指示したこちらが思う事ではないな。


「理論とか言うと、多少はそれらしく聞こえるから」

「マスコミからは、メンタル保護する必要のないぐらいふてぶてしいとも評価されているだけの事は在りますね」

「意外にマスコミは叩いてこなかったなぁ」

「様子見と言った所でしょうか、街頭でも3割がた賛成でしたし」

「まぁアイドルの結婚がトップニュースなぐらい現実味がないといった所かね」


 まぁ今のうちに新たな案を出しておく準備でもしておこう。


「それにしても総理は、辞めろとかヤジられてもふてぶてしい態度は如何なものですか、もう少し柔和な感じで対応して下さい」


 なるほど。

 ちょうどいいし、あの案を提出しておこう。


 机に閉まってあった紙を秘書に提出し、議論をするようにと言い渡しておくと、また苦い顔をしていた。


「正気ですか?」

「何これなら国会でもそうそう言われないはずだ」




 ヤジの花有料法案


 ヤジは議会の華というべきもこだ。

 ヤジ将軍、ヤジなくして国会なし。


 ただ、それは正しいのだろうか。


 審議の妨げになってない?

 むしろ邪魔で悪意しかなくない?

 仕事しているように見せかけてない?


 自己満足、自己陶酔を高めるだけだと憂慮する。


 なのでヤジは一度の議会で各党合計2回のみとする。

 それ以降野党がヤジる場合、1回つきその議員が得られる各報酬の1割を国庫に返納し党はペナルティとして規定回数を越えた場合質問時間を1回当たり割当の時間を30分削る。

 10回越えた場合は党費の2割を国庫に返納する。


 与党の場合ヤジは1回のみとし、越えた場合は野党同様の金額を支払う。

 なお、与党がヤジを10回以上行なった場合金銭支払いに加え、審議時間を1回あたり2時間追加し、議論を深めるものとする。

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